不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

株式投資|投資金額の目安はいくらなのか

株などの投資においては、投資金額の目安をどう考えればいいのか…という問題がある。

普通の人の場合、投資の元手(投資金額)は限られるため、どうしても効率を考える必要があるのだ。効率次第で、必要になる投資資金の金額は大きく変動する。極力、無駄は避けたいものだ。

今回は、株式における投資金額の目安について書いてみたい。

目次

インカムゲイン投資

ここでは、株式による「インカムゲイン投資」について考えてみたい。

インカムゲインとは、資産を保有することで、受け取ることのできる収入(または利益)のことだ。たとえば、不動産投資であれば、家賃(収入)がインカムゲインにあたる。株の場合は、主に「配当金(+株主優待)」投資信託であれば、分配金がインカムゲインにあたる。
出典:配当目的で株を買うということ

株の場合は、「配当金(+株主優待)」を得るということだ。

インカムゲイン投資のメリット

インカムゲイン投資のメリットは、以下のとおりだ。

キャピタルゲイン狙いで、安定的な収益を求める、というのは不可能に近い。先に述べたように、利益を上げることができる場面が限られている、ということのほかに、相場の状況は常に変化するが、その変化にいつも適切に対応できるとは限らないからだ。
出典:配当目的で株を買うということ

売買益を狙う「キャピタルゲイン投資」より容易だ、という点がひとつ。

キャピタルゲイン狙いの場合は、損をすることもよくあるが、インカムゲイン狙いで損をすることは比較的少ない。※含み損を損と考えるのであれば、損をすることは普通にある。また、インカムゲイン狙いでも、リスクはある。
出典:配当目的で株を買うということ

さらに、含み損を「損」と考えなければ、株のインカムゲイン投資で損はほぼない。

都合のいい考え方だと思うかもしれないが、含み益を「得」としなければ、含み損を「損」としない、という考え方はフェアだ。含みは、株の上下でプラスにもマイナスにも振れるものだ。

また、「株価の上下に一喜一憂することがない」とか、「頻繁に売買する必要がない」などの利点もある。この投資の一番大きなメリットだが、(インフレに比較的強く)安定的な収益が期待できる、ということだろう。※投資先の会社によるとは思うが、デフレにも強い可能性がある。

スポンサーリンク
 

 

1万円/月ゲットできるようにする

インカムゲインにより、「1万円/月」得るようにすることを考えてみよう。

月額で1万円の収益であれば、年額で12万円の収益になる。

収益の額が小さい…と思うかもしれないが、投資によるリターン(不労所得)なので、そう悪い金額ではない。※通信費ぐらいはカバーできそうだ。また、家族旅行の原資ぐらいにはなる。

問題は、この収益を得るために、どれぐらいの投資をすればいいのかだ。目安がわからなければ、良い投資なのか、悪い投資なのか判断することができない。なので、目安を知りたいのだ。

「1万円/月」得るためには、どれぐらいの元本が必要なのだろうか?

以下、このことについて考えてみたい。

利回りからみた投資金額

まず、投資金額を「利回り」から考えてみよう。

仮に、金融機関の利子を「0.025%」とする。このとき、金融機関に投資(預貯金)することにより、「12万円/年」得ようとすると、投資額(預貯金額)はいくらになるのだろうか…

12万円/0.025%=4億8千万円(元手回収まで4,000年!)毎年12万円得るために、なんと、4億8千万円もの投資が必要になる。これは、あまりにも非現実的な数字だろう。

金利を0.25%としても、4,800万円(元手回収まで400年)になる

預貯金を投資と考えるのであれば、非常に効率が悪いことがわかる。

※もちろん、別の目的であれば、預貯金に十分意味はある。

株式投資の場合

今度は、株式投資の場合で考えてみる。

配当利回りを、1)2.0%、2)2.5%、3)3.0%、で考えてみよう。※3.0%で回すことは困難かもしれないが、参考のために求めてみる。レートは税引き後のレートとする。

1)2.0%

12万円/2.0%=600万円 ※元手まで50年。

2)2.5%

12万円/2.5%=480万円 ※元手まで40年。

3)3.0%

12万円/3.0%=400万円 ※元手まで33.3年

比較的、現実味が出てきたのではないだろうか。

※元手まで○年は、再投資しない場合の年数。

配当が成長する場合

中には、配当が成長するケースがある。

たとえば、NTTドコモ(9437)のようなケースだ。

※来期には、配当が10年前の倍になるかもしれない。

また、(理屈の上では)業績に変化がなくても、インフレにより、配当は成長する。

ここでは、配当の成長率を0.5%としてみよう。※この場合、配当収益は、1年目:12万円、2年目:12.06万、3年目:12.12万円・・・と増えていく。

現在価値で考える

このケースの現在価値は、以下の計算で求める。

現在価値=12万円/(割引率ー0.5%)

割引率というのは、将来受け取る12万円+α(1年後の12万円、2年後の12.06万、・・・、○年後の○○万円)を現在価値に換算するため(繰り戻すため)に必要な「率」のことだ。※運用できる率(利回り)と考えてもいいだろう。

同様に、1)2.0%、2)2.5%、3)3.0%、で考えてみる。

1)2.0%

12万円/(2.0%ー0.5%)=800万円(+200万円)

2)2.5%

12万円/(2.5%ー0.5%)=600万円(+120万円)

3)3.0%

12万円/(3.0%ー0.5%)=480万円(+80万円)

ということになる。

配当が成長するケースの場合は、現在価値が高くなるのだ。つまり、配当が成長する会社には、それだけ、投資金額を増やしてもいい…ということになる。大体、このケースの目安になる投資金額が、見えてきたのではないだろうか。※配当が成長する場合の収益は、12万円+α/年になる。

最善のシナリオは…

株式によるインカムゲイン投資の最善のシナリオだが…

配当が成長する株を安く仕入れることだ。※現在価値以下で、仕入れることだ。

しかし、「配当が成長する株を安く仕入れること」は、容易ではない。5年後、10年後にその会社の配当が成長しているかどうか…これがよくわからない。また、配当が成長するであろうと期待されている会社の株価は、すでに高くなっていることが多い。※高値を掴む可能性がある。

スポンサーリンク
 

 

バフェットの投資法が参考になるかも

このことを考えるときに参考になるのが、バフェットの投資法だ。

そのひとつに、コモディティ型の会社への投資は避ける…というものがある。

コモディティとは、差別化が困難となった製品やサービスのことをいう
当初、高い付加価値を備えていたモノやサービスでも、普及過程での一般化により、優位性などの付加価値を失い、他者のモノやサービスとの差別化が難しくなることがある。※これは、モノやサービスが「コモディティ化」した、ということだ。
消費者から見ると、特にそのモノやサービスを選ぶ必要がない、ということだ。
コモディティ型企業とは、コモディティを主に売っている企業のことだ
出典:バフェットの投資法

おそらく、コモディティ型の会社に投資しても、配当の成長は期待できないのだろう

また、ファンダメンタル分析も必要になる。配当に回す原資がどれぐらいあるのか、その原資を増やすための「稼ぐ力」はあるのか、将来性は…あたりをよく見極める必要がありそうだ。目利きの力を上げて賢い投資をするためには、やはり勉強と実践を積み重ねることが必要になる。

当たりくじをひくために、複数の会社への投資も必要になる

まとめ

今回は、株式投資における投資金額の目安について書いた。

シンプルに考えて、毎月1万円の所得を得ようと思えば、配当利回りが2.5%の株に480万円投資すればいい。毎月10万円得ようと思えば、4800万円の投資が必要になる

480万円の投資で毎月1万円と考えれば、悪い投資ではないと思う。もちろん、株式投資にはリスクがあるので、銘柄選びには注意すべきだしリスクを分散することも必要になる。

※今現在の配当が高いから…という理由だけで飛びついてはいけない。配当の成長性を考慮に入れるべきだ。ワーストケースだが、配当には減配(マイナス成長)ということもある。

今回の記事:「投資金額の目安はいくらなのか」