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意味記憶とエピソード記憶を理解しておきたい

長期記憶には、意味記憶エピソード記憶というものがある。

両者の関係が興味深い。意味記憶エピソード記憶になり得るし、その逆もある…という関係なのだ。また、意図的にそうすることもできるようだ。だとすれば、私たちは努力次第で、(ある程度)記憶をコントロールできる…ということになる。私のように「自分は記憶力が悪い」と感じている人には朗報だろう。今回は、意味記憶エピソード記憶について書いてみたい。

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 目次

 長期記憶とは

エピソード記憶を思い出す

長期記憶について、少しおさらいをしておこう。

長期記憶とは、比較的長く保たれる記憶のことだ。長くといっても、数時間~一生涯までの幅がある。また、「ここから長期記憶になる」というはっきりした境界線はない。短期記憶が海馬で保存されるのに対し、長期記憶は側頭葉で保存される。このことを、短期記憶はRAM(海馬)で保存され、長期記憶はハードディスク(側頭葉)で保存される…と例えることもある。

 普段思い出すのが長期記憶

あなたが普段何気に思い出す記憶が、長期記憶にあたる。

誰かがあなたに、「過去の出来事であなたがよく思い出すことは何ですか?」と尋ねたとしよう。そのときあなたが思い出すことが長期記憶だ。学生のときにこういうことがあった、就職のときはこうだったな、入社してからこんなことがあったな…などと、いろいろ思いだすはずだ。

それらは、「エピソード記憶」と分類される長期記憶だ。特にそのような問いがなくても、昔の出来事を思い出す…ということがあると思う。その記憶もエピソード記憶だ。長期記憶にはそのほかにも、「意味記憶」、「手続き記憶」、「プライミング記憶」がある。

 長期記憶を失うこともある

短期記憶は失われるが、長期記憶も失うことがある。

その原因は、1)減衰、2)干渉、3)検索失敗、と3つ考えられるようだ。減衰は、記憶が時間とともに色あせていく…ということだ。長期記憶でも、細部については時間とともに不明瞭になる…ということがある。干渉は、ほかの記憶との干渉により記憶があいまいになってしまう…ということだ。検索失敗は、記憶はあるが、記憶にアクセスできなくなる…ということだ。

ハードディスクの中にデータがあるはずだが、そのデータにたどり着けない…ということがある。メールにしても、「読み返したい過去のメールを検索できない」ということがある。検索方法が不適切なためだが、適切な検索方法がわからない。これが、「検索失敗」ということだ。

※複数の原因がからんで、記憶を失うこともあるだろう。

 意味記憶とは

意味記憶とは、知識や情報の記憶のことだ。

たとえば「みかんは柑橘類だ」「1+1=2」などの定義や数式、「日本の首都は東京だ」「大化の改新は645年」などの客観的あるいは歴史的事実、その他「イヌはほえる」といった一般常識などが意味記憶に該当する
出典:コトバンク

定義や数式、客観的あるいは歴史的事実、一般常識などが意味記憶に相当する。このことからもわかるように、学習により定着させる記憶が意味記憶…ということになりそうだ。なので、短期記憶として海馬に入ってきたものを意味記憶にするためには、復習することが必要になる。

意味記憶の場合は、自分の個人的な経験が付随していないため、抽象性の高い記憶になる。ただし、「犬はほえる」という知識の場合、実際に犬にほえられて怖い思いをした…という経験が付随すると、別の話になる(純粋な意味記憶から変質する…ということだ)。

 エピソード記憶とは

エピソード記憶は、個人的な体験の記憶としていいだろう。

エピソード記憶には、いつどこで誰が何をどのようになぜ…という5W1Hに加え、自分の感情も記憶されている。私はこの感情が鍵になっていると思う。文字通り感情をキーにして、記憶にアクセスする…ということをするし、感情の強さが記憶の刻印の強さになる…と思うためだ。

※感情は記憶の質に影響を与えるそうだ。

エピソード記憶は、一度限りの出来事の記憶だ。何度も復習を重ねて覚える…ということではない。この記憶を海馬(RAM)から捨てるのではなく、側頭葉(ハードディスク)に保存するためには、それなりのエネルギーが必要になるだろう。それが感情ではないか…と思う。

 意味記憶エピソード記憶になる

上で少し述べたが、意味記憶エピソード記憶になり得る。

先に、「実際に犬にほえられて怖い思いをした…という経験が付随すると、別の話になる」と書いた。これは、「犬はほえる」という知識を意味記憶として保存している場合、「実際に犬にほえられて怖い思いをする」という経験をすることで、エピソード記憶になる、ということだ。

※抽象から具体になる、ということ。

エピソード記憶から意味記憶もある

逆に、エピソード記憶から意味記憶になることもある。

自分が経験したエピソードの具体的な部分が、「減衰」などにより曖昧になったりはげ落ちて、知識だけが残る…というケースだ。上の例では、犬にほえられて怖い思いをしたときのことを忘れてしまえば、エピソード記憶意味記憶になる。忘れにくいとは思うが(笑)。

※具体から抽象になる、ということ。

 意味記憶は忘れやすい?

ここで、 意味記憶は忘れやすいのではないか…という疑問が生じる。

エピソード記憶の場合は、一度で頭に焼きつけるような形で保存することができるが、意味記憶の場合は、ある程度復習を重ねなければ、保存することができない。また、意味記憶は個人の経験という支えがない(抽象性が高い)ので、比較的思い出しにくい…ということがあるのだ。

覚えたことは記憶しているのに、肝心なことが出てこない…ということがある。この現象は、エピソード記憶は残りやすいが、意味記憶は忘れやすい…ということを意味するのかも(笑)。

 意味記憶が先に発達する

意味記憶は、エピソード記憶より先に発達する。

それでも赤ちゃんのころの記憶がないように感じるのは,「いつ」「どこで」「なにを」したかというエピソード記憶が発達していないからでしょう。「自分自身についての記憶」であるエピソード記憶は発達がとても遅く,4歳ごろに機能するといわれます。このため,幼児期の記憶がないと感じるようです。
出典:日本心理学会

そのため、「幼児期健忘」という現象が起こる。

生まれてから3歳ぐらいまでの記憶がない…という人が普通だと思うが、それはエピソード記憶の発達が遅れているためだ。エピソード記憶は、4歳ごろに機能し始めるそうだが、10歳ぐらいまでは、意味記憶が優勢になる。なのでそれ以降は、エピソード記憶をどう利用するのか…が問題になりそうだ。上手くエピソード記憶化できる人が、いろいろな面で有利になると思う。

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 まとめ

今回は、意味記憶エピソード記憶について書いてみた。

前回書いた「短期記憶と長期記憶について理解しておいた方がいい」という記事で、復習することが大事だ、ということを書いた。抽象的なことでも、復習を重ねることで、短期記憶を長期記憶化(意味記憶化)できるので、(記憶すべきことについては)そうすればいいということだ。

今回の話で、それに加えエピソード記憶を上手に使えばいい、ということがわかった。最初からエピソード記憶として記憶したり、意味記憶として保存しているものをエピソード記憶にしてしまえば、より忘れにくい記憶になる…ということだ。自分でも実践してみたい(笑)。

今回の記事:「意味記憶エピソード記憶を理解しておきたい」

Photo credit: 【丹尼斯®】 via VisualHunt / CC BY-NC-SA