あなたのまわりにも、「謙虚な人」がいると思います。
出過ぎたところがなく、誰に対しても分け隔てなく敬意を払い、丁寧に接する、放漫さも萎縮もなく、人の話は素直に聞く、という人は、「謙虚な人」だとしていいのだろうと思います。
一方で、謙虚さがない人もいます。「謙虚な人」とは対極に位置する人のことですが、このタイプの人は、人生において必ず損をします。謙虚さがなければ謙虚さという武器を使うことができないためです。今回は、謙虚さがない人向けに、謙虚さは武器になるよ、という話をします。
目次
- 目次
- 謙虚には二通りある
- 衣の下に鎧が見える
- なぜ謙虚になれないのか?
- 成功すると謙虚さがない人に…
- なぜ謙虚じゃないとダメなのか
- 負の部分が一気に噴き出す
- お金持ちは謙虚さを備えている
- 受賞スピーチに注目
- 謙虚さがない人は伸び悩む
- まとめ
謙虚には二通りある
謙虚な人には二通りあると思います。
謙虚さは美徳であるという教育を受けて、謙虚に振舞うことが習慣として定着している人。
いわゆる「人格者」と呼ばれる人のことですね。このタイプの人は、誰に対しても謙虚に振舞うことができます。したがって、まわりから尊敬の念を受けやすくなります。
二つ目のタイプですが、戦略的に謙虚に振舞っている人がいます。
謙虚でなければ自分が損をする…ということを、よく知っている人ですね。
過去、傲慢に振舞い失敗した人などに多いのではないでしょうか。このタイプの人には裏表があります。人を選んで謙虚に振舞う傾向があるように思います。なので、大抵の人には謙虚ですが、身近な特定の人物にはきつく当たる…ということがあります。
衣の下に鎧が見える
このタイプの人は、ストレスが身近な人に向かいます。正確にいえば、もともと謙虚さがない人ですが、学ぶことにより、謙虚という仮面を被った人…ということになります。
衣の下に鎧が見えるタイプの人ですね。
もともと謙虚さがない人なので、何かのはずみに鎧が見えることがあります。身近な人にはその鎧が見えていますので、(本質的には)謙虚さがない人であることが、バレています(笑)。
なぜ謙虚になれないのか?
謙虚さがない人もたくさんいます。数としては、こちらの方が多いかもしれません。
謙虚になれない人にも二通りあります。まずは成功していない人。気が小さくて自信がない。
そのくせ不要なプライドを持っている。このタイプの人は自分を大きく見せようとし、不遜のオーラをまといます。オレはお前とは違うよというアピール(強がり)をしているのです。
不遜で補償する、ということです。
また、このタイプの人は、成功していないため、精神がやや卑屈になっています。「謙虚=卑屈」ではないのですが、これ以上卑屈になりたくない、軽く見られるのは耐えられない、という誤った思いがあるのかもしれません。※認知の歪みがあるのかもしれません。
成功すると謙虚さがない人に…
二つ目のタイプは、成功した人です。
成功すると、まわりからチヤホヤされるようになります。これまで相手にされなかった人とも話せるようになりますね。異性にもて、金銭的にも潤います。※成功すると、世界が変わります。
そして、万能感のようなものが芽生えてきます。自分は特別だと勘違いするようになります。こうなると、もはや謙虚さを保つことはできません。自制心が強くないと、流されてしまいます。
お前、「成功して変わったね」と言われるタイプです。
なぜ謙虚じゃないとダメなのか
ではなぜ、謙虚さが必要なのでしょうか?
これは単純な話です。傲岸不遜な人を好きな人がいるでしょうか?
たとえば、「成功したのは、オレに能力があったからだよ」として、すべてを自分の手柄にするような人をどう思いますか?もし起業し、経営者として成功したのであれば、その成功には様々な人が関わっているはずです。※起業家ひとりの力で成功する、というのはまず不可能です。
出資者、従業員、家族、クライアント、そのほか応援してくれた人もたくさんいるでしょう。「独力で成功したよ」と言えば、彼らの心証を害することになります。そういう態度ならお前のことはもうサポートしないよ…とまで思われるかもしれません。これでは先が思いやられます。
負の部分が一気に噴き出す
成功が長続きせず転落していく人には、こういうタイプが多いような気がします。
調子がいいときは、負の部分が目立ちませんが、変調が起こったとき…この負の部分が一気に表に吹き出します。なので、転落するのは早いです。※成功には時間がかかるが、転落は早い。
一度成功した後、(転落し)不遇の時代を過ごし、再び表舞台に立つ有名人がいます。彼らが成功していた当時のことを振り返って、「天狗になっていた」、「勘違いしていた」という主旨の発言をすることがあります。謙虚さに欠けていたから失敗した、と認めているわけですね。
この声を、自分のものとした方がいいでしょう。
お金持ちは謙虚さを備えている
お金持ちは、謙虚さを武器にしています。
不誠実なビジネスをしていれば、そのうち足元をすくわれることになります。
長期的に成功を維持しようと思えば、どうしても誠実さが必要になります。私生活でもビジネスでも、不誠実な人と関係を持ちたいとは思いませんよね?人はそのうち、不誠実な人から離れていきます。当たり前のことですが、利益が目の前にぶら下がっていると、判断を誤る人も少なからずいると思います。
成功を維持するためには、謙虚さが必要になるのです。
お金持ちや会社の偉い人と聞くと、放漫なイメージがありますが、実際に接してみると、そんなことはないことがわかります。むしろ、中途半端な人に放漫な人が多いと思います。
成功者の中にも放漫な人はいますが、そのようなタイプの人は、つまずいたり、思わぬところで足をすくわれたり、いつの間にか失脚したり…というケースが多いようです。
謙虚さがないと、無用な敵を作るから…ということでしょうか。
受賞スピーチに注目
私は各種の受賞スピーチに注目しています。
受賞者というのは、その道の成功者です。その成功を(彼(女)らが)どのようにスピーチで表現するのか…に注目しています。
自分の話に終始するのか、サポートしてくれた人への感謝の気持ちを述べるのか、述べるとしたら、誰に対してどこまで踏み込むのか…に、注目しています。
※前者は、謙虚さがない人になります。
私の仮説ですが、そのスピーチの内容と受賞者の将来との間には相関があると思います。
謙虚さがない人は伸び悩む
受賞スピーチで、自分本位で語る人は伸び悩み、サポートしてくれた人への感謝の気持ちを述べる人は、成功を長く維持できるのではないでしょうか。
※サポートした人には、感謝してもらいたい、という気持ちがあるでしょう。なので、ハレの舞台で感謝の気持ちを述べれば、その気持ちを満たすことができます。
このあたりは、行動科学やコミュニケーションの研究者の方に研究して欲しいものです。おもしろい研究テーマになると思うけどなぁ(夢想)。
※機会があれば、成功者のスピーチの内容に注目してみてください。
まとめ
今回は、謙虚さがない人に向けて、謙虚さは武器になる、ということを書きました。
世渡りにおいて、「謙虚さ」は武器になります。一番いいのは、「謙虚さ」を習慣にしてしまうことです。人と接するときは、自動で「謙虚さ」が起動する。こうなれば最強ですね。
それが難しい人は、戦略的に謙虚に振舞うことです。自分が損をすることになるので、謙虚にしよう…と考えることです。小賢しい気もしますが、不遜よりはるかに結果が良くなります。
※自分の損得に敏感な人であれば、比較的容易にできるはずです。
ただしその場合、謙虚という仮面を被ってもいいのですが、身近な人に当たる…ということはやめましょう。対外的には成功したけれど、家庭は崩壊…ということになりかねません。
行動メモ:
自分比でいいので、謙虚になる。
なかなか謙虚になれない…という場合は、謙虚さがない人は損をする、ということを思い出す。自分が損をする…と思えば、「損をしないように振舞おう」と思えるはず(戦略性を持つ)。
※謙虚さの真価もしっかり理解する。
人と接するときは、自動で「謙虚さ」が起動する。こうなれば最強なので、そこを目指す。謙虚な自分の姿を良いイメージとして、自分に取り込む(セルフイメージの向上につながる)。
今回の記事:「謙虚さがない人へ…謙虚さは武器になります」