近藤麻理恵さんの「片づけ本」を読んだ感想の続きです。
前回は、1)片づけで人生全般が上手く行く、2)近藤さんが否定している片づけ方法(少しずつの片づけなど)、について書いた。
「片づけ」と「人生」を結び付けたところがユニークだ。
前回の記事:人生がときめく片づけの魔法の効果は…読んだ感想
今回は、その続きを書いてみたい。
もったいないから、やっぱり捨てられない…ということはありがちだが、読めば「捨てられない」を卒業できるはずだ。少なくとも、以前よりは捨てられるようになるはずだ。
更新日:2018年9月19日
目次
- 目次
- 捨てる順番を間違わない
- 書類は全捨てが基本だが
- ときめきが捨てる判断基準になる
- 捨てる罪悪感を払しょくするには?
- 本当にもったいないのか?
- 手放せば入ってくる
- 収納は立てるといい
- やっぱり捨てられないを卒業 - サマリー
捨てる順番を間違わない
実はモノには捨てる順番がある。
1)衣類、2)本類、3)書類、4)小物類、5)思い出品、の順番で捨てる。
難易度の低いモノから始めることが大事だ。
衣服から始めることが適当だ。5)思い出品、は難易度が高いので最後にする。思い出品を整理しようとしたら、思わず見入ってしまって片づけが進まなくなった…という経験があると思う。
※衣類は消耗品なので、比較的捨てやすいはずだ。
書類は全捨てが基本だが
書類は全捨てが基本。
必要な書類はその後、未処理、保存#1(契約書)、保存#2(そのほか)に分ける。
保存#1(契約書)には、保険証書などの証書類も入るのだろう。自営業、フリーランスであれば、もうひとつ、保存#3(領収書類)が必要かもしれない。
このように、捨てたあとは、残ったモノの収納場所を決めることが必要になる。
給与明細は残しておく
この「書類は全捨てが基本」という主張に対し、給与明細を捨ててはいけない、という反論がある。この反論には一理ある。わたしも、捨てずにとっておけばよかった…と思うことがある。
ときめきが捨てる判断基準になる
モノを手に取り、「ときめくかどうか」で、捨てるか残すか決めるというものだ。
言い換えれば、「持っていて幸せかどうか」ということだ。
衣服などであれば、「次の季節に会いたいか?」と考える。ときめかないけれど捨てられない…というモノは、役割を考える。役目を終えているのか、そうでないのか考える、ということだ。
「ときめき」を捨てるときの判断基準にする、という発想はユニークだ。
ただ、「ときめき」には、定性的かつ主観的なもので、常に一定のものではない、という欠点もある。ときめくかどうか微妙なところに位置するモノであれば、そのときの気分や考え、外部環境により、判断がブレることは十分考えられる。※感情ゆえ不安定なものなのだ。
ときめきを何度か測定する
なので、微妙なモノについては、時間(数日、数週間など)を空けて、二度三度「ときめき」を測定してみる、ということがいいのではないだろうか。
ときめきを判断基準にすれば、「もったいない」から離れることができる。
※迷ったら捨てる、というルールを採用する方法もある。
捨てる罪悪感を払しょくするには?
捨てることには、罪悪感が伴う。
わたしたちには、「もったいないお化け」や「もったいないばあさん」などで、捨てることはもったいない、という刷り込みが成されている。
したがって、捨てるためには、(すでに刷り込まれている)捨てる罪悪感を払しょくすることが必要になる。
その方法はいくつか提案されている。1)捨てるのではなく、どれを残すのか…と考える、
2)収納の奥にあり存在すら忘れられている状態が、モノにとっていいのか…と考える、3)モノを手放せば、手放したモノと同じ分だけ戻ってくる…と考える、などだ。
本当にもったいないのか?
1)捨てるのではなく、どれを残すのか…と考える、については、
家とモノのバランスをとる、という考え方が根底にある。また、本当に好きなモノに囲まれて生活するためには、捨てることは必要なことだ。
2)収納の奥にあり存在すら忘れられている状態が、モノにとっていいのか…と考える 、については、
モノを抱え込んでいる=モノを大切にしている ではない、と考える(むしろ逆で、量を絞り込むことにより、モノと自分の関係が生きてくる)、というものだ。
3)モノを手放せば、手放したモノと同じ分だけ戻ってくる…と考える、だが、捨てられたモノにとっては、新たな門出になる。「また戻ってきてね」と元気に送り出すのが正解としている。
手放せば入ってくる
捨てられない理由は、「過去に対する執着」と「未来に対する不安」だが、これらを捨てることで手放せば、新しいことが入ってくるのだろう。
※新たな不安が入ってくるかもしれないが、物事や気持ちなどが動くことは確かだ。
「rolling stone」という言葉がある。「転がる石にはコケがつかない」という意味だが、転じて「活動している人は沈滞しない」という意味もある。ここに通じる話かもしれない。
収納は立てるといい
収納は「立てること」が基本だそうだ。
収納はシンプルにする。モノの増加を防げるかどうかは、収納を単純化できるかどうかにかかる。
靴の空き箱は、優秀な収納グッズで、バランス(サイズ、耐久性、使いやすさなど)が良く汎用性が高い。
たしかに、収納は重ねるより立てた方がいいだろう。重ねると下のモノが見えなくなってしまうからだ。また、重ねると取り出すのが面倒なので、上にあるモノばかり使用してしまう。常に、LIFO(後入れ先出し)になってしまうのだ。これは、好ましいことではない。
下にあるモノの存在を忘れてしまう…ということもある。
やっぱり捨てられないを卒業 - サマリー
まとめ
近藤さんの片づけ法に興味がある人は、やってみたらいいと思う。
やるときは、片づけを「祭り」だと定義し、1)一気に、2)短期に、3)完璧に、片づけることだ。
※「短期」というのは、半年程度でもいいのかもしれないが、実践的には長くても数週間程度だろうか…「モノ別」に片づけることが必要になるため、モノの種類が多い人、土日しか片づけられない人の場合は、数か月かかるのかもしれない。
そうすれば、考え方や生き方、人生がドラマチックに変わる、「片づけの魔法」を体験できるかもしれない。
日常の片づけは、近藤さんが言うところの片づけではないことに注意されたい。
それは、片づけた状態のメンテナンスだ。使ったモノ、あるいは、新しく買ったモノを所定の場所に収納するという行為にすぎないのだ。
この本はおもしろい
本を読んで書評を書こうと思ったぐらいなので、まずまずおもしろかった。
役に立つというよりは、おもしろかったという感想だ。
「片付けをすれば人生が変わる」という 切り口の新規性、「劇的」、「ドラマチック」、「魔法」などの言葉のチョイス。ターゲットにしている女性層(おそらく、人生を変えたいと思っている、自信を失い気味の20~30代の女性)には、受けるだろうな、という気がする。
※断定的な口調もそのためだ。マーケティングが上手だと思う。
個人的には、「捨てる罪悪感を払しょくするには?」あたりで書いたことが参考になった。「考え方を変えれば、行動が変わる」ということは、普通にあることだ。
捨てることに対する考え方を変えて、もう少し積極的に捨ててみようと思っている。いつまでも「やっぱり捨てられない…」では、変化がないし仕方がない。
↓ シリーズの最初から読む。
今回の記事:「やっぱり捨てられない・もったいないを卒業する」