話すと相手の反感を買ってしまう人がいる。
自分が話すと反感を買ってしまうので、自分が話すことを避けて聞き役に回ろう…とする人もいるかもしれない。しかしそれでは、アウトプットできないことになり、おもしろくない。ビジネスでは、「使えない人物」と評価されることになるかもしれない。会議などで発言しない人を高く評価する人はいないのだ。なので、相手の反感を買わずに話す方法を身につけた方がいい。
今回は、相手の反感を買わずに意見を言う方法について書いてみたい。
目次
決めつけない
頭から決めつけると、相手の反感を買うことになる。
たとえば、「早期英語教育をしても意味がない」、「公立の学校に行かせても意味がない」などと言うと、早期英語教育には意味がある、公立の学校に行くことには意味がある、と思っている人の反感を買うことになる。
仕事でも、「このプロジェクトには、経験者のみが参加すべきだ」と言うと、必ずしもそう思わない人から反感を買う。とにかく、決めつけると相手の反感を買いやすくなるのだ。話すときは結論から言えばいい、とされるが、私は結論から話すとき、「決めつけると相手の反感を買いやすくなる」という点を危惧している。
最初に結論で決めつけられると、反発したくなることがあるのだ。
理由を説明する
相手の反感を買いそうなときは、丁寧に理由を説明した方がいい。
そんなときでも、理由を説明しない人がいる。たとえば、理由を言わずに別れを告げる人がいるが、これでは相手が納得しないだろう。また、そんなことは「当たり前だ」、「常識だ」と言って、理由を説明しない人もいる。このような態度では、相手の反感を買うことになる。
直感的、感覚的、感情的なもので、理由を上手く言語化できない…という場合もあるだろう。そんなときは、正直に「上手く理由を説明できないのだけれど…」ということを言えばいい。以前、感情的な意見を伝えるとき、そういうフレーズを使った人がいたが、使わないよりはいい。
※一応、理由を説明しようとする正直な姿勢(努力)がみられるためだ。
トーンを調節する
意見を言うときは、トーンを調節した方がいい。
トーンは、強すぎても弱すぎてもいけない。強すぎると、相手が押し付けだと感じ、反感を持つことになり、弱すぎると、相手に「この人は、何が言いたいのか」、「自分の意見に自信がないのか」、「気を遣いすぎだろ、いい顔しすぎだろ」と思われてしまう。
具体的には、「(間違いなく)~だ」というよりは、「~だと思います」ぐらいの表現がいいだろう。ブログなどでは前者でもいいのだろうが、話をする場では後者の方がいいだろう。ただし、プレゼンなどでは、(自信を演出するために)意図的にトーンを強くすることはあると思う。
・「私見ですが…」という保険をかける
私見ですが…という保険をかけて、トーンを弱める方法もある。
英語に、personally speaking、in my opinion、it seems to me that~、というフレーズがある。私がよく使うのは、「it seems to me that~」だ(書くときには、in my opinion を使う)。これらは、「私見ですが~」という意味だ。
そう言ってトーンを抑えておけば、トーンが強すぎることがなくなり、相手の反感を買うこともなくなるだろう。その効果を狙って、これらのフレーズを使うのだ。
※単純に「I think~」にしてもそうだ。
全否定しない
否定がすぎると、相手の反感を買うことになる。
相手の話に対し、「いや」、「でも」、「それはどうかな~」から入り、話を否定するようなことを言うと、相手の反感を買う。「いや」、「でも」を聞いただけでイラッとするのは、「こちらの意見を全く尊重せずに、全否定するつもりだな」と感じるからだろう。
意見の場合は、事実関係とは違い、完全に間違っているということはない。「間違いだ」と感じる意見にしても、大抵の場合は、根拠が薄いとかバイアスがかかっている…程度のものだ(強くバイアスがかかると、間違いに近くはなる)。なので、全否定する必要はないのだ。
※違うと思っても、全否定する必要はない。
自分のことばかり話さない
自分のことばかり話すと、相手の反感を買う。
自分のことばかり話さない、というのは、自分の意見ばかり言わない、ということも含む。(一部の人を除けば)人は他人の話を聞くよりも、自分の話をしたいと思っている。意見にしても同じで、他人の意見を聞くよりは、自分の意見を言いたいと思っている。
なので、自分の意見を必要以上に話すことは、話し手が自分の意見を聞くことを聞き手に強要し、聞き手が意見を言う機会を奪っている、とすることができる。自分のことばかり話す人にイラッとするのは、「聞き手(自分)に対する気配りがない」と感じるためだろう。
※自分が好きすぎると、(相手に対する気配りを欠き)相手の反感を買う。
話し方や態度に気をつける
自分が話すときは、話し方や態度に気をつけた方がいい。
言葉に感情が宿ることがある。ポジティブな感情であれば、パッションになりいいと思うが、ネガティブな感情の場合は、相手に与える印象が悪くなる。たとえば、相手が嫌い、相手と壁を作りたい、という感情が言葉に宿ると、冷たい言い方になってしまうだろう。
目線や表情の問題もある。相手を見ない、硬い表情を作る、ということは、相手の自分に対する印象を悪くする。相手を見なければ、相手は「無視された」と感じるだろうし、こちらの表情が硬ければ、相手の表情や感情も硬くなるだろう。
※コミュニケーションにおける、作用・反作用に留意したい。
まとめ
今回は、相手の反感を買わずに意見を言う方法について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)決めつけない、2)理由を説明する、3)トーンを調節する、4)全否定しない、5)自分のことばかり話さない、6)話し方や態度に気をつける、の6つだ。
押し付けがましく思われ、相手の反感を買ってしまう…という人は、トーンの調節を意識してみたらどうだろうか。押しつけがましく思われるということは、トーンが強すぎる、ということだ。したがって、トーンを抑えることでそう思われないようにすることができる。
そのためには、柔らかい表情で「~だと思います」と述べたり、会議などの場では「私見ですが…」として意見を言えばいいのだ。その際は、話し方や態度にも留意すべきだ。
今回の記事:「話すと反感を買う…相手の反感を買わずに意見を言う方法6つ」