表現力を高めるために鍛えたい、と思うことがあると思う。
表現力というのは大事なもので、中身が素晴らしいのに表現力が乏しいせいで正当に評価されない、ということがある。逆に、中身は大したことがないのに、表現力が素晴らしいので評価される、ということもある。つまり、表現力が乏しければ、ボトルネックになってしまうのだ。
今回は、表現力を鍛える方法について書いてみたい。
目次
表現力が乏しいと…
表現力が乏しいと、大きな問題が生じる。
まず、素晴らしい意見を持っていても、その意見を上手く伝えることができず、他者から正当に評価されない、ということがある。素晴らしい商品やサービスであっても、素晴らしさが消費者に上手く伝わらず、買ってもらえない、利用してもらえない…ということと同じだ。
次に、自分の考えや感情を他者に上手く伝えることができず、フラストレーションを抱える、自己肯定できなくなる、ということがある。また、他者から誤解をうけやすくなる、ということもある。その結果、コミュニケーション自体に苦手意識を持ち、自分から発信しなくなる、ということもある。
※表現力が乏しいと、議論においても貢献できなくなってしまう。
相手の質問を想定する
ここからは、表現力を鍛える方法について書いていく。
海外のスポーツ選手のインタビューを聞いていると、ひとつの質問に対し比較的長く答える…というシーンが普通にある。相手の質問を想定しているから、そうできるのだ。
シンプルな例で考えてみよう。「好きな食べ物は何ですか?」と聞かれた場合、表現力の乏しい人は、「○○です」で終了だ。表現力のある人は、相手からの質問を想定し、「~だから好き」、「~ぐらいの頻度で食べる」、「~と一緒に食べるとさらにおいしくなる」、「~というアレンジも好き」と話を繋ぐことができる。
さらに、「~というシチュエーションで食べるとさらにおいしかった」という個人的な体験談を話すこともある。相手の質問の余地を残すため、すべて話す必要はないが(笑)、相手からの質問を想定し、その質問に答えようとすることで表現力が高まることになる。
※相手の質問を想定し自ら答えることで、表現力が増す。
要点や記憶を整理しておく
アウトプットするときは、要点や記憶を整理しておきたい。
時系列や重要度を用い、整理しておけばいいのだ。重要度では、1)伝えなければいけない、2)伝えた方がいい、3)状況に応じて伝える、ぐらいに分類し、1,2については、「必ず伝える」ぐらいの意識を持っていた方がいい。そういう意識がないと、2どころか1も伝えられなくなってしまう。
とりあえず、伝えたいことを片っ端から書き出す、必要であれば時系列で整理する、重要度で整理する、不要なものは捨てる、という順番になるだろうか。こうしておけば、頭の中が整理できるため、筋道の通った話を相手にわかりやすい形ですることができる。
※ブログの記事を書くときでも、重要度の整理&選択は必須になる。
抽象から具体を心がける
アウトプットするときは、抽象から具体を心がけたい。
表現力の乏しい人は、ふわっとした抽象的な話で終わることがよくある。そんなとき、聞いている方は、「だから何?」と思う。シャレではないが、内容がないように聞こえるのだ。抽象でまとめると、汎用性が高くなり応用が効くようになるが、「だから何?」ということにもなる。
なので、抽象的な話のあとには、具体的な話をする。たとえば、具体的な事例を出す、ということだ。そうすることで聞く方は、「そういうことか」と腑に落ちる。抽象的な話をして、「理解できないのはお前が悪い」としても仕方がないのだ。
※ふわっとした抽象を歯ごたえのある具体にして提示する必要がある。
フィードバックを受ける
表現力を鍛えたければ、フィードバックを受けた方がいい。
一番簡単にできるのは、自分でフィードバックを得る、ということだ。よくスポーツ選手が、自分のフォームを録画してチェックする、ということをする。俳優でも、自分の演技をその場で(録画再生により)チェックする、ということがあるだろう。
効果があるからそうするのだ。なので、自分が話す場面などを録画し、チェックすればいい。また、誰かにチェックしてもらう、という方法もある。学生のころ、自分のプレゼンを仲間にチェックしてもらい、コメントをもらったことがあるが、気付きがあり非常に役に立った。
他人からのフィードバックは、客観性が高く有用なのだ。
イメージを使えるようにする
イメージの力を使えば、表現が豊かになる。
たとえば、「学生時代はどんなところに住んでいた?」と質問されると、そのとき住んでいた場所を思い浮かべるはずだ。かなり昔のことであっても、あたかも動画を再生するように、イメージを思い浮かべることができるはずだ。
そのイメージにしたがって言葉を並べれば、自然と表現は豊かになるものだ。別の例になるが、「スダチ」を知らない人に、スダチのことを説明しようと思えば、自分がスダチを使うシーンを思い浮かべて説明すれば、表現豊かに説明することができるだろう(具体性を伴う説明もできる)。
※表現に困ったら、イメージの力を使えばいいのだ。
アウトプットの量を増やす
アウトプットの量を増やせば、表現力は向上する。
もちろん、問題意識を持ち、「表現力を上げたい」という気持ちを持っていればの話だ。アウトプットの量を増やすことは、むずかしいことではない。普段話をしない人と話をしなければいけない、ということではなく、普段話をする人と多めに話をする、ということでもいいのだ。
また、ブログを書く、ということでもいい。私自身のことを考えても、当初は500文字程度でも書くことが苦しかったが、今では2千文字程度であれば(苦痛なしに)普通に書ける。問題意識を持ちつつ量をこなした結果、自然にそうなったということだ。
※考えながら走れば、結果は自然に出るだろう。
まとめ
今回は、表現力を鍛える方法について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)相手の質問を想定する、2)要点や記憶を整理しておく、3)抽象から具体を心がける、4)フィードバックを受ける、5)イメージを使えるようにする、6)アウトプットの量を増やす、の6つだ。
これらのほかにも、語彙を増やすために、インプットの質と量を上げる、「自分には話す権利がある」とし、気後れせずに話す、アウトプットを習慣にする、コミュニケーションにおける失敗を学びとし、ポジティブにとらえる…などの方法があると思う。
さらに、表現力が高くなるメカニズムを自分の頭で考える、という方法もある。自分の頭で考えれば、そこからの学びを他の分野に転移させる、ということも可能になるだろう。
今回の記事:「表現力が乏しいとボトルネックに…表現力を鍛える方法6つ」