あなたには、「嫌いな人」がいるだろうか。
世の中には、人をあまり嫌わない人と、人を嫌いやすい人がいる。
後者のタイプに属する人は、まわりに嫌いな人がたくさんいるのではないだろうか。
そんな人は、人間関係で苦労の多い人だ(どこに行こうが常に、人間関係に悩まされることになる)。なので、どこかのタイミングで、人を嫌いやすいという傾向を変える必要があるだろう。
今回は、「嫌いな人と上手に接するために必要なこと」について書いてみたい。
目次
- 目次
- 分析する
- 生理的に嫌い…
- 嫉妬して嫌いになる
- 打ち手が見えてくる
- 自分の不利益を考える
- 嫌なストレスになる
- 弁護人になってみる
- だが…として続ける
- スキルを高める機会に
- 自分を見ていないか
- まとめ
分析する
なぜ、その人が嫌いなのか分析してみたい。
人を嫌いになる理由はさまざまだ。
たとえば、常識に欠ける人がいる。常識に欠ける、という見方は一方的で、相手からすると「常識の違い」ということになるかもしれないが(笑)。
それはさておき、飲酒をして運転する、という人がいまだにいる(リスクが大きすぎるのですべきではない)。また、禁煙の場所で喫煙をする、いつも遅刻するなど、ルールを守らない人が身近にいると、その人のことが嫌いになることがある。
非常識な人物だ…と思い、嫌いになるのだ。この場合の嫌いの原因は、「常識の違い」だ。
※「なぜこの人は、平気な顔をしてルールを破るのか…」と思うことがある。厚顔無恥(他人の迷惑を顧みず、自分の都合や思惑だけで行動すること)さにイラッとすることがある。
生理的に嫌い…
生理的に嫌いだ…という場合もある。
相手の容姿が苦手だ、ということがある。
太っている人がダメ、痩せすぎている人がダメ、「髪が薄いのに、長髪にしている人が苦手だ…」などということがあるかもしれない。癖や話し方、距離の取り方が嫌だ、ということもある。
※体臭が嫌いだ…ということもある。異性が対象の場合が多いと思う。
この場合の嫌いの原因は、「生理に対する嗜好」だろうか。
嫉妬して嫌いになる
さらには、「自分がやりたいと思っているができないこと」をやる人のことを嫌う、ということもある。たとえば、コミュ力の低い人が、コミュ力の高い人を嫌う、というのはこの構図だ。
この場合の嫌いの原因は、「嫉妬」だ。
会社勤めでは、「(いろいろな意味で)なんでこの程度の人が、ここにいるのか…」、「なぜこの程度の人が、自分の上司なのか…」と思い、その人を嫌いになることがあるかもしれない。
この場合の嫌いの原因は、嫉妬+不要な「プライド」だ。
打ち手が見えてくる
以上のように、嫌いの原因を考えることができる。
なぜ、自分はその人が嫌いなのか…と分析することにより、原因を特定できれば、打ち手が見えてくることがある。たとえば、自分の嫉妬やプライドが原因であれば、相手の問題ではなく、自分の問題になる。なので、自分を変えることで何とかなりそうだ。
自分の不利益を考える
人を嫌うことによる、自分の不利益を考えたい。
その不利益だが、ひとつは「相手に伝わる」ということだ。
自分が嫌う ⇒ 相手に伝わる ⇒ 相手も自分を嫌う、というフローがある。
こうなると、まず「相手が自分に協力してくれる」という目がなくなる。それどころか、(相手が)「足を引っ張る存在」になる可能性がある。その人自身が足を引っ張ってくることもあるが、その人の取り巻きがそうしてくることもある。足を引っ張る行為には、悪評を流すことも含まれる。
こうなると、自分自身が大きな不利益を被ることになる。
嫌なストレスになる
嫌いな人がいると、ストレスになる。
何かの集まりで、「○○さんが出席するのであれば、わたしは遠慮します…」という人がいる。この場合は、○○さんのことが嫌いで、一緒にいるだけでも嫌なストレスを感じるため、同席したくないのだ。
会社の隣の席の人が嫌いだ…という人は、毎日ストレスを受けているはずだ。※近くに嫌いな人がいると、余計なストレスを受けてしまう。
自分が人を嫌うと、自分が不利益を被る…と知れば、少しは「嫌わないようにしよう…」と思うのではないだろうか。人を嫌うことの不利益を、自分の頭でも考えてみればいいと思う。
ちなみに、他人から好かれるほど、人生は有意義になるそうだ。
※人に好かれるためには、自分から嫌わないことが必要になる。
弁護人になってみる
あえて、嫌いな相手の弁護人になってみよう。
相手の欠点ではなく、良いところを見る、ということだ。
長所と短所はコインの裏表なので、短所の裏には長所があるはずだ。たとえば、「なぜこの程度の人が、自分の上司なのか…」と思うのであれば、その理由をいろいろな角度から考えてみる。
リーダーとしての能力は大したことがないが、実務能力に優れているのかもしれない。
または、実務能力も並だが、上司の上司に対する忠誠心が高いのかもしれない。頭の回転は良くないが、粘り強く努力できるタイプの人かもしれない(自分が見落としている可能性がある)。
※嫌いが先にある場合は、認知の歪みのせいで見落としが発生しやすい。
だが…として続ける
責任感のない同僚が嫌いだ…ということであれば、
「たしかに彼には、責任感に欠けるところがある。だが…」ということで、考えてみればいい。
もしかすると、「だが、人当たりは良い方で、チームのムードを良くしている」と続くかもしれない。というか、弁護人なので嫌いで終わってはいけない。だが…と、あえて続けるのだ(笑)。
人は、「相手が嫌いだ」と思った時点で、認知の歪みが生じ、相手の良いところを見つける作業をしなくなる。故に、無理にでも相手を弁護することは、認知の歪みを正す意味でも有効なのだ。
嫌いな人を、その人の弁護人になったつもりで、あえて弁護してみよう。
スキルを高める機会に
嫌いな人ができたら、スキルを高める機会だと思えばいい。
ひとつは、「嫌いな人とどう付き合えばいいのか…」について学ぶのだ。
たとえば、(仕事などで)嫌いな人とコミュニケーションを取る必要があるとき、どのような形でコミュニケーションをとればいいのか…。ありがちで、比較的大きな課題だと思う。
たまに嫌いな感情をあからさまに態度に出して(ボディーランゲージで表現して)コミュニケーションをとる人がいるが、これはもちろん未熟なコミュニケーションになってしまう。
慣れないとそうなってしまうのかもしれないが、そのような感情に基づくコミュニケーションをとっていれば、後で自分が嫌な気持ちになるし、まわりからの評価も下がってしまう。
まわりの人から、「未熟な人だな」、「子供だな…」と評価されてしまうのだ。
自分を見ていないか
嫌いな相手に、自分の嫌な部分を見ていることがある。
極端に利己的な振る舞いをする人を見かけたとき、「嫌だな…」と思わないだろうか。
たとえば、自分の責任の範囲を日和見で変える人物がいる。
プロジェクトが上手く行きそうであれば、自分の責任の範囲を広くとる。逆に、失敗しそうであれば、狭くとる。手柄は自分、失敗は自分以外の誰か、という発想が根底にあるのだ。
出典:自分の影響力を高めるには?
たとえば、こんな人のことだ。
だが、自分がその人と同じ立場になったとき、「同じようなことをしない」と言い切れるか。自分の利益を守るため、失敗しそうなとき、自分の責任を限定的にしよう…と試みないだろうか。
部下の手柄を、自分の手柄としないだろうか。
もしかすると、嫌いな相手に、自分の嫌な部分を見ているのかもしれない。その可能性は、頭に入れておいた方がいいだろう。そうすることで、嫌いな人に対する見方も変わってくるはずだ。
※嫌いな人が、自分に対し「何かを示唆している…」ということがあるのだ。
まとめ
今回は、「嫌いな人と上手に接するために必要なこと」について書いてみた。
たとえ嫌いな人でも、接するときは、感情のままに動く子供の対応ではなく、大人の対応を心がけたい。
※未熟な対応をしても、いいことはない。
そのためには、1)嫌いを分析する、2)自分の不利益を考える、3)相手の弁護人になってみる、4)対人スキルを高める機会にする、というアクションや考え方が大事になってくる。
さらには、相手の立場に立って考えてみる、ということも必要だ。自分が相手の立場に立てば、同じようなことをするかもしれない(状況にもよるので、しないとは言い切れないだろう)。
※まずは、自分から人を嫌いにならないこと、を心がけることが一番だろう。