不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

態度が悪いと自分が損をする…という話

態度が悪いと自分が損をする。

会社にも、仕事以外で出会う人の中にも、「あの人はちょっと…」という人がいる。そういう人は、ひと言でいうと「態度が悪い」のだが(笑)、態度が悪いと自分が損をしてしまう。

先日、サッカー日本代表ハリルホジッチ監督が、このような発言をした。

日本代表の選手がああいう態度を取ってはいけない。それが理由で外した。チームの基準として、日本の全選手に言いたい。こういう行動を取ると、日本代表には入れません 
出典:ハリルホジッチ監督

これは、ある代表候補だった選手の話だ。この選手はクラブの試合で、問題を起こしている。

彼は、試合の途中で監督に交代を命じられベンチに下がる際、監督が(ねぎらいの意味で)差し出した手を払いのける仕草で拒み、抗議をしたのだ(ベンチか地面を蹴るような仕草もあり)。そして、一度ベンチに座ったが、その後立ち上がり、再び激高した様子で抗議してしまった。

※後日、選手から監督に謝罪があり和解した。

目次

その気持ちはわかる

「なぜ自分が変えられるのか!」という気持ちはわかる。

わたしも、違うスポーツだが、ある大会のために(レギュラーとして)長い期間ずっと練習していたにもかかわらず、大会の直前になって自分より明らかに力の劣る選手に替えられた…という経験をしたことがある。激高はしなかったが、「なぜ自分が変えられるのか…」とは思った。

そのとき、替えられる理由に一応の心当たりはあった。

大会の前のトライアル(本番に向けた本番に近い練習)で、ミスをしたのだ。トライアルは、それまでの練習とは違うところがあり、勝手が違ってミスをした…ということなのだが、ミスをしたのなら、本番に向けて修正すればいいのであって、替えることはないだろう…、と思った。

大人の事情で替えられたかも…

そのトライアルは失敗で、ミスをするレギュラーがたくさん出てしまった。

自分の代わりに出た選手が、自分と同等の実力があればまだしもだったが、客観的にみて、自分よりも明らかに力の劣る選手だったので、「なぜ自分が替えられるのか」とモヤモヤしたのだ。

※失敗を口実に、監督のひいきの選手と交代させられた…というのが事実かもしれない(「ひいき」については詳しくは書かないが、少なくともそう思う客観的な事実&根拠はあった)。

なので、少なくとも自分が理不尽だと思う交代に、腹を立てる気持ちはわかる。

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態度が悪いと損をする

だが、腹を立てても、悪い態度をとってはいけない。

団体競技であれば、自分はもちろん、チームの利益も損ねることになるからだ。

まず、悪い態度をとるメリットから考えてみよう。メリットは、自分の不快感、納得していない、という気持ちを表現する、ストレスを吐き出す、「この交代は間違っている」というメッセージを指導者に伝える…ということだろうか。※メリットと言えるかどうか微妙だが…(笑)

逆に、(以下述べるが)明確なデメリットは、たくさんあるだろう。

チームの雰囲気が悪くなる

ネガティブな態度は、チームの雰囲気を悪くする。

昔の話だが、トルシエ中村俊輔を代表から外す、という決断をしたことがある。

もし、私が中村(俊輔)を選んでいたとしよう。当時の彼はベンチに座っていてもポジティブな態度でいられただろうか? 単純にベストプレーヤーを23人選ぶとすれば、中村は間違いなくその中の1人だった。しかし、彼は第1グループの14人の中に入らなければ、ワールドカップで私の戦力にはならなかった。
出典:フットボールゾーン

実力的には代表入り文句なしだったが、スタメンで使わなければ、ポジティブな態度を保つことができないだろうから、代表を外した…ということだ。チームの雰囲気を優先した結果の判断だ。

実際のところはわからないが、当時は監督にそう判断されてしまったのだ。ちなみにトルシエは、のちの歳を重ねた中村選手については、「当時より、はるかに成長した」と高く評価している。

態度が悪い人は解雇される

職場でも、ネガティブな人がひとりでもいると、そこそこの影響がある。

人はネガティブなことや人に反応し、影響を受けやすいのだ。従業員を解雇するなら、(能力よりも)チームの雰囲気を悪くするネガティブな人物をターゲットにする、という話を聞いたことがある。ネガティブな態度は、チームの雰囲気を悪くし、チームの不利益につながるためだ。

まわりからの評価が下がる

態度が悪いと、まわりからの評価が下がる。

その態度を目の当たりにした人はもちろんだが、それ以外の人にも影響が及ぶ。ここ(悪評が拡散する、というところ)が、とても怖い点だ。悪い評判は、なぜか早く伝わりやすいのだ(笑)。

ハリルホジッチ監督は、当事者ではない。

どうやって知ったのかわからないが、「その選手が、監督に対し好ましくない態度をとった」ということを知り、「こういう行動を取ると、日本代表には入れません」と発言することになった。

悪評が口コミで伝わる

これは、会社などの組織でもあることだ。

好ましくない態度をとると、それは口コミでどんどん広がっていく。社内ネタとしておもしろいのかもしれないし、その悪い態度を良しとしない人が、陰口を言う…ということかもしれない。

口コミで広がると回収できず、それだけまわりからの評価も下がるのだ。

仕事がやりづらくなる

態度が悪いと、仕事がやりづらくなる。

まわりからの評価が下がるため、 仕事がやりづらくなるのだ。

部下に悪い態度をとられた上司は、「こいつはダメだ」、「人として未熟だ」と思うし、監督であれば、「交代させて激高するのであれば、最初から使うのをやめよう…」となるかもしれない。

使う立場からすると、単純に使いにくくなるのだ。ある意味、腫れ物にさわるような対応になるかもしれない。「あいつは態度が良くない」ということになると、移籍もむずかしくなるだろう。

「面倒な人」ということで、まわりの協力を得られにくくなる…ということもある。

自分は悪くないと思うと…

自分は悪くないと思うと、トラップにかかることになる。

自分の非を認めない人は、薄々自分が間違っているな、自分に非があるな…と感じても、我田引水的なロジックで、自分の正当性を支える傾向がある。
出典:自分の非を認めない人が損をする理由

自分の非を認めない人は、我田引水的なロジックで、自分の正当性を支える。

先にわたしが経験したエピソードで、「失敗を口実に、監督のひいきの選手と交代させられた…というのが事実かもしれない」と書いたが、これも我田引水的な思い込みかもしれない(笑)。

自分の非を認めることができなければ、反省することができないのだ。

「失敗を口実に、監督のひいきの選手と交代させられた…」と思うと、トライアルでミスをした反省ができなくなる。なぜ失敗したのか…ということについて、考えなくなってしまうのだ。

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失敗は活かさないと意味がない

つい、「もはやどうでもいいや…」という投げやりな気持ちになってしまうのだ。

せっかくの失敗は、次に活かせるように、教訓として頭と体に染み込ませないと意味がない。「自分は悪くない…」と思うと、この作業ができなくなってしまうのだ(失敗を活かせない)。

つまりは、「人として成長できない…」ということになる。

まとめ

今回は、態度が悪いと自分が損をする…という話をした。

自業自得だよ、ともいえるし、頭にきてブーメランを思いっきり投げたら、「時間差で自分を傷つけることになる…」ともいえる。感情的になりそうなときは、あえて冷静になることが必要だ。

何が痛いかというと、まわりの自分に対する評価がだだ下がり、になってしまうことだ。そうなると、まわりから距離を置かれることになり、助けてもらいたいときに誰も助けてくれなくなる。

感情的になって、悪い態度をとることは避けた方がいいだろう。

今回の記事:「態度が悪いと自分が損をする…という話」