自分は会話などが苦手で、何とか苦手を克服したい…と考える人は多いと思う。
以前の記事でも書いたが、全体の7割程度が苦手意識を持っていることと、コミュニケーション能力というのは、(仕事などの)成果を出す上で、大きな変数になるためだ。これが苦手だと、人が持つ関係性の欲求(他者とつながりを持ちたいという欲求)を満たすこともできなくなる。
今回は、コミュニケーションが苦手を克服する方法について書いてみたい。
目次
- 目次
- 冷静に事実を観察する
- セルフイメージを貶めない
- 苦手意識は消すことができる
- 失敗は初期段階だから当たり前
- 目標を立てる
- マイルストーンを置く
- 会話で相手に勝とうとしない
- 無駄話には意味がある
- まとめ
冷静に事実を観察する
まずは、冷静に事実を観察したい。
たとえば、会話を通じて、相手の目をみることができない、相手の話を我慢して聞くことができない、相手の話に興味を持つことができない、上手く言葉が出ない、詰まったりどもったりする。
話すべきときに話せない、言葉を発することに恐れがある、相手に「コミュ障だ・変な人だ」と思われるのが嫌だ、という感情がある、自分が話すことで空気がおかしくなるのが嫌だ、と思う。
さらに、コミュ力の高い人がいると気後れする、コミュ力の高い人と接することが、ストレスになる、諸々の結果、コミュ力が必要とされる場をさけたい気持ちが強くある、などが事実になる。
セルフイメージを貶めない
コミュニケーションが苦手な人は、ここでしてはいけないことをする。
それは、だから自分はダメなんだ、コミュニケーションがいつまでたっても、苦手なんだ…と思うことだ。これは、自分に負のレッテルをはり、セルフイメージを低下させる愚かな行為になる。
セルフイメージは強力なもので、人はそれに見合う言動や選択をしてしまう。「自分は、〇〇が苦手だ」と思っているものが、得意になることはない。そう思っていれば、ずっと苦手なままだ。
苦手意識は消すことができる
そうは言っても、上手くできないのだから、苦手意識を持つのは当たり前だと思うだろう。
そんなときは、自分は初期段階にある、と考えればいい。
以下の記事を見てほしい。
最初のグラフが、初期の段階だ。
この段階では、たとえ努力をしても、報われない(笑)。なので、コミュニケーションにしても何にしても、「自分は向いていない」、「自分には才能・素養がない」と思わされる段階だ。
だが、その時期にセルフイメージを低下させ、苦手意識を持ってしまうと、努力を続けることができなくなり、そこで終了する。苦手なまま、その後を過ごす、ということになるだろう。
※未熟な初期段階だと思えば、できなくて当たり前だと思えるだろう。
失敗は初期段階だから当たり前
つまり、失敗は初期段階だから当たり前だ、とする。年齢は関係ない。
歳がいくつであろうが、未熟な初期段階にあるのだ。
自分のコミュニケーションが未熟なために、あのときこうしていれば…、相手に意に沿わぬ形で不愉快な思いをさせてしまった…ということがある。
その結果、相手に変な人だと思われる、自分の評価が悪くなり、その悪評がまわり回って自分の耳にも聞こえてくる…ということがある。だが、そこで自分を貶め、自己嫌悪に陥ってもいいことはない。そういうネガティブな気持ちは、「初期段階だから当たり前だ」として処理する。
目標を立てる
ここまでで、苦手意識を持つことなく事実を確認できたと思う。
そして、自分の(初期段階にあるという)現在位置も確認できた。では、ここで何をどうするかだ。端的にいえば、現状に合う最適な対策を立て地道に実行する(積み重ねる)、ことだ。
事実を確認した際、自分の課題が浮かび上がってきたと思う。
その課題をもとに、具体的な(最終的な)目標を決める。たとえば、1)相手の目をみてコミュニケーションをとる、2)相手の話を落ち着いて聞く、3)話すべきときには話す、4)自分から話すことを恐れない、ということだ。※相手の気分を害さない、ということもあるだろう。
マイルストーンを置く
会話などが苦手な人は、苦手を克服したいがために、一気に目標を達成しようとする。
そして、達成できないとみるや、「やっぱりダメ」、「自分はダメ」、「コミュニケーションは一生苦手で克服など無理…」とセルフイメージを落とす(笑)。そうではなくて、マイルストーンを置くべきだ。
最終的な目標を(それぞれのレベルにおいて)達成しやすい目標に分割し、一里塚にする、ということだ。たとえば、「相手の目をみて会話する」が、最終的な目標としよう。
その場合、「相手の方に顔を向ける」から始める。それができたら、「体全体を向ける」、「目線を上げる意識を持つ」、「顎のあたりを見る」、「鼻のあたりを見る」と、目標を変えていく。
目切り(アイコンタクトをした後に、目線を外す行為)が早い人は、徐々に遅くしていく。
※スモールステップで、最終目標に近づいていけばいい。
会話で相手に勝とうとしない
少し、すぐに役立つ実践的なことも書いておこう。
コミュニケーションが苦手な人の中には、会話の中に勝ち負けを持ち込み、自滅してしまう人がいる。会話を通じて自分が優位に立ちたいと思い、それが叶わなければ(気分を害し)話さない、というタイプの人だ。※かなり、自己中な人になる。
この記事の「自己愛が強すぎる人」にあたる。
会話に勝ち負けを持ち込まないためには、相手の話には価値がある、と思い、積極的に価値を見い出す、という姿勢が必要になる。そして、相手をほめることができれば、勝ち負けは霧散する。
無駄話には意味がある
コミュニケーションが苦手な人の中には、無駄な話はしたくない、と考える人がいる。
自分が好きな相手であれば、その人と時間を共有することに意味が生じるので、無駄話には意味がある、となる。だが、そうでない相手の場合は、雑談などは無駄なので、したくない…となる。
だが、雑談には意味がある。それは、(赤裸々にいえば)「お互いが相手のことを値踏みする」という意味だ。打ち解けて雑談できる人は、相手から「話しやすい」、「社会性がある」、「豊かな人間関係の中で育ったのだろう…」と、プラス評価される。
一方、雑談をしないとか、心を閉ざしている人の場合は、「問題がある」、「社会性に欠けている」という評価をされる。無駄話には、自分の評価が決まる、という点で意味があるのだ。
まとめ
今回は、コミュニケーションが苦手を克服する方法について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)冷静に事実を観察する、2)セルフイメージを貶めない、3)目標を立てる(マイルストーンを置いて、一つ一つクリアしていく)、4)会話で相手に勝とうとしない、5)無駄話には意味がある、の5つだ。
会話などに限らず、「~が苦手だ」と感じる時期は、初期段階の時期で、精神的にきつくなる時期だ。そんなときは、都度、適切な目標を設定し、努力を積み重ねることで、道が開けてくる。
このことは、先に述べた「努力を続けるコツがある」という記事の2番目のグラフを見ればわかるだろう。そのグラフをイメージしながら、改善・克服する努力を続ければ、報われるだろう。
今回の記事:「コミュニケーションが苦手を克服する方法5つ」