わたしは物を捨てることができない…。捨てるのが苦手な方だ。
昔買った物で、今はもう使っていない物であっても、捨てることができない。捨てるのは「もったいない」という気持ちが先に立つ。そもそも、「使えるものを捨てる」という発想がないのだ。こんなわたしのような人が、物を捨てることができるようになるには、何が必要なのだろうか。
今回は、効果のある「物を捨てる方法」について書いてみたい。
目次
物を捨てることができない人は
自分が「使うのか?」で判断する
物を捨てるかどうか迷ったときは、今後、「使うのか」という基準で判断すればいい。
物が「使えるか・使えないか」で判断するのではなく、「使うか・使わないか」で判断することだ。前者の「使えるか・使えないか」で判断した場合、「使える」となれば、捨てる理由がなくなる。家電であれば、故障しない限り使わないにもかかわらず、持ち続ける…ということになる。
そこで、その判断基準を「今後、使うか・使わないか」に変えるのだ。
物ではなく「人」中心で考える
人の観点から考える…ということ
突然だが、次の2つの文を比べてほしい。
1)物が使えるかどうか?、2)人が使うかどうか?
前者の物が「使えるか・使えないか」という基準は、「もの」にスポットを当てた基準だが、後者の人が「使うか・使わないか」という基準は、「人」にスポットを当てた基準になる。
なので、「人」を優先して考えることが正しい、と考えてもいいだろう。
たとえば、「わたしの人生、本当に物が主役でいいのだろうか?」と自問してみたらどうだろうか。物よりも、自分がスポットライトを浴びる主役になる方がいいのではないだろうか。
使わなければ価値はゼロと考える
たとえ「使える」ものであっても、もし、今後あなたが使わないのであれば、その物が持つ(あなたにとっての)価値はゼロである。
なので、その物の市場価値もゼロであれば捨てる、市場価値があれば(売る手間との兼ね合いはあるが)売却することが正しい。※その手間が大きければ捨てる。
いずれにしても、手元で保管しておく価値はないのだ。
市場価値があれば売ればいい
もう使わないけれど、高価なものだから捨てるのは忍びない…として持ち続ける人がいる。
気持ちはよくわかるが、今後使わないのであれば、そのモノの価値はゼロだ。それがオークションで売れるというのであれば、売るのが正解だ(市場価値<売る手間、の場合を除く)。
過去に執着してもいいことはない
物を捨てない、ということは、過去への執着につながる。
中には、物に市場価値がなくても、思い出があるので捨てられない…という人もいるが、そんなときは、「過去」と「現在~将来」のどちらが大事ですか?と自問してみればいい。
後者の方が大事であれば、「過去への執着を断ち切る意味」でも、捨てることが正解だ。過去に執着してもロクなことはない…というのが、多くの人の経験則ではないだろうか?
コストについて考える
保管コストのことを考える
物を保管するためのコスト、保管コストのことも考えたい。
収納しているだけだから、何もコストがかっていない…と思うかもしれないが、それは誤りである。戸建てでもマンションでも、維持するには税金やその他のコストがかかる。賃貸では家賃やその他のコストがかかる。物が居座っているスペースには、コストがかかっているのだ。
保管コスト>物の価値 ⇒ 手放す
物を保管するために、外部でトランクルームなどを借りれば、それなりの費用がかかるはずだ。
なので、単純に考えて、「保管コスト<モノの価値」であれば、保管してもいい可能性があるが、そうでなければ、捨てた方がいい。収納している物に対してコスト意識を持つことだ。
機会コストのことも考える
機会コストとは、聞きなれないかもしれないが、こういうものだ。
「そのことをすると、他のことどれだけ犠牲になるか」計算するものを機会費用(機会コストとも言う)と呼ぶ。つまり、一つのことをすると、もう一つのことするチャンスがなくなることである
出典:機会費用 - Wikipedia
保管物にも、この「機会コスト」の概念を使うことが可能だ。
不要な物が占領しているスペースを、本来であればもっと有効に使えるはずなのに、それができなくなっている…ということだ。これは見えにくいが、コストであり明らかな「損」である。
※ここまで意識が及ぶようになれば、中級者以上だと思う。
物を捨てなければコストがかかる
ここまでの話で、物を捨てなければコストがかかる、ということがわかる。
つまり、「使わないものを保管する」という現象をコスト面から考えると、「保管コスト」と「機会コスト」がダブルで発生しているのだ。まさに、「二重苦状態」になっているのだ。
上述の式をもっと正確に書くと、「保管コスト+機会コスト<モノの価値」となる。
もしこの式が成り立つのであれば、そのまま保管してもいいだろう。だが、そうでなければ、捨てたり処分することを考えるべきだ。※実際には、成り立たないことの方が多いだろう。
収納割合を固定・使用歴を確認する
収納物の割合を固定する
不要な物を捨てるために、収納物の割合を固定する、という方法がある。
これは、収納スペースに対して、収納物を何割にする、と決めてしまう方法だ。
何割がいいのかはわからない。7割か8割か、セレクトショップのディスプレイのように、2~5割がいい場合もあるかもしれない。※この割合は、ケース・バイ・ケースになるだろう。
新しく物を入れたら出す
とにかく、ここの収納は「○割」と決めることだ。
決めた後は、その割合を厳守する。7割と決めたら、そこから詰め込んで9割にしないこと。
新しく収納するのであれば、不要なものを出す。この方法をきちんと実践すれば、収納がいっぱいになって困る…ということはなくなるし、不要なものを機械的に捨てることができる。
過去の使用歴を確認する
捨てるかどうか、迷っている物の過去の使用歴を確認したい。
将来、「使うかどうかわからない…」という物があると思う。そう思ったら、過去1年間で使ったか?過去3年間で使ったか?過去5年、10年間で使ったか?と、よく考えてみたい。
過去10年間使わないものを、今後使う可能性は極めて低い。5年間でも同様だ。
今、着てみたら?
たとえば、過去3年間着たことがない…という洋服なら、今着てみたらどうか?
そうすると、「これはさすがにもう使えないな…」、「別の場面で使えるかも…」などの判断が新たにできるかもしれない。前者なら処分すればいいし、後者なら今後使えばいい。どちらに転んでもお得になるのだ。
※物の存在を忘れていることもあるので、「棚卸し」が必要になるだろう。
物を捨てることができない - サマリー
まとめ
今回は、物を捨てることのできない人が、「物を捨てる方法」について書いてみた。
まずは、「使えるか・使えないか」で判断するのではなく、「使うか・使わないか」で判断することだ。これは、あなたが使う・使わないなので、「人」にスポットを当てた基準だ。
使える・使えないと、モノにスポットを当てて考えるよりも、「人」を優先して考えることの方が正しいと考えてもいい。生活においては、モノではなくあなたが主役になるべきだ。
次に、コストのことを考えることだ。コストと言っても、二種類ある。保管コストと機会コストだ。この問題で、保管コストのことを言う人はたくさんいるが、機会コストのことを言う人はほとんどいないと思う。なので、機会コストを意識できれば、中級者~上級者だと思う。
数式で表せば、「保管コスト+機会コスト<モノの価値」だ。この式が成り立たなければ、潔く捨てるか処分することだ。※実際は、この式が成り立たないケースの方が多いと思う。
使用実績をチェックする
最後に、これから使うかどうかわからないのであれば、これまでどうだったか考えてみよう。
過去5~10年間使わなかったモノを今後使う可能性は低い。さらに、今使ってみて判断するという方法もある。もしかすると、意外な使い道を発見するかもしれない。もしそうなれば、あなたにとっても物にとっても幸せなことだ。捨てることができないは、このあたりで卒業したい。
今回の記事:「物を捨てることができない…使わないものを捨てる方法4つ」