だれかと握手をする、というケースがある。
相手が日本人の場合もあるし、外国人の場合もある。また、男性の場合も女性の場合もある。相手との関係性もさまざまだろう。初対面の人もいれば、友人、知人の場合もある。
相手をどう想定するかで、いろいろ変わってくると思うが、とりあえず握手の基本マナーをおさえておきたい。※基本をしっかりおさえておけば、応用がきくようになるはずだ。
今回は、握手の意味やNGマナーについて書いてみたい。
目次
握手の意味
まず、握手の意味だが、
「私は何も武器を持っていません」という意味です。
出典:お辞儀の意味、握手の心理とは? - Latte
もともとは、「わたしは何も武器を持っていません」ということを示す意味があったようだ。
また、これはわたしの推測だが、利き腕を相手に預けることで、「あなたを信用しています」というメッセージを伝える意味もあるのではないかと思う。転じて、「あなたと仲良くしたい」ということだ。
なので、(特別な理由なく)左手で握手することは、マナー違反とされることもあるようだ。※ゴルゴ13は、自分以外の人物を信用しないので、基本的には握手をすることがない。
握手には、ケースに応じ、尊重、感謝、親愛などの気持ちを込めたい。
握手のNG
NGの握手というものがある。
目上の人に握手を求めること
目上の人に握手を求めることはNGだ。
私はビジネスコミュニケーションの一環として握手はとても重要視していましたが、私が目上の人と握手を交わした際に周りから注意を受けました。
出典:日本においての握手というビジネスマナー
それはそうだろうな、と思う。
お互いの関係がフラットであれば、相手に対し握手を求めてもいいが、目上の人にこちらから握手を求める、という行為は、「不遜」と解釈される可能性がある。「わたしはあなたと同じぐらいの価値がありますよ」、「あなたと同ランクですよ」というメッセージになりかねないのだ。
※握手を求めるのは、(有名人を除けば)対等以下の相手の場合のみだ。
握手をしながらお辞儀すること
握手をしながらお辞儀することもNGだ。
相手が日本人の場合は、「あり」かもしれないが、外国人の場合はNGだ。握手自体が西洋のマナーなので、そこに和のマナーを混ぜると、(外国人から見た場合)おかしなことになってしまう。
また、お辞儀をすると、相手に頭を見せることになる。
以前、ある店舗からの帰り際に、深々とお辞儀をされたことがあるが、丁寧には感じるものの、目線を合わせてから、お辞儀をした方がもっといいのにな…と思ったことがある。一度、やわらかい表情で目線を合わせた方が、感じが良くなるのだ。目線を合わせなければ、「無視した」と受け取られることもある。握手するときは、目を合わせるのが基本だ。なので、お辞儀はNGになる。
男性が女性に握手を求めること
男性が女性に握手を求めることもNGだ。
なので、握手をしたい、という場合でも、相手の女性が手を出すまで待った方がいい。
そのマナーがある理由として、1)握手するかどうかを決めるのは女性、という考え方、2)男性から女性のからだに触れるのは、好ましくない、ということが考えられる。
相手の女性が友人である場合どうか?ということだが、
今の社会では、友人間で男性から女性に握手を求めることも、よく見られことで、ひとつの挨拶の仕方として、受け入れられつつあります。
出典:妻に友人(男性)が握手を求めることをやめてほしい
受け入れられているのかもしれないが、正直、よくわからない。
だが、基本のマナーにしたがえば、間違いはないと思う。すなわち、相手である友人の女性が、あなたに対して手を出してくるまで待つ、ということだ。また、相手が女性の場合は、(握手の際)軽く握るようにしたい。相手が男性の場合は、力強い握手でもいいと思うが、女性の場合は配慮が必要だ。※友人関係の場合は、基本のマナーにこだわらなくてもいい、とする意見もある。
座ったまま握手すること
椅子に座ったまま握手することはNGだ。
足腰の立つ人が、イスに腰かけていて、握手しなければならなくなったとき、たとえ、食事中であろうと、男女とも、かならず、起立して握手しなければならない。
日本では、どういうものか、女子は、座ったままでよいと思われていることがある。これは、とんでもない。
出典:立居振舞 ◆第23節 握手
たしかに、両者が座ったまま握手をしたり、一方が立って、他方が座って握手をする、という絵面は美しくない(笑)。両者が立ち、背筋をピンと伸ばして片手で握手する、という形が絵になる。
たまたま、テレビで椅子に座った男女が握手をする、というケースをみた。
女性が有名人だったので、(それを知った)男性から握手を求める、という形だったが、男性は椅子から立ち上がり、中腰になって女性に握手を求め、女性は座ったままで握手に応じた。
このシーンを日本人的な目で見ると違和感はなかったが、外国人が見ると、違和感があるシーンだよな…と思いながら見た。この場合、どうすればよかったのか微妙だが、握手の基本マナーからはズレているだろう。※握手を求めないのが正解かも…
※握手をするために起立するときは、ゆっくりと余裕を持って行いたい。
両手で握手すること
両手で握手、というのは、NGのようだ。
こちらが片手を出したときに、相手に両手で返されると、丁寧に扱われているな…という気がするが、「媚びている」、「馴れ馴れしい」と感じる人もいるようだ。
握手は、対等な関係の人同士がするあいさつだ、と考えると、たしかに、一方だけが両手で握手、というのは、不自然なのかもしれない。なので、握手は片手でした方がいいだろう。
※例外として、相手が(右手の怪我などで)左手で握手を求めてきたときは、両手で行っても良い、とする意見がある。相手が左手を出したから左手で…というのは、失礼にあたるそうだ。
まとめ
今回は、握手の意味やNGマナーについて書いてみた。
握手のNGをまとめると、1)目上の人に握手を求めること、2)握手をしながらお辞儀すること、3)男性が女性に握手を求めること、4)座ったまま握手すること、5)両手で握手すること、の5つだ。さらに、左手で握手することもマナー違反とされることがある。
今回の記事:「握手のマナー|してはいけないNG行為」