あなたは、記憶するとき、どんな方法を使っているだろうか。
高校生のときに、英単語を覚えるため、カードの表にスペル、裏に意味を書いて覚えようとしたことがある。だが、今から思えば、十分な効果があったとは言えない。※当時は、「自分は記憶力が悪いな…」と思っていた。もう少し、記憶力を高める方法について考えた方がよかった(笑)。
おそらくこの単純な記憶法は、手法としてはワーストに近い。そこには、英語のスペルと意味をつなぐ役割をするものが何もないからだ(英語が象形文字であれば、この記憶法にも意味があるのかもしれないが)。今回は、記憶力が悪い人向けに、記憶力を高める方法について書いてみたい。
目次
記憶力が悪いなら…
感情などとリンクする
何かを記憶したいときは、感情やイメージとリンクさせると覚えやすい。
感情を司る脳の部位は『扁桃体(へんとうたい)』というところです。興味深いのは、扁桃体は海馬のすぐ近くにあり、扁桃体が活性化すると、記憶を司る海馬も一緒に活性化することです
出典:記憶力を高める方法|大人でもできる12個の脳活性化技術
強い感情が伴う記憶が残りやすいのには、科学的な理由があるのだ。
感情をつかさどる「扁桃体(へんとうたい)」は、記憶をつかさどる「海馬」のすぐ近くにあるそうだ。そして、その扁桃体が活性化すると、海馬も一緒に活性化するそうだ。これが事実だとすれば、感情が動いた状態は、記憶をしやすい状態である、とすることができる。
※記憶するときに、どうやって感情を動かすのかという問題はある。
イメージとリンクする
イメージとリンクする方法については、すでに実践して効果を確認済みだ。
パスワードや暗証番号など、ちょっとした数値などを覚えなければいけないシチュエーションがよくある。そのとき、そのままで覚えようとしても、後であやふやになってしまうことがある。
そこで、数字とイメージをリンクして記憶するのだ。
具体的にはまず、(事前の準備として)数字をモノにたとえておく。「1」であれば、その形からイメージできる鉛筆、「4」であれば、ヨット、「8」であれば、雪だるま、という具合だ。
※1~9まで実態のある「モノ」とリンクしておく。
イメージで物語を作る
たとえば、「8411」という数字を覚えなければいけないとしよう。
その場合、8411で絵(またはストーリー)を作るのだ。この場合だと、(たとえば)鉛筆2本でヨットを支えている。ヨットの中には、なぜか雪だるまが鎮座している…という絵だ。
荒唐無稽な絵だが、インパクトがあれば、荒唐無稽でもなんでもいい。
この絵さえ思い出せば、「8411」という数字が出てくるはずだ。「8411」と数字をプレーンな形でそのまま覚えるよりは、(イメージとリンクしている分)はるかに記憶に残りやすいのだ。
※4桁の簡単な例を示したが、10桁、20桁になっても同じ手法を使うことができる。
記憶力が悪いを改善する
昨日のレビューをする
朝、昨日のレビューをしたい。テーマは何でも構わない。
テーマが食事であれば、昨日3食何を食べたのか、
間食をしたのか、食事の内容と量は適切だったか、栄養のバランスはどうだったのか、おやつを食べ過ぎなかったか、おやつの時間は適切だったか、空腹の時間はあったか、などを思い出して考えてみるのだ。※余談だが、空腹の時間を作ることは大事なことだ。
仕事のレビューをする
仕事であれば、今手持ちの仕事は何か、どこまで進んでいるのか、いつ終わりそうか、
何か新たに付け加えるようなことはないか、上手く進んだこと、失敗したことは何かなど、昨日のことを思い出しながら、レビューする。そこから、今日の仕事のことを考えてもいいだろう。
これを歩きながらでも、通勤電車の中ででも、行えばいい。
脳内メモリとのやりとりから
この行動のポイントは、以下のとおりだ。
1)脳内メモリとやりとりをする
2)事実を思考などとリンクする
まず、脳内のメモリに格納されている「昨日(過去)の事実」にアクセスすることにより、そのパス(経路)を強化することができる(そうすることで、記憶へのアクセス&取り出しが容易になるのだ)。
そこから思考を展開することで、記憶にある事実と思考をリンクすることができる。
上で、(記憶したいことを)感情やイメージとリンクさせることについて述べたが、思考とリンクさせる手段も有効だ(記憶しやすくなる)。※とにかく何かとリンクすることを考えたい。
昨日の食事のメニューをいつまでも記憶しても仕方がないが(笑)、仕事上の(汎用的な意味の)よかったこと・悪かったことなどを記憶しておけば、経験となって蓄積されることになる。
※この経験の蓄積は、正しい意思決定をするために必要になる。
自分が発した言葉を思い出す
寝る前に今日、自分が発した言葉について、思い出し考えてみる。
良い発言と悪い発言に分けて考えるといいだろう。
また、外形的なこと(上手く噛まずに発言できたかなど)と、内容を分けて考えてもいい。個別の発言を思い出したら、その発言が相手に対してどのような影響を与えたのか考えてみる。そのときには、相手の顔・リアクションなど「絵」も浮かんでいるはずだ。
ポイントは、「朝、昨日のレビューをする」と同じだ。
1)脳内のメモリに格納されている事実にアクセスすることにより、そのパスを強化する、2)そこから思考を展開することで、事実と思考(+イメージ)をリンクする、ということだ。
フィードバックにも…
この作業は、記憶とは直接関係がないが、自分自身へのフィードバックにもなる。
今日の自分の発言を整理して、良い・悪いに分類する。
良い発言は増やせばいいし、悪い発言は減らすように努力すればいい。毎日、寝る前に1日を振り返って、フィードバックをかければ、日々向上できる可能性がある(PDCAを回していることになる)。
もしかするとこれが、日々数%成長する、ということにつながるのかもしれない。
記憶力を高める方法 - サマリー
まとめ
今回は、記憶力が悪いと思う人向けに、記憶力を高める方法について書いてみた。
自分は記憶力が悪いから…とあきらめるのは最悪だ。単純に有効な記憶の仕方を知らないだけなのだ。
イメージとリンクする、という方法はおすすめだ。わたしは数字を記憶する際、専らこの方法を使っている。イメージさえ思い浮かべることができれば、数字を再現できるのでとても便利だ。
レビューについては、朝、昨日のことを振り返り、夜、今日のことを振り返る、ということだ。レビューには、記憶力を高めることのほかにも良い効果があるので、試してみるといいだろう。
※記憶力を高めることができ、自分の成長にも役立つ可能性がある。
今回の記事:「記憶力が悪い人向け!記憶力を高める方法3つ」