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仕事の上手な断り方としてはいけないこと

仕事の断り方について、考えたことがあるだろうか。

会社員でもフリーランスでも、仕事の依頼を断るシーンというものがある。仕事の依頼を断ることができずに、憤りを感じたり、嫌な思いをした…という経験をした人は、たくさんいると思う。

なので、断るべきときには、正しいやり方で上手に断った方がいいのだ。仕事を断れないばかりに、余計なストレスがたまることもある。今回は、仕事の上手な断り方について書いてみたい。

目次

してはいけない「断り方」

まずは、してはいけない「断り方」を頭に入れておきたい。

仕事に限ることではないが、断わる場合は、即答はやめた方がいいだろう。

壊れたバッグを修理したいと思い、お店に持って行ったとしよう。あなたがそのバッグを店員に見せた瞬間、「あーこれは無理ですね」と即座に言われたら、どう思うだろうか?ちゃんと見たのか?何か手段はないのか?と思うのではないだろうか。


同じ断られるにしても、壊れた個所をよく調べてもらってから断られる方が、納得できるはずだ。相手の依頼を即座に断るということは、相手を尊重していないと理解される恐れがある(実際に尊重していないのかもしれないが…)。
出典:丁寧に断る技術を整理してみる

即答というのは、考える素振りも見せずに、即座に答えるということだ。

酷い人になると、「NOと言わなければいけない」という意識が強いのか、相手の話が終わらないうちに、「いやいやそれは無理です」、「無理無理、できません」と答えてしまう人がいる。

感じが悪く悪い印象を与える

即座に断るというのは、平たく言うと感じが悪いのだ。

断られた方は、「この人は、自分のことを尊重していないのではないか」、「軽くみているのではないか」と感じるのだ。※なので、人として嫌いになり、二度と依頼することはないだろう。

ワーストケースでは、悪口を言われる、ということになりかねない。

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感情的に断る

仕事の依頼を感情的に断る人がいる。「できません!!」というものだ。

わたしが20代のころ、ある同僚に仕事を依頼したことがある。

その人は、わたしよりも年上でキャリアも長かった(会社では先輩にあたる)。だが、社内のポジション的には、わたしがその人に仕事を依頼する立場だったので、特に何も考えず、仕事を依頼したのだ。

その人は、後輩のわたしに仕事を依頼されて、イラッとしたのだろう。しかし、ポジション的に仕事を断ることはできない。なので、イラつきながらも仕事を受けた。

だがその後、あからさまに不快な表情をして、「これ以上の仕事は受けない」ということを(筋違いの理由とともに)わたしに述べた。※その人は、感情的になりテンパっていたと思う。

感情的に断わる⇒人間関係を断つ覚悟が必要

これが感情的に断る、ということだ。

余談だが、今から思えば、わたしの依頼の仕方に問題があったように思う。

先輩を立てる形で仕事を依頼すればよかったのだが、そのような配慮をすることなく、事務的に依頼してしまったのだ。それはともかく、自分のプライドを守るため…などの理由があっても、感情的に断るのはNGだ(不要なプライドではあるが…)。その後の人間関係に、ヒビが入るからだ。

感情的に断るのであれば、(ある意味)人間関係を断つつもりの覚悟が必要だ。

感謝+「クッション言葉」を使う

断るときは、「感謝+クッション言葉」を使いたい。

持ち込まれた仕事を断るときは、「困ったな…」という思いがあるはずだ。

だが、相手はある意味あなたのことを見込んで仕事を依頼してきたのだ。もちろん、(社内などでは)自分がやりたくない仕事を押しつけてくる場合もあるが(笑)、一見くだらない(自分がするような仕事ではない)と思うような雑用でも、仕事をもらえること自体は、悪いことではない。

※なかなか気づけないことだが、干されるよりは、はるかにマシなことなのだ。

困ったを感謝に変える

なので、「困ったな…」⇒「感謝」に変換する。

感謝をすることができれば、「依頼していただいてありがたい(うれしい)のですが…」というフレーズが、自然に出てくるだろう。

この「依頼していただいてありがたい(うれしい)のですが…」というフレーズは、クッション言葉だ。そのほかのクッション言葉としては、「大変申し訳ないのですが…」、「ありがたいお話ですが…」、「大変残念ですが…」、「お役に立てず申し訳ありませんが…」などがある。

※申し訳ない、という謝罪の意を含ませるとなおいい。

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理由+「代替案」を提示する

仕事の依頼を断るのであれば、理由が必要だ。

それも、後づけの理由ではなく、説得力のある理由が必要だろう。

つい、今忙しいから…ということで断りたくなるが、これは愚策だ。

「忙しい」と口にすると、まわりの評価が下がる。
仕事を依頼する立場から考えると、「忙しい」と口にする人には仕事を振りにくい。仕事の依頼を拒否しているように感じるのだ(事実、拒否していることが多い)。できる人には仕事が集まり、常に忙しくなるが、できる人は、どんなに忙しくても、「忙しい」とは決して口にしない。
出典:職場で使わない方がいい言葉:忙しい

断られた方は、「忙しいのは君だけではない」と思うかもしれない。

それでも、先方に「自分は今忙しい」ということをわかってもらいたいのであれば、「実は明後日に○○でプレゼンがありまして、現在、その準備のために追われております…」などと、こちらの事情を具体的に説明することだ。※社内の場合。

そして、「それが終わりましたら、お引き受けできるかと思います」と、代替案を提示する。具体的に理由を述べて、代替案を提示すれば、相手が気分を害することはない

※代わりの人を紹介する、という方法もある。

良い結果にならないことを理解してもらう

相手に、良い結果にはならないことを理解してもらえば、話は早い。

たとえば、上司に仕事を依頼された場合、「今○○、××の仕事を抱えていますが、それらより優先して行う仕事ですか?」、「○○や××の仕事が遅れたり、質が落ちる可能性がありますが、それでも構いませんか?」、最後の手段は、「私が健康を害する可能性がありますが、それでも構いませんか?」というものだ(笑)。
出典:丁寧に断る技術を整理してみる

わたしがその依頼を受けることにより、あなたが損しますよ、全体としてはマイナスが生じますよ…ということを相手に伝えるのだ。※上司からの依頼であれば、優先順位の確認をする。

取引先であれば、「この依頼を受ければ、逆に御社に迷惑がかかることになる…」、「現在の状況では、クオリティやスケジュールに問題が生じる可能性がある…」ということを伝えることになる。

相手が、「依頼することで良い結果にはならない」と思えば、合理的な判断として、依頼を取り下げる、ということになるだろう。これは、自らの判断なので、相手に悪い感情を持つということには直結しない。※断るときは、悪い感情を相手に残さないようにすることが大事なのだ。

まとめ

今回は、仕事の断り方について書いた。

今回の記事で述べた「上手な断り方」は、1)感謝+クッション言葉を使う、2)理由+代替案を提示する、3)良い結果にならないことを理解してもらう、の3つだ。

たとえば、この仕事は物理的にできない、この仕事を受けたら大変なことになる、なので、絶対に断らなければいけない…と思う人は、相手の話が終わらない内に即座に断ったり、感情的に断ったりするが、これらは愚策だ。くれぐれもそのような断り方をしないように気を付けたい。

今回の記事:「仕事の上手な断り方としてはいけないこと」