不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

人間関係の法則 - ゴットマン率|相手に嫌われるラインがわかる

人間関係が苦手だ…という人がいると思います。

でも、人生は人間関係がほとんどです。人と良好な関係を築けるかどうかで、仕事も私生活もほぼ決まります。なので、「人間関係が苦手だ…」という人は、困ったことになります。

では、そのタイプの人はどうすればいいのか…ということですが、幸いなことに私たちは、先人の研究の成果を使うことができます。人間関係の法則を使えば、上手くいくでしょう。

今回は、人間関係の法則である「ゴットマン率」について書きます。

目次

良い人間関係を築く法則

人間関係

良好な人間関係を築くための「コツ」みたいなものがあります。

たとえば、相手の話をよくきく、感情的にならない、人の気持ちを斟酌して行動する…などいろいろあると思います。そして、これらのことを実践している人も多いと思います。

今回取り上げるのは、「ゴットマン率」というものです。シンプルな法則なので、頭に入れやすいと思います。※シンプルなものが的を射る…ということは、よくあることです。

人間関係の有効な法則である

ゴットマン率は、人間関係の法則、としていいでしょう。

ネガティブな言葉を多く口にする人は嫌われる…経験則として、なんとなくわかっていると思います。しかし、ポジティブな言葉とネガティブな言葉、どれぐらいの割合で使えば関係が悪くなるのか…そこまでは、わかりませんよね。それを明らかにしたのが、「ゴットマン率」です。

おもしろいことに、二人の関係性によってこの率は変化します。

ゴットマン博士とは

この興味深い「率」を提唱しているのは、ジョン・ゴットマン博士です。

ジョン・ゴットマン博士は、ワシントン大学の名誉教授(心理学)です。ゴットマン博士はここ25年で、もっとも影響力のある上位10名の中に入るセラピストだと評価されています。

ゴットマン博士は、特に夫婦の関係や結婚生活に関する研究で知られ、200を超える学術論文の著者(または共著者)です。また、ベストセラーを含む40冊を超える著書があります。

※実績に対する数多くの受賞歴があります。時代を代表する研究者のひとりです。

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ゴットマン率は

親子の場合:ポジ3、ネガ1

親子の場合は、ポジとネガの割合が「3:1」だそうです。

この率を超えてネガ発言が多くなると、親子の関係が悪くなります。

ただ、比較的ネガの割合が多くても許される関係ではあります。今回述べる人間関係では、もっともネガの割合が多くても許される関係になります。※だからといって、油断してはダメです。

親子関係が悪い…という人は、親から子に対するネガティブ発言の割合が、この比率より多いのではないでしょうか。子どもを所有物のように考えていませんか?関係が近すぎて遠慮がなさすぎるのかもしれません。もう少し子どもの人格を認め、気をつかってもいいのかもしれませんね。

※子供でも別人格の「人」だと、理解&尊重した方がいいでしょう。

上司と部下:ポジ4、ネガ1

上司と部下の場合は、「4:1」だそうです。

※親子関係の次に、ネガの割合が多くても許される関係です。

上司が部下に相対するときは、ほめ4、叱責1ぐらいの感じでしょうかね。

これは感覚的にも納得できる数字ですね。部下は「ほめて伸ばす」が基本になります。これより叱責の割合が多くなると、部下に嫌われることになります。部下に嫌われがちだ…という人は、叱責の割合が多いのかもしれませんね(自分が叱責されて育った人にありがちです)。

※ネガの割合が多くても許される…といっても、この割合です。

部下に嫌われる上司の法則が

余談になりますが、この割合から「部下に嫌われる上司の法則」が導けそうですね。

つまり、まったく部下をほめない上司は論外ですが、多少はほめても叱責の多い上司、ほめと叱責が同じぐらいの上司でも、残念ながら部下には嫌われてしまう…ということになりそうです。

部下に嫌われてしまっては、部下の働きが悪くなり上司が不利益を被ることになります。

カップルは:ポジ5、ネガ1

カップルの場合は、どうでしょうか。

未婚、結婚問わず、カップルの場合は、「5:1」がマジックナンバーだそうです。

※上司と部下よりも、気を遣う関係になりますね。

「5:1」より悪くなると、危険なゾーンに入るそうです。

具体的にいえば、(二人が結婚していれば)離婚に近づくということです。パートナーがいる人は、この数字に注意した方がよさそうです。上司と部下の関係以上に、ポジが大事になります。

別れたい人は、この数字を逆用できるかもしれません(笑)。

友人の場合:ポジ8、ネガ1

最後に、友人の場合はどうでしょうか。

友人の場合は、「8:1」だそうです。

この割合から、人間関係を保つのがむずかしいことがわかります。たとえば、ちょっとした言動が原因で、それまで仲の良かった友人と疎遠になってしまった…という経験がありませんか?自分にも覚えがあるし、自分でなくてもそういう形を見たことがある…という人は、かなり多いと思います。

友人との関係には注意したい

その現象は、この「8:1」という数字から説明できそうです。

友人間では、相手に対しネガティブな言動をすると、あっという間に関係が冷えるのです(そして元に戻すのもむずかしい)。そう考えると、友人関係というのは、思うよりも脆いものですね。

もちろん、友人でも、親友関係であれば、この率も変わってくる(ネガがもう少し許される)と思いますが、(基本的には)友人と接するときは、ネガ発言はNGだと思った方がいいでしょう。

※この中では、最も気を遣う関係になります(関係の維持には注意が必要です)。

 

人間関係の法則 - ゴットマン率

まとめ

今回は、人間関係が苦手な人向けに書いてみました。

よく眺めてみると、ゴットマン率は<関係性の自由度>と関連があります。

親子関係は本人たちの意思にかかわらず、一生続くものです。絶縁という可能性も0ではありませんが、普通は続きます。なので、自由度がかなり低いと言えます。上司と部下という関係も、自分の意思で解消するというのはなかなか難しい。なので、自由度は比較的低くなります。

一方、カップルは自分の意思で関係を解消できます。

結婚していればハードルは未婚より高くなりますが、離婚は普通にあることです(自分の意思で解消可能です)。

友人関係はもっと自由度が高い関係です。環境が変われば、あっさり解消してしまうものです。たとえ親しい友人でも、環境の変化をきっかけに疎遠になってしまうことが普通にあります。

つまり、自由度が低い関係においては、多少ネガティブなことを言っても許される。それだけで関係が壊れるようなことはない(それでも、ポジ3、ネガ1になります)、ということです。

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説教おじさんは嫌われる

一方、自由度が高い関係においては、ネガティブは禁物ということですね

たとえば、合コンで初対面の相手に、少しでもネガティブなことを言えば、いっぺんに嫌われる…ということです。合コンで説教おじさんが嫌われる原因が、理屈の上でも明らかになりました(笑)。

この「ゴットマン率」というもの、人間関係における法則を定量化・可視化したもので、おもしろい数字ですね。頭にいれておいて損はないかと思います。※普段の生活の中で、活用できますね。

この知見を上手に活用すれば、人間関係が苦手…という状況が変わると思います。

今回の記事:「人間関係の法則 - ゴットマン率」