不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

劣等感・コンプレックスをなくすより利用した方がいい

自分の劣等感やコンプレックスをなくそう、と思っていないだろうか。

自分の劣等感を克服したいとか、なくしたい…と思うことは、自然なことだと思う。

劣等感やコンプレックスというのは、やっかいなもので、自分をくすませる原因になってしまうからだ。それらをこじらせると、くすんで停滞した状態から自滅の方向へ進むことになる。

今回は、それらをなくすより利用した方がいい、ということを書いてみたい。

※ここでは、劣等感=コンプレックスとする。

目次

誰しも劣等感はある

誰しも劣等感を感じたことはあるだろう。

たとえば、スタートは同じだったのに、気がつけば、(最初に並んでいた人の)はるか後塵を拝している…ということがある。会社員であれば、同期入社なのに、一方は役職者で他方は平社員のまま…という状態がそれにあたる。そんなとき、昇格できない社員は劣等感を抱くかもしれない。

劣等感のネタは、たくさんある。ありすぎて困るぐらいだ。

学歴コンプレックス

そのひとつに、「学歴コンプレックス」というものがある。これは、(一般的には)学歴のない人が学歴のある人に対して抱くコンプレックスだと考えられるが、そうばかりとも言えない。

周囲が羨むような学歴のある人でも、上を見ればさらに高い学歴があるので、「学歴コンプレックス」を持つことがある。さらには、「高い学歴があるくせに、自分にはそれに見合う実力がないのでは…」、「高い学歴があっても、実態の伴わないものだ…」と劣等感を持つこともある

自分は、羊頭狗肉的な見掛け倒しの人間だ…と思うこともある。

※高学歴が劣等感のネタになることもあるのだ。

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なくそうとするからおかしくなる

早い話が、どんな状態であろうとも、劣等感を感じようと思えば、感じることができるのだ。

劣等感を感じる人は、ひとつ劣等感を解消しても、また新たな劣等感に悩まされることになりがちだ。また、解消できたと思った部分が、新たな(別次元の)劣等感を生む可能性もある。

要するに、考え方の問題なのだ

劣等感を抱きやすい思考をしている人は、自分がどんな状態になっても、劣等感を抱いてしまう

逆に劣等感を抱きにくい思考をしている人は、自分がどんな状態にあっても、劣等感を抱かない。劣等感を抱いてもおかしくないように見える人が、なぜか自信満々なのはそのためなのだ。

なので、劣等感をなくすために、遮二無二に努力して劣等感を消す、というよりは、「自分の考え方を変えることにより、結果的に劣等感がなくなる」という形がいいのではないかと思う。

※ただし、限定的にこの負の力を利用することは可能だ。

トレードオフになっている可能性が

劣等感を感じる部分というのは、ある意味犠牲になっている部分かもしれない。

たとえば、話すことが苦手だとしよう。

話すという部分は、コミュニケーション能力の中でも表に出てくる部分で、(他者から)評価されやすい部分でもある。なので、話すことが苦手であれば、強く劣等感を感じるかもしれない。

ただ、話すことが苦手なのは、本来話すことに割くリソースを、別のことに使っていた結果かもしれない

たとえば、(話すことよりも)考えることや書くことにリソースを割いてきた結果、話すことが苦手なのかもしれない…ということだ。※その分、人よりも考えることや書くことが得意なはずだ。

個性だと考えればいい

このように、「トレードオフ」になっている可能性があるのだ。この例の場合は、話す能力をある程度犠牲にして、考えることや書く能力を伸ばした、ということだ。なので、自分の苦手な部分ばかり気にすることはないのだ。※苦手の存在も、自分の個性だと考えるといいだろう。

劣等感は共感を集めやすい

劣等感は人の共感を集めやすい、ということがある。

自分の弱みを隠して強がるタイプの人と自分の弱みを素直に語る人がいる。

両者を比べると、後者の人の方に共感が集まりやすい。前者のタイプの人は、「意地っ張りで、強がりだな…」と思われて敬遠されやすいが、後者のタイプの人は、「素直な人だな…」と好感を持たれて、周囲に人が集まりやすいのだ。※このことは、両者の人脈の差につながるだろう。

人脈のある人とない人の差は、時間がたつにつれてジワジワと広がっていきます。ボディーブローのように効くと考えてもいいでしょう。人脈は「無形の財産」だと思います。
出典:人脈が作れないのには理由がある

人を集めることのできる人は、成功しやすい。人脈は「無形の財産」だからだ。つまり、劣等感が転じて武器になる、ということがあるのだ。※ただし、「素直さ」が必要になるが。

劣等感を利用できないか…と考える

自分の劣等感を利用できないか…と考えればいい。

先に述べた、「人の共感を集める」ということもそうだ。

また、トレードオフ(リソース配分の偏り)の結果、能力の凹凸が極端になり、凹みの部分に劣等感を感じるのであれば、凸の部分にかければいい。凸の部分は優れているので、その凸の部分に磨きをかけることで、人と差別化できるはずだ

※劣等感を感じやすい人は、己の凸の部分を軽視しがちだ。

器用貧乏という言葉があるように、何でもそこそこのレベルでできる…というよりは、Aの能力は人より劣るけれど、Bの能力は上に突き抜けている…という方が、ビジネスなどでは成功しやすいのだ。※つまり、劣等感を持つ人には、十分なポテンシャルがある…ということだ。

制約を組み合わせて利用する

制限がある、ということは、

必ずしも悪いことではない。

制限を組み合わせることにより、具体的なアイデアを生み出すことができるのだ。

先に述べた例だが、話すことが苦手で、考えることと書くことが得意だとしよう。

※この段階で、書くことに集中することができる。

そして書く場合、「書く」+心理学+分析・思考、洞察+行動経済学+経験…と組み合わせることにより、(テーマは同じでも)人とは違う文章を書くことができるのだ。※組み合わせを行うことにより、価値を創造することができる。なお、組み合わせは自由自在にできる。

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自分の能力には制約があるからダメだ…と思いがちだが、そんなことはない。一見狭く見える限られた領域でも、組み合わせることにより、価値が増し、オリジナリティも増していくのだ。

やりようは、あきらめさえしなければ、いくらでもあるのだ。

 

コンプレックスをなくすより… - サマリー

まとめ

今回は、劣等感・コンプレックスについて書いた。

劣等感を持ちやすい人は、自分がどんな状態にあっても、劣等感を持ってしまう。上位10%に入っても、上位5%の人に劣等感を持ち、上位5%に入っても、上位1%の人に劣等感を持つ。

まったくもって、きりがないのだ(笑)。

したがって、劣等感をなくすためにどうするか…と考えるより、劣等感を利用する、と考えた方がいいだろう。前者には、劣等感をエネルギーにして遮二無二がんばる人もいるが、余裕がなく柔軟性もない。後者の人は、逆に余裕があり柔軟性もある。人的な魅力を持つのは、後者になる。

今回の記事:「劣等感・コンプレックスをなくすより利用した方がいい」