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ボクシング|村田諒太の強さを深く考える

村田選手は、本当に強いのだろうか。

こういう疑問をもっている人もいたと思う。村田選手は五輪で金をとったが、プロの世界でどの程度通じるのかはわからない。私も当初は、世界のトップ30ぐらいに入れると思うが、そこからは未知数だ…という感覚だった(ミドル級は、世界のミドル級で層が比較的厚いのだ)。

今回は、村田諒太の強さについて考えてみたい。

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 目次

 エンダム戦のおさらい

エンダム(ハッサン・ヌダム・ヌジカム(Hassan N'Dam N'Jikam)戦のおさらいをしておく。

1~3R:村田は1Rを捨て、相手の動きを掴むことに費やす。村田がこのラウンドで放ったパンチは3発のみ。エンダムは足を使いながら、多彩なパンチを繰り出す。手数や引き出しは多いが、パンチに目立つスピードやキレはない。村田の右は、ディフェンスの上からでも効きそうだ。

2Rは終盤に多少打ち合いがあった。パンチの迫力は村田が上だが精度は互角。手数はエンダム。村田が左のクリーンヒットをもらう場面もあった。3Rは村田がややギアを上げる。ここからが勝負だ、ということだろう。

4~6R:4R村田の左のボディが入る。村田は左のボディも上手い。一方、ガードの隙間からアッパーをもらうシーンもあった。終盤にカウンターの右が入り、エンダムがダウン。カウンターを狙ってとったというよりは、たまたまカウンターになったように見える。

5Rエンダムにダウンのダメージなし。やや乱打戦に近いラウンド。村田のパンチで、(ガードの上から被弾した)エンダムがバランスを崩し腰を落とすシーンも。6R村田の右のストレートがエンダムをとらえ、エンダムがロープに飛ぶというシーンあり。

・見返して気が付いたこと

長くなるのでここまでにするが、手数でエンダム、パンチのパワーで村田という構図だ。

試合を見返して気が付いた点がある。村田のボディブローがいいということと、(村田は)クリーンヒットもされているということだ。村田のボディには、ストレート同様パワーがある。後者については、冷静に見直すことではっきりわかった。ダウンを奪ったラウンドでも、被弾している。

 世界8位と互角以上

競技団体の枠を取り払って考えた場合、エンダムは世界8位の実力者だ。

リング誌によるランキングだが、妥当なところだろう。ちなみに、1位は、カネロ・アルバレス(サウル・アルバレス)、2位は、ゲンナジー・ゴロフキン、3位は、ダニエル・ジェイコブス、となっている。アルバレスとゴロフキンは、PFPランキングにも名を連ねている。

トップのレベルが気になるが、こういうものだ。


Gennady Golovkin Greatest Hits (HBO Boxing)

村田選手がこのレベルに届くかどうかはわからない。

トップには届かないとするのが妥当な見方かもしれないが、エンダムと互角以上の戦いをしたことは事実なので、トップに近づいていることは確かだ。これまでは、対戦相手が(勝って当然クラスで)力不足であったこともあり、村田の本当の実力がどうなのかわからない…という声があったと思う。

その疑問の声は、今回の戦いで払拭することができただろう。

 村田諒太の強さ

村田選手には、肉体の強さがある。

「今までのミドル級の日本人選手とは違う。他の選手は脂肪があって、体が緩んでいる場合が多いが、村田は無駄なくミドル級の体格になっている」と語り、「肉の詰まり方が違う」と表現した
出典:「肉の詰まり方が違う」トレーナーが見た村田諒太のフィジカルの強さ

たしかに、無駄のないバランスのとれた筋肉のつき方だな…と思う。

そのことは、懸垂でわかるそうだ。体重が重くなるとボクサーでも懸垂をできなくなるが、村田選手は軽々と懸垂ができるそうだ。これは、腕や背中の筋肉がバランスよくついている証拠だ。

また、村田選手にはスタミナがあるそうだ。そういえば、アマボクシングでも、(後半に勝負するという)スタミナを活かした戦い方をしていただろうか。村田が外国人選手に(スタミナも含め)フィジカルで後れを取る、ということはないのかもしれない。

※肉体の強さというのは、大きな武器になる。

 修正能力が高い

村田選手は、修正することができる。

たとえば、村田選手には、ボクシングスタイルを変えようとした時期がある。

「プロとアマではスタイルが全然違うんだという考えがあった。でも、そもそもそこが大きな間違いでした。ベースにあるものは同じで、調味料を加えるくらいでよかった。こしょうや七味くらいでよかったのに、ガラッと変えようとしていました。それがよくなかった」
出典:村田諒太に聞いておきたかった「あのこと」、返ってきた「本音」

村田選手は、「調味料を入れればいいだけなのに、料理を作り替えようとしていた」という表現をしている。その時期は、スピード、パワー、スタミナ、技術、タフネス、経験といった要素をすべて伸ばし、大きな六角形を描こうとしていたそうだ。

だが、これは間違いであると気付き、「六角形の形はいびつであった方がいい」とし、自分の得意なところで勝負できればいい、と考えを変えた。弱点を克服しようとすると、長所がくすんだり、時間はかかるが効果が小さい、となりがちだ。そこに気付いて修正した、ということだろう。

※他人のことは見えても、自分のことは容易に見えないので、修正するのはむずかしい。また、たとえ見えていても、修正できない…ということは、普通にあることだ。

 他人の知恵を使おうとしている

村田選手は、他人の知恵を使おうとしている。

私が村田選手をメディアを通じて始めてみたのは、ロンドンオリンピックのときだった。そのとき彼は(奥さんかもしれないが)、冷蔵庫の扉にだったか、「金メダル獲得おめでとうございます」みたいなことを書いた紙を貼っていた。これは、金メダルをとる前の話だ。それを見て、「この人は自己啓発の本を読む人で、それを実践できる人なんだ」という印象を持ったことを覚えている。

今では、村田選手が読書家であることは有名になっている。本を読んで実践できる人というのはすごい。本を読まない人や、本を読んでも実践せずそれで終わり…という人の方が多いのだ。本を読んで実践することは、他人の知恵を使うことだ。それができれば、レベルアップが早くなる。

※他人の知恵を使える人は強いのだ。これも村田選手の強みだ。

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 まとめ

今回は、村田諒太の強さについて考えてみた。

村田選手は、もはや負けたことに対し何とも思っていないと思う。実際、「失ったものはない」、「最悪のケースではない」という発言をしていて、敗戦をニュートラルに捉えようとしている。

内容は悪くなかったので評価できる、負けたことでストーリーに深みが出る…とポジティブにすら考えているかもしれない(笑)。そうすることが、今後のために一番いいと知っているためだ。こういう思考・メンタルの強さが、村田諒太の強さを支えていることは間違いないだろう。

今回の記事:「ボクシング|村田諒太の強さを深く考える」