不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

自分が変わる方法とは|人は変わることができる

「嫌われる勇気」を読んだ感想の続きです。

前回は、「嫌われる勇気」という表題や形式、仕掛けについて書いた。内容については、自分の主観による意味づけにより、自分で人生のシンプルさを損ねている、という主張について書いた。

今回以降、より内容に踏み込んでいきたい。人は変わることができるのだ。

目次

人は変われるの根拠

人は変わることができる…というイメージ

哲人(哲学者)は、「人は変われる」という主張をしている。

この主張には同意する。というか、人は変わらざるを得ない。

※以下は、本の内容ではなくわたしの考えだ。

その理由は、1)生物的に変化していること、2)外的な環境が変化していること、の二つだ

年齢を重ねれば、容姿が変化し、身体の機能や健康状態も変化する。また、外的な環境の変化も当然ある。就職、異動、転職、結婚、出産、などにより、自分を取り巻く環境の変化がある。

自分自身が変わり、自分を取り巻く環境も変われば、当然、人は変わるのだ。

※変化に適応しようとして変わる。

人は変わらざるを得ない

自分は変わらない、自分を変えることができない…と思っている人は、自分の欠点や嫌な部分を、変えたくても変わらない…と思っているのではないだろうか。

この本の中では、引きこもりの例が出てくるが、

このようなケースの場合、もし、両親が世話をできなくなると、引きこもっている本人が自分でなんとかしなければ、生きていくことができなくなってしまう。物理的に引きこもりを続けることができないので、自ら外に出て職を求めたり、助けを求めるしかないのだ。

※変化に伴い、人は変わらざるを得ないのだ。

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コアの部分も変化している

それでも、コアの部分は変わらない…と思うかもしれない。

たしかに、長所や短所の凸凹具合が変わらなければ、変わっていない…と感じるかもしれない。しかしそれは、一見変わっていないように見えるだけで、数値的には変化している。大したことをしなくても、10年前の自分と同じ…ということはないのだ。外見も変化しているはずだ(笑)。

もちろん、意志の力などでも変わることはできると思う。

原因よりも「目的」を考えればいい

本書の哲人の主張はこうだ。

原因 ⇒ 結果、と考えると、決定論に行きつく。

原因 ⇒ 結果、と考えると、過去の出来事により現在が決まる、ということになるので、現在は「決定済み」であり、動かしようのないものになる、ということだ。だから、「変われない」と思う。そこで哲人は、原因ではなく、「目的」を考えればいい、とする

人間関係が上手くいかない

たとえば、人間関係が上手く行かない…ということであれば、

自分は、「人と上手く話せないから…」、「話の輪に上手く入れないから…」、「人に愛想よくできないから…」、「まわりの人が冷淡だから…」、「まわりの人が自分を理解してくれないから…」などと、それらしい原因を考えて納得してしまいがちだ。

だがそうではなく、目的から考えるアプローチでは、「人間関係を上手く行かせない」という目的が先にあって、その目的を達成するために行動しているから、人間関係が上手く行かない…という解釈になる。※ここで多くの人は、「そんなバカな…」と思うだろう。

「人間関係を上手く行かせない」などという目的を、自分が持っているはずがない、逆に、「人間関係を上手く行かせよう」という目的を持っているのだ…と思うはずだ。

本音が浮かび上がってくる

その気持ちはひとまず置いておいて、哲人の主張に乗ってみよう。

ではなぜ、「人間関係を上手く行かせない」などという目的があるのか、と考えれば、

「人間関係が煩わしいので、人とは距離を置きたい」、「コミュニケーションが苦手なので、人とあまり話をしたくない」、「自分が認める人でなければ、敬意を払いたくない」という、上で述べたそれらしい原因とは、別の理由が浮かび上がってくる。※これらは、本音に近いものだ。

目的は自分で変えることができるので、「先にそれらしい原因を考え、納得して終了…」とするよりも、目的を先に考えることで、変わりやすくなる…ということだろう。

変わることができる

「人間関係が上手く行かない…」という例を出したが、ややわかりずらい(笑)。

時系列上にはっきり原因、結果と並んでいる例だと、わかりやすくなるだろう。この場合は、目的から考えることにより、過去の出来事に縛られた自分を解き放つことが、イメージできるはずだ。

たとえば、就職に失敗したから、今さえない人生になっているのだ…という場合だ。就職に失敗したこと(原因) ⇒ さえない人生になっている(結果)、ということだ。

※新卒時に希望の会社に入れなかった…というケースだ。

目的を変えればいい

この場合は、就職に失敗したから、さえない人生になっている…と思っている限り、現状を変えることができない。過去の出来事に縛られた状態になっているためだ。

そこで、「さえない人生にしたい」という目的が先にあり、その目的を達成するために行動しているから、望み通りさえない人生になっている…と、目的からのアプローチに変える

その目的を立てた理由は、「就職に失敗した不甲斐ない自分を責めるため・罰するため」、「自分の努力が足りなかったことを後悔するため」、「就職に失敗した失望を表現するため」、「希望の会社に入ることが、自分にとって本当に大事だったことを表現するため」…かもしれない。

そうすれば、自分を変えるためには、目的を変えればいい、ということになる。

※目的は、自分で自由に変えることができるのだ。

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自分と向き合うことになる

目的を考えるアプローチは、自分とウソ偽りなく向き合う…ということを促す。

「私は、過去にまったくの畑違いの職場に異動となり、これまで築いたキャリアもご破産、周囲の目も厳しく、応援も得られず孤立したので、やがて心身ともに悲鳴を上げ、2回の休職を繰り返してしまいました。それは辛い日々でした。」

そんな私に、これは衝撃の一冊となりました。

 

さっきの「 」の文章は、本書を読めば、このように書き直さなくてはなりません。

私は、新しい職場で『役立たず』と人から評価され傷つくことを過度に恐れ、それを回避するため休みました。心身ともに悲鳴を上げたのは、それにより休むことができるからです。辛いですが、休めば傷つかなくて済みます。そして、休むという目的のため、『畑違いの職場への異動』『キャリアがご破産』『周囲の目が厳しい』『応援も得られず孤立』という一連の理由を、後から後から探しました。」
出典:行き詰まりを打開したければ、ぜひ

このケースでは、1)畑違いの職場に異動になった、2)これまで築いたキャリアが無駄になった、3)周囲の目が厳しく、応援を得られなかった、というのが原因であり、「休職を繰り返した」というのが結果だ。このケースを目的から考えるアプローチにすると…

「休みたい」という目的が先にあった、ということになる

その理由は、(筆者によると)新しい職場で「役立たず」と人から評価され、傷つくことを過度に恐れて、(傷つくことを)回避したい気持ちがあったこと、としている。そして、1)畑違いの職場に異動になった、2)これまで築いたキャリアが無駄になった、3)周囲の目が厳しく、応援を得られなかった、というのは、目的を達成するための後づけの理由であった…としている。

まとめ

今回は、人は変わることができる、ということを書いた。

人には、自分やまわりを納得させるために、「キレイにまとめてそう思いたい…」という気持ちがあるのだろう。なので、後づけでカッコいい理由を探してしまうのだ

本当に痛い部分を、オブラートで包もうとしてしまうのだ。

そして、その部分と向き合うことなく、日々を過ごす、ということになるのだろう。※その結果、自分で組み上げたそれらしい因果律に縛られる…ということになる。

目的から考えるアプローチをとれば、真摯にその部分と向き合うことができるだろう。

それが、自分が変わることへの第一歩になるのだ。

今回の記事:「人は変わることができる」