あなたは、後悔する方だろうか、しない方だろうか。
後悔しない人は、比較的ハッピーだと思うが、後悔する方が多い…という人は、苦しい思いを抱えながら、生きているのではないだろうか。そして、後悔しない人が羨ましい…と思ったりする。
後悔というのは、ただの損失ではないため、受けるダメージが大きくなるのだ(後々まで引きずることもよくあることだ)。だが、そんな人でも、これまでより後悔を少なくすることはできる。
今回は、「後悔しない人の考え方」について書いてみたい。
目次
後悔とは
後悔とは何か…から考えてみよう。
後悔とは、自分が「したこと」を、あとになって悔やむこと、だとされる。なので、やってしまったこと(失敗など)を、「今さら後悔しても始まらない・仕方がない」などと表現する。
※行動して失敗すれば、その行動を悔やむことになる。
しなかったことを悔やむことも…
だが、「しなかったこと」を後悔することもある。
たとえば、「あのときこうすべきだった…」と後悔することは、普通にあることだ。
後悔には、愚かな選択により「損をした」という感情に加え、「自分に対する責任を果たせなかった罪」のような感情も加わるため、自分に対し深く落胆する…ということになりやすい。
※そのため、(だめなことだが)後々まで引きずりやすくなる。
後悔しない方法は
将来を見据えた選択をする
後悔しないためには、将来の利益を重視する選択をする必要がある。
マシュマロ実験という有名な実験があるが、この実験により、将来の利益を得るために自制できる人(実験では子供)の方が、社会的に成功する可能性が高い、ということがわかっている。
数年後の利益をイメージして、コツコツと勉強や仕事をしたり、数年後、十数年後の健康をイメージして、今、(自制のきいた)食生活を組み立てることのできる人の方が、大きな利益を得る可能性が高くなる。重要な選択では、将来の利益のことをよくよく考えなければいけないのだ。
※将来を見据え、自制のきいた合理的な判断ができれば、後悔しなくなる。
集合知からできたルールに
後悔しないためには、集合知からできたルールにしたがえばいい。
集合知とは、「多くの人の知識が蓄積したもの」だが、その結果できたルール(自分に見える場合も見えない場合もある)というものがある。投資でいえば、ドルコスト平均法にしたがい投資するとか、頻繁に売買するのであれば、〇%の損失が出た時点で損切りをする、というものだ。
無視すれば後悔する
集合知からできたルールに反する形で取引して損をした場合、かなり後悔する(笑)。
そんなときは、「自分のバカ~!」ということになるのだ。そのルールにしたがって損をした場合は、「まぁ、仕方がないよね」、「想定内の損失であり、こんなこともあるさ」と割り切れ、後悔はあまりないのだ。
※常識といったものも、(タイムラグの問題はあるが)集合知からできたルールだろう。
機会コストを考える
後悔しないためには、「機会コスト」のことを考えた方がいい。
Aを選択すると、(Bを選択できなくなるので)Bを選択することにより得る利益を失うことになる。Bだけではなく、C、Dという選択肢もあるかもしれないが、この失う利益のことを、Aを選ぶ「コスト」と称する。
この機会コストが見えなくなると、意思決定を間違い、後悔することになる。
ブログにも機会コストが
ブログを書くことにしても、ブログを書くことを選択した裏には、機会コストが存在する。
ブログを書くことで得る利益(もちろん、金銭だけではないが…)よりも、その機会コストの方が大きければ、ブログを書くことは誤った判断になるだろう。※後悔することになる。
サンクコストを切り捨てる
サンクコストに囚われると、後悔することになる。
サンクコストとは、泣いても笑っても、もはや回収できないコストのことだ。コストは、お金のみならず、時間や労力も含む。このサンクコストというのは、意思決定に強く干渉するため、なかなか厄介なのだ。
たとえば、恋愛の場合では、男性は女性をおとすために、お金と時間を使う。女性をおとす前に、コストがどんどん膨らんでいけば、引くに引けない、という状態になり判断を誤ってしまう。
女性の場合は、自分の若いときの時間を使ったのだから、この人と結婚できないのはおかしい、と考え、交際相手に結婚の意思がなくても、ズルズルとつき合ってしまう…ということになる。
※いずれも、サンクコストに囚われた状態で、後悔することになるだろう。
失敗に対する意識を変える
後悔しないためには、失敗に対する意識を変えればいい。
失敗は、成功に至るまでのプロセスで生じるもので、失敗することは当たり前のことなのだ。
むずかしいことにチャレンジすれば、失敗は多くなるし、チャレンジする回数が多くなれば、失敗する回数も多くなる。※失敗は、成功に至る過程で「当たり前に発生するイベント」なのだ。
どう活かすかを考える
失敗は活かし方が大事だ(どう活かすかが本質になる)。
受験や就職の失敗など、キャリア形成における失敗は大きく感じるが、失敗した時点でサンクコスト化している。なので、失敗から次の成功に役立つ教訓(同じ失敗を繰り返さない教訓)を抽出し記録したら、スパッと切り捨てる。
※ダメなのは、失敗で萎縮しチャレンジをやめたり、自信を失うことだ。
意思決定を他人にゆだねる
ややトリッキーだが、意思決定を他人に委ねれば、自分は後悔しない…というケースがある。
新人のころ、あるプロジェクトに参加したが、そのプロジェクトが失敗に終わる、ということがあった。その際、(当事者でありながら)失敗に対する後悔というものが、ほとんどなかった。理由は簡単で、これといった意見も上げず、仕事のやり方などをすべて上司に委ねていたためだ。
※わたしの主体性やプロ意識が低かった、ということもあると思う。
自尊心を守ることができる
この形であれば、「失敗したのは上司のせいだよね」として、自尊心を守ることができる。
なので、後悔がほとんどないのだ。余談になるが、「ほとんど」と書いたのは、その上司が失敗の責任をとらされ、降格してしまったためだ。その上司はとてもいい人だったので、もっと自分が主体的にコミットしていれば、そんなことにはならなかったかも…という後悔が生じたのだ。
後悔しない人の考え方 - サマリー
まとめ
今回は、「後悔しない人の考え方」について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)将来を見据えた選択をする、2)集合知からできたルールにしたがう、3)「機会コスト」を考える、4)「サンクコスト」を切り捨てる、5)失敗に対する意識を変える、6)意思決定を他人に委ねる、の6つだ。
将来の利益を考え、自制的かつ合理的な選択をすれば、後悔はなくなるだろう。合理性とは、そのときの合理性で構わない。「あの時点では合理的な判断をした」ということでいいのだ。
※そういう選択であれば、結果はどうあれ納得できる。
集合知からできたルールにしたがう、というのは、何か古臭い常識にしたがうようで、抵抗を感じるかもしれない。
だがそれは、先人など「優れた他者の知恵を使う」ということだ。自分の知恵は自分が思うより限定的なので、優れた他者の知恵を利用できるのであれば、そうした方がいい結果になる。
※つまりは、他者のアドバイスにも聞く耳を持った方がいいのだ。
今回の記事:「後悔しない人の考え方」