あなたは、スピーチが苦手ではないだろうか。そういう人は、結構多いと思う。
中には、結婚式などでスピーチをお願いされても(恥をかきたくないので)断わる…という人もいるだろう。スピーチが苦手なのには理由がある。その理由を炙り出して対策を立てれば、これまでよりは苦手意識がなくなるだろう。※当然、対策を立てるだけではなく、改善する努力も必要。
今回は、スピーチが苦手な人の特徴について書いてみたい。※対処法についても述べる。
目次
スピーチの「型」を知らない
あたふたしてしまう
スピーチが苦手な人は、スピーチの型を知らない。
この型を知らないため、突然スピーチの指名を受けたとき、何を話せばいいのか・どうしていいかわからず、あたふたしてしまうのだ。たとえば、わたしがいいと思う型は、以下のとおりだ。
冒頭(あいさつ) ⇒ 展開(本題部) ⇒ 結論(締め)
この型を知っていれば、機械的に組み立てができる。
まず、冒頭で「お招きいただきありがとうございます」、「お集まりいただきありがとうございます」などとあいさつし、展開で「事実+自分の考えや解釈」を述べ、結論で肯定的に締める。
定型的なフレーズを
あいさつや締めは、よくある定型的なフレーズで十分だ。
なので、展開の「事実+自分の考えや解釈」だけを、集中して考えればいい。
そうすれば、リソースをあちこちに分散させなくてすむので、効率よく考えまとめることができるだろう。※すでにある型を利用すればいいのだ。その場で、いちから自分で考えようとしてはいけない。
そうすれば、少なくとも、パニックになることはなくなるはずだ。
過度に緊張しやすい
注目されるのが苦手…
緊張しやすい人は、スピーチが苦手だ。
他人から注目される、ということだけで、プレッシャーを感じるためだ。緊張すると、表情が強張ったり、上手く発声できなかったり、ドキドキしたり、震えたり…という症状が出てくる。
※他人の視線が自分に集まるのが苦手、注目されるのが苦手、という人は多いと思う。
普通の人でもあることだが、緊張しやすい人の場合は、これらの症状がより強くあらわれる。それらの症状を自分で自覚すると、なんとかしようとさらに慌てて、収集がつかなくなることもあるだろう。
一度坂道をボールが転がり出すと、それを追いかけて止めることは容易ではないのだ。
緊張を抑えるために、そして、(聞き手に)緊張を悟られないようにするために、自分のリソースを目一杯使っていたのでは、スピーチの内容どころではなくなってしまうだろう(笑)。
緊張が過度な場合は…
緊張が過度の場合は、社会不安障害と呼ぶらしい。
実は、不安障害に関わる強い恐怖心を感じたり、過度の心配性に陥るのは、人間の進化の過程において、危険から身を守るうえで適応的な反応だということが、進化心理学の立場で言われているのです
出典:スピーチが苦手なのは性格が原因じゃない!?
だが、過度の緊張から生じる症状は、危険から身を守るうえで適応的な反応だそうだ。
ここに、緊張を抑えるひとつのヒントがありそうだ。
もし、緊張で表情が強張ったり、上手く発声できなかったり、ドキドキしたり、震えたり…という症状が出てきたときは、自分の身体が適切に反応している…と考えたらどうだろうか。
必要な反応なのでOK
身体の自動反応なのだから、ホメオスタシスだと考えればいい(笑)。
自分が緊張している姿を見られて恥ずかしい…と思うよりは、自分の身体が適切に反応しているのでOK、とした方がいいと思うのだ。なので、それらの反応を抑えようとする必要はない。そうすることで、余計な緊張をせず、スピーチに集中することができるようになるだろう。
※スピーチを行うために、必要な反応である、とした方がいい。
聞き手に評価される…と
他人の評価をこわがる
聞き手に評価される…と感じると、萎縮することがある。
また、「聞き手に評価される」という思いが、過度の緊張につながることもある。
スピーチが聞き手に評価されることは事実だが、それは一時の話だ。
特別に優れたスピーチや本当にダメダメなスピーチが人の心に比較的長く残る…ということはあるが、ほとんどのスピーチは、人の心からすぐに消える。そのスピーチに対する評価も同様だ。「あのスピーチは良かったね」と誰かにアウトプットしたら、それで終わりだ。
なので、聞き手に評価される…と強く感じることはない。
聞き手は仲間だと思う
また、聞き手に評価される…と感じる人は、聞き手を外部の第三者だと思っている。
常に他人を警戒して身構えているようでは、「自分の良さ」は出ないだろう。自分のリソースを他人を警戒することにさいてしまうため、「自分の前進」という部分にさけなくなるためだ。
出典:自分らしく生きる方法4つ
聞き手を警戒している…ということだ。
そうではなくて、聞き手は自分に好意を持っている仲間だ、と考えた方がいい。
敵であれば、話などは聞いてもらえない。話を聞いてくれる時点で、仲間なのだ。聞き手は自分に好意を持っている仲間だ、と思えば、聞き手に評価される…と必要以上に感じることはなくなるだろう。
そう考えれば安堵し、不要な萎縮や緊張もかなりなくなるはずだ。
自分に自信がない
自信がないので萎縮する
自分に自信がなければ、スピーチが苦手なはずだ。
スピーチには、自分の考えや解釈を語るパートがあるが、(自分に自信がなければ)自分の考えや解釈などは取るに足らないものだし、人に聞かせるようなものではない…と思うためだ。
また、先に述べた「聞き手に評価されるという思い」も自信のなさから生じる。
自分に自信がなければ、相手からどう思われるのか…ということが気になって仕方がない。相手の評価で自分の価値を決める…という方法をとるので、おのずとそうなってしまうのだ。
出典:初対面が苦手な理由7つ|あなたはどうですか?
自信のない人は、相手の評価で自分の価値を決める…という方法をとるためだ。
だから、自分が本当に伝えたいことを伝える、聞き手とシェアしたいことを伝える、ということよりも、相手に(自分が)評価されることを話す、ということに重点を置いてしまうのだ。
自分には権利がある、と
自分に自信がなければ、自尊心を高めることだ。
たとえば、「自分は幸せになってはいけないのでは…」と思うのであれば、「自分には、幸せになる権利がある」と考えることだ。「自分なんかが発言するのは、まずいのではないか…」と思うのであれば、「自分には、発言する権利がある」と考えることだ。
出典:他人の目を気にしない方法5つ
たとえば、自分にはスピーチをする権利がある、と考えればいい。
自分にはスピーチを通じて、自分の考えや解釈を述べる権利がある、とすればいい。
このことは、スピーチだけではなく、会議で発言したり、権威者と話をしたりするときも同じだ。
自分の考えや解釈を述べる権利がある、相手はそれを聞く義務がある、とすれば、自信のなさから萎縮することはなくなるだろう。※この思考は、自尊心を高めることにつながるだろう。
完璧主義で凹みやすい
失敗すると酷く落ち込む
完璧主義で凹みやすい人は、スピーチが苦手だ。
完璧主義の人は、「凹みやすい」という一面も持っている。
完璧主義ゆえに強く失敗を嫌うので、失敗したときに大きく凹んでしまうのだ。
スピーチは相手があることなので、こちらが思い描いたように上手くいくとは限らない。また、慣れない状況で「言葉が上手く出てこない、飛んでしまう」ということも、なくはない。
そんなとき、柔軟な人であれば、「こんなこともあるよね…」で大して凹むことなく処理することができるが、完璧主義の人は、あいにく柔軟ではないので、深めに凹んでしまうのだ。
※柔軟性に欠けるため、完璧主義なのだろう。
完璧に話す必要などない
完璧に話そうとすると、失敗しやすくなる…ということがある。
枝葉末節の部分に必要以上にこだわるため、バランスを崩すためだろうか。
途中で起こる小さな失敗を気に病み、その負の思考が新たな失敗を呼び込む、ということもあるだろう。とにかく、失敗しやすくなるのだ。そんなこんなで、完璧主義で凹みやすい人は、スピーチが苦手になる。
完璧主義は、デメリットが多いのでなおすしかない。
スピーチが苦手な人の特徴 - サマリー
まとめ
今回は、スピーチが苦手な人の特徴について書いてみた。
その特徴とは、1)(そもそも)スピーチの型を知らない、2)緊張しやすい、3)聞き手に評価される…と感じる、4)自分に自信がない、5)完璧主義で凹みやすい、の5つになる。
※とにかく、人に注目されるのが苦手(刺激が強すぎる)という人もいる。
中には、すべてに該当する、困ったな…という人もいるだろう。そういう人は、逆に上がり目がある。いま底にいるのだから、何かを改善するだけで、スピーチがかなり改善するだろう。
有効な対策も述べているので、参考にしてもらえれば幸いだ。
今回の記事:「スピーチが苦手な人の特徴」