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不器用な生き方をやめたい

無駄なプライドは捨てた方がいいんじゃない?

投資のリスクを管理する|β(ベータ)値の話

投資・株・資産運用

投資をしている人は、投資のリスク管理について考えているはずだ。

投資においては、リスクを取ってもいい場面とそうでない場面がある。また、どのタイミングでどれぐらいのリスクを取ればいいのか、ということも正解の見えない難しい問題だ。

今回は、ある値に注目して、投資のリスク管理について考えてみたい。

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 目次

 資本コスト

会社には、「資本コスト」というものがある。

資本コスト(しほんコスト)とは、企業が資本を調達・維持するために必要なコスト(費用)のこと。通常はパーセンテージ(%)で表される。自己資本に関しては株式に対する配当金やキャピタル・ゲイン、他人資本に関しては借入金に対する支払利息が代表的である。資本コストは、企業が最低限あげなければならない資本利益率、すなわち投資家による最低要求利益率である
出典:ウィキペディア

「資本コスト」とは、会社が資本を調達・維持するために必要なコストだ

会社の資金調達の方法としては、

1)銀行からの借り入れ、社債の発行など、2)株主からの出資、の二通り考えられる。前者にかかる費用は、銀行に対する支払い利息、社債を購入した投資家などに対する支払い利息であり、後者にかかる費用は、配当や株主優待、(株主が求める)キャピタルゲインなどである。

前者の、1)銀行からの借り入れ、社債の発行など、によるコストを「負債コスト」、後者の、2)株主からの出資、によるコストを「株主資本コスト」と呼ぶ。

高い支払い利息や高い利回りの社債を発行することで資金を調達すれば、「負債コスト」は高くなり、株主が求める配当やキャピタルゲインが高くなれば、「株主資本コスト」が高くなる。

なので、まともな経営者であれば、資本コストを下げようと努力するはずだ。

 「株主資本コスト」に注目する

資本コストには、「負債コスト」と「株主資本コスト」がある、とした。

※資本コスト = 負債コスト + 株主資本コスト

ここでは、「株主資本コスト」に注目したい。

「株主資本コスト」とは、先に述べたように、株主からの出資に伴うコストであり、具体的には、配当や株主優待、(株主が求める)キャピタルゲインなどである。

平たく言えば、「株主が会社に求めるリターン」が、「株主資本コスト」になる。※投資家が、「この会社であれば投資しても安心だ」と思えば、「株主資本コスト」は小さくなり、「投資にはそこそこリスクがあるな…」と思えば、「株主資本コスト」は大きくなる。

「株主資本コスト」の計算には、CAPM(キャップエム)モデルを使う。

株主資本コスト = リスクフリーレート +(β*マーケットリスクプレミアム)

「リスクフリー」というのは、「リスクから解放された」という意味だ。「スモークフリー」が「煙から解放された ⇒ 禁煙」ということと同じ意味だ。「リスクフリーレート」は、リスクがないレートということになるので、通常は、10年国債の利回りなどが用いられる。

※ただし、「リスクフリーレート」に正解というものはない。

「マーケットリスクプレミアム」とは、

MRP(マーケットリスクプレミアム)は、マーケットリスクプレミアムと呼ばれる債券市場に投ずるよりもリスクのある株式市場に投資した場合の超過利回りを指す。
出典:ウィキペディア

株式市場に投資した場合の「超過利回り」のことだ。

リスクを取って投資する分、投資家が「超過利回り」を期待するのは当たり前のことだ。そのリスクに見合う期待収益率が、「マーケットリスクプレミアム」と言うことになる。※個別の会社(銘柄)に関するプレミアムではなく、株式市場全体のプレミアムを指す。

 β(ベータ)値に注目する

β(ベータ)値に注目したい。

なぜなら、個々の会社の株主資本コストの差は、β(ベータ)値に表れるからだ。

例えばTOPIXを基準とした場合、ベータ値が1の銘柄は、TOPIXが1%上昇すると1%上昇、TOPIXが1%下落すれば1%下落というように、TOPIXと同じ値動きをすることを表します。
ベータ値が2の銘柄は、TOPIXが1%変動するとその2倍の2%変動することを表し、ベータ値が0.5の銘柄は、TOPIXが1%変動するとその半分の0.5%変動することを表します。
出典:楽天証券

上記のように、β(ベータ)値は、「株価の感応度」として説明されることが多い。※そして、β(ベータ)値が大きい会社(銘柄)は、リスクが高い、とされる。

この現象の私なりの説明は、次のとおりだ。

景気減速期になると、「株主資本コスト」が大きい会社は不利になる。投資家がリスクに敏感になり、投資を控えたり、会社を厳選して投資をするようになるからだ。そのために、「株主資本コスト」が大きい会社の株価は、指標の下げ以上に下がりやすくなる。

投資家のリスクに対する感応度 ↑ ⇒ β(ベータ)値の大きい銘柄の株価 ↓

・景気がよくなると…

景気拡大期には、この逆のことが起こる。

投資家はリスクオフモードになり、投資に積極的になる。不当に低くなった株価に対して、キャピタルゲインを取りに行こうとする動きが起こると、そこから(底から)どんどん株価が上がる。その株価の上昇が注目を集め、さらにキャピタルゲイン狙いの買いが集まり、指標の上げよりも高くなる、ということだ(株価の上昇にドライブがかかる)。

※正のループが起こるため、行き過ぎが生じやすくなる。

投資家のリスクに対する感応度 ↓ ⇒ β(ベータ)値の大きい銘柄の株価 ↑

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 β(ベータ)値を用いるリスク管理

β(ベータ)値が高い会社への投資は、ある意味「レバレッジ投資」だと考えていい。

したがって、投資のリスクを管理しようと思えば、この種の会社への投資はより慎重に行うべきだ。たとえば、現物と信用の両方の取引をしている人であれば、リスクの高い信用取引の方をよりケアするはずだ。それと同じで、β(ベータ)値が高い会社への投資により気を配るべきだ

具体的には、株価の中長期のトレンドが ↑ のときは、β(ベータ)値が高い会社への投資も、ある程度の水準までは、積極的に行ってもいいだろう。※買値を間違えてはいけない。

ただし、トレンドが転換するのでは…という懸念が生じたり、株価が異常に高くなっているような場合には、すぐに売却して撤退する(利益確定する)ことが必要になる。

損切りも、β(ベータ)値が高い会社から、ということになるだろう

損切りをしっかり行わないと、投資タイミングによっては買い値を大きく下回り、多額の含み損を抱える結果となりかねません。高ベータ値の銘柄ばかりを信用買いしていると、追い証が発生することも十分に考えられます。損切りを適切なタイミングで行えない方は、高ベータ値の銘柄は避けた方が無難です。
出典:楽天証券

※β(ベータ)値が高い会社への投資を信用で…というのは、ハイリスクの投資になる。

なので、機敏に売買できない人や適切な水準で株を買う自信のない人は、β(ベータ)値が高い会社への投資は、避けた方がいいかもしれない。※塩漬けになってしまう可能性が高いと思う。

投資のリスク管理をする際、β(ベータ)値のことも考えてみてはどうだろうか。

 まとめ

今回は、投資のリスク管理について書いてみた。

投資のリスク管理の手法は、いろいろあると思う。分散投資をする、というのもひとつの方法だ。株の投資における分散投資といえば、いろいろな銘柄に投資をする、ということになるが、β(ベータ)値を基準にして分散させる、という方法もあると思う

このやり方を研究してみるのも、おもしろいだろう。