世の中には、頭脳明晰でもなかなか成長できない人がいる。
成長というのは、「本人比」で計測されるため、それまでの学歴がどうとか、職歴がどうというものは、関係ない。なので、すばらしい学歴を持っていても、成長できない人は成長できない。
金ピカの学歴で将来を嘱望されて入社しても、成長できない人は成長できないのだ。成長できなければ、「期待外れチーム」入りし、(まわりが伸びるため)失速していくことになる。
今回は、成長できない人の特徴(考え方)をいくつか取り上げてみたい。
目次
- 目次
- 結果がわかる方程式がある
- 仕事を「やらされている」と思っている
- 学ぶ力が弱くなる
- 個人事業主だと考えた方がいい
- 自分には「無理だ」と思ってしまう
- どうすればできるのかと考える
- 知恵を絞れば何かある
- 簡単にあきらめてはいけない
- 上司を尊敬できないと思っている
- 上司の立場から考える
- 尊敬できなければ限定する
- まとめ
結果がわかる方程式がある
「この人は将来有望だ」とか「この人は伸びる」というのがわかることです。
そのほとんどが外れたことがありません。では、その人の何を見ているのか。学歴でしょうか。人柄でしょうか。それとも、境遇でしょうか。いいえ、違います。
それは本人の思考なのです
出典:伸びる人・伸びない人
成長できない原因は、本人の「考え方」です。それを表す方程式があります。
人生・仕事の結果は、考え方×熱意×能力という一つの方程式で表すことができます
出典:『働き方』
これは、京セラ創業者の稲盛和夫さんが提唱しているものです。
方程式の中に 「考え方」、「熱意」、「能力」という3つの独立した変数がありますが、「考え方」だけには「マイナス」があります。
ここがマイナスになってしまうと、熱意や能力がいくら高くても仕事の結果は出ません。
それどころか、それらが高い分、結果のマイナスが大きくなってしまいます。なので、熱意や能力を活かすためには、「考え方」が重要になる、ということです。※考え方が最も重要です。
仕事を「やらされている」と思っている
仕事をやらされていると思っていれば、主体性が失われます。
そもそも「やらされている」と感じた時点で、「仕事=嫌なもの」になっています。そんなものに、一生懸命取り組もうとは思いませんよね。※嫌なものには、本気になれません。
仕事を苦役とすら感じるかもしれません。
この場合は、主体性がないので、当事者意識がほとんどありません。
たとえ、「こうしたらいいのではないか?」と思っても、自分の仕事を増やすことになるのであれば、口にしません。言われたことだけを淡々と「こなす」というイメージです。
※当事者意識が薄いので、主体的な発言自体も少なくなります。
学ぶ力が弱くなる
また、自分から積極的に学ぼうとはしません。
仕事の不備を指摘されると、「いや、そこは聞いていませんから、教えてもらっていませんから…」と、他人に責任を転嫁する傾向があります。本人の能力不足で仕事ができなければ、「仕事を指示する側に責任がある」と考えます。
たしかに、(仕事は)外形的にとらえれば、やらされていることには違いありませんが、そう思ってしまっては元も子もありません。※方程式における「考え方」の点数が低くなります。
個人事業主だと考えた方がいい
この考えを改めるために、たとえば、自分を(会社の従業員ではなく)個人事業主だと考えてみましょう。
営業活動もしていないのに、大会社から仕事がくる。
しかも、1回限りではなく継続的に取引を続けることができる(ボーナスもある)。さらには、家賃補助や社会保険料の負担までしてくれる…そこと専属で取引を続ければ、手間のかかる記帳や確定申告もしなくていいんです。給与所得控除もつきますね。
ある意味、夢のような話ですよね。※自分が恵まれていることがわかるでしょう。
仕事を「やらされている」と考えるのはもったいない。個人事業主の方にはよくわかる話だと思いますが、会社員の方にはむずかしいでしょうか…ちょっと想像力を使ってみてください。
※このことは、会社をやめれば実感できます(笑)。
自分には「無理だ」と思ってしまう
仕事をふられて、自分には無理だ、できない…と思う人がいますね。
これまでやったことのないような仕事、ややレベルの高い仕事をふられると、すぐに「自分には無理だ」と思ってしまいます。
そんな人に、「なぜ無理なのか?」と尋ねると、普段は口数が少なくても、饒舌に語ります。「できない理由」を見つけることがとても上手です。言い訳が得意だともいいますね。
自分には無理だ、と思った時点で、気持ちが後ろに引いています。
たとえば、バンジージャンプを跳ぶときに、一度後ずさってしまうと、もう跳べなくなることがあります。(理屈ではなく)体が言うことを聞きません。それと同じことですね。
※「無理だ」と思ったら、できることでも無理になります。
どうすればできるのかと考える
では、「どうすればいいのか?」ですが、「これは自分には無理そうだな…」を「どうすればできるのか?」に変換することです。
一見不可能に見えることを、可能にする(難易度の高い)知的なゲームだと捉えればいいでしょう。そして、攻略法を考えればいいのです。
なぜ無理だと思うのか?と考えると、「これまでやったことがないから」、「その仕事をやるための知識がないから」、などの理由が思い浮かびます。経験と知識がない、ということであれば、それを補う術を考えればいいのです。
※ギャップを埋めるにはどうすればいいのか…と考えます。
知恵を絞れば何かある
たとえば、同じ経験はなくても、これまでの経験の中から使えるものはないか…と探します。
もしかすると、応用できるものがあるかもしれません。または、他人の経験から学ぶことができるかもしれません。経験者に尋ねる、経験した人の本を読むなど、何らかの手段はありそうです。
もし、「知識が足りない」というのであれば、その知識を補う方法はないのか考えます。
資料や参考書を読み込めば、補うことができるのではないか?他人の知識を借りることはできないのか?等の手段を検討します。他人にアドバイスをもらったり、助けを求めてもいいでしょう。
※その際は、「助けを求めるスキル」が必要になります。
簡単にあきらめてはいけない
そのままでハードルを越えることができないのであれば、踏み台を持って来たり、仲間に補助してもらってもいい。場合によっては、迂回したり、ハードル自体を下げたり、下からくぐればいい…ということですね。
そのままでは越えられないから…と簡単にあきらめて、Uターンする人は伸びません。※困難に対し、あらゆる工夫が必要になります。簡単にあきらめてはいけません。
上司の立場から考えると、粘りのない人に難しい仕事を任せることはできませんよね?
簡単にあきらめてしまう人に、仕事を任せることはできません。リスクなしの安牌の仕事ばかりこなしていても、成長はありません。上司からの評価も低くなりますので、出世もありません。
※簡単な仕事しか任されない…ということは、そういうことです。
上司を尊敬できないと思っている
以前、「上司うざいと思ったら」という記事を書きました。
この記事でも書いたように、上司の「あら」を見つけるのは、ものすごく簡単なんです。
上司は人間ですから、長所と短所が必ずある。上司に不満を感じている場合、長所をスルーして、短所をあげつらえば、少しは気が晴れるんですね。だから皆さんそうしがちになる。
※誰でもできることです。
すごくありがちで、安易なパターンです。
なんとなく、「上司を尊敬できない」と思っている人は、まず、自分を尊敬しているのか自問してみるといいでしょう。自分を尊敬できていないと、(自然と)他人も否定する傾向が出ます。
自分を尊敬できないという自尊心が欠けている状態では、自身の成長につながるいい仕事をすることは難しいでしょう。不完全な自分を無条件で受け入れ、尊重することから始めることです。
上司の立場から考える
次に、上司の目線・立場から物事を考えたことがあるのか?と自問してみましょう。
詳しくは「上司うざいと思ったら」にゆずりますが、そうすれば、上司に対する見方・考え方が変わってくると思います。
普段接するぐらいではわからないと思いますが、上司も苦労していますよ…5年後、10年後のあなたの姿を今見ているのかもしれません。それぐらいの想像力は持ちたいものです。
※その立場になって、はじめてわかる人が多いと思います。
尊敬できなければ限定する
上司を尊敬できないと思ってしまうと、その上司のために働くことが嫌になってきます。
別に、「その上司のために働いているのではない」と、定義自体を変えることができれば、問題が解決しそうですが、なかなかそうもいかないでしょう。※ここがむずかしいところです。
上司を尊敬しろとはいいませんが、少なくとも「上司を尊敬できない」とは思わない方がいいですね。どうしても尊敬できないと思うのであれば、あの言動は尊敬できないと、言動に限定することです。「人格に対して尊敬できない」としてしまうと、本当に嫌になりますから(笑)。
まとめ
今回は、成長できない人の特徴について書きました。
端的にいえば、成長できない人は、「考え方」に特徴(問題)がある、ということです。
考え方にはマイナスがありますので、能力が高くても仕事で結果を出すことができない、ということがあります。たとえば、仕事の「やらされ感」を強く持てば、主体性を失い、学ぶ力が弱くなります。自分には無理だと思い、粘れなければ、伸びはありません。
また、上司を尊敬できないとし、上司と良い関係を築けなければ、むずかしい立場に追い込まれるでしょう。人間関係のストレスを抱えたまま、すくすく伸びることはむずかしいでしょう。
逆にいえば、「考え方」さえしっかりしていれば、多少能力で劣っていても、勝つことができる、ということになります。こういう「能力」からみた逆転現象は、普通にあると思います。
行動メモ:
成長できない人には、考え方に問題がある。
考え方が、成長を説明する大きな変数であると認識する。
仕事を「やらされている」と思ったら、成長できない。会社員でも、自分は個人事業主だと考える。客観的にみれば、(自分が思うより)恵まれていることに気付く。※認知の歪みがある。
できない理由を考えるのではなく、「どうすればできるのか」と考える。簡単にあきらめてはいけない。知恵を絞れば何かある(ベターでいい)。粘っていれば、状況が変わることもある。
上司の立場から考えてみる。尊敬できなければ、「言動が尊敬できない」とする。
今回の記事:「成長できない人の特徴」