こちらの話に対し、頷きがない、決して頷かない…という人がいる。
仕事以外の日常にしろ、会議やプレゼン、スピーチにしろ、こちらが発言したときに、相手が頷かない…ということになると、話しづらくて仕方がない。こちらの話が相手に上手く伝わっていないのか、伝わっているけれども、相手は否定しているのか…という感覚を持ってしまうためだ。
今回は、頷かない人の心理について書いてみたい。
目次
嫌いである
相手のことが嫌いである
話し手のことが嫌いであれば、聞き手は頷かない。
相手の話や相手の人格を認めたくないから頷かない、ということになる。
嫌いな人が言うことであっても、「言っていることは正しいよな…」と思うことはあるが、意地でも頷かない。人は論理でも動くが、感情での動きの方が勝ることが多いので、そうなるのだ。
嫌いではなく、少し嫌いかも…という程度であれば、軽く頷くことはあるだろう。
犬猿の仲の二人が同席すると…
会議などでは、犬猿の仲の二人がやむなく同席する、というケースがある。
その場で2人を観察するとおもしろい(笑)。ひとりが話すと、もうひとりは、おもしろくなさそうな顔をして無視する(心理的な距離を取ろうとする)か、敵意を持って相対してくる。
反論したり、別の話を持ち出して、相手の話を消そうとしたり…ということだ。
負けず嫌い・自尊心が低い
自尊心が低い
自尊心が低い人は、話に対し頷きを返さない。
自尊心が低いとどうしても、他者を否定しがちになるためだ。
自尊心が低い人は、「自分の人格を大切にする気持ち」が低いのだが、そういう状態になると、「他者の人格を大切にする気持ち」も低くなる。余裕がないからそうなるということがあるし、他者の人格を大切にしないことで、自己に対する気持ちとバランスをとる、ということもある。
自尊心が低い、ということは、なかなか厄介なことなのだ。
ひどく負けず嫌い
負けず嫌いで頷かない、というパターンもある。
負けず嫌いの人は、人に負けるのが嫌だ。人に勝って人の上に立とうとする。
負けず嫌いをこじらすと、頷くだけでも、相手に負けたような気分になることがある。頷くだけで、相手の風下に立った…と感じることがあるのだ。なので、頷かない、ということになる。
相手の承認欲求など満たしてやらない、と意固地になるのだ(笑)。
興味がない・理解できない
相手の話に興味がない
相手の話に興味がなければ、ほとんど頷かない。
そんなときは、話もろくに聞いていないだろう。話を聞かずほかのことを考えている(たとえば、自分が話す内容を考えている)ことは、普通にあることだ。聞いていないので頷けないのだ。
余談になるが、「自分の話に興味がなさそうだな…」というのは、相手の素振り(ボディランゲージ)でわかる。そんなときは、相手に話を振ったり、相手の興味がある話をするしかない。
早い話が、興味がなければ話を聞いてくれない、ということだ。
相手の話を理解できない
こちらの話を理解できない人にも頷きはない。
話し手に好意を持っていれば、話を理解できなくても愛想で頷くということはある(笑)。その際は、中身の伴わない空疎な頷きにはなるが…。話し手もそのことは、うすうす感じていると思う。
その愛想のケースを除けば、理解できないときに頷く、ということはない。
ある勉強会で、講師を務めた准教授に、「○○君、君は理解できていないようだね」と言われたことがある。そのときのわたしは、講師のややこしい話に対し、(理解が追い付かず)全く頷いていなかったと思う。その様子をみて、「こいつは理解していないな…」と思ったのだろう(笑)。
相手の話が理解できないと、頷かずむずかしい(または困った)表情になる。
意外なケースもある
思考に沈む
ナチュラルに反応を見せない、というタイプの人もいる。
このタイプの人は、話に興味があり、理解していても頷かない。負けず嫌いでもなく、自尊心が低いわけでもないのに頷かない。ナチュラルに(相手に)反応を見せない、というタイプの人だ。
内向的で思考・思索型の人に多いのかな、という気がする。
では、彼らが頷かず何をしているのかというと、インプットとして取り込んだ話をネタにして、思考しているのだ。たとえば、その話が正しいのかどうか、自分で検証しているのかもしれない。
思考に沈むため、頷きなどの目立つ反応を見せない、ということになる。
頷かない人の心理とは - サマリー
まとめ
今回は、頷かない人の心理について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)相手のことが嫌いである、2)自尊心が低い、3)ひどく負けず嫌い、4)相手の話に興味がない、5)話を理解できない、6)思考に沈む、の6つになる。
※肯定的な反応がない人には、それなりの(合理的な?)理由があるのだ。
冒頭でも書いたが、頷かない人を目の前にして話をする、というのはしんどい。だが、そのタイプの人の心理を理解して、いいようにとれば(たとえば、思考に沈んでいるのだな…とか)、少し気持ちが楽になるかもしれない。自分が聞き手になるときは、できるだけ頷いてあげよう(笑)。
今回の記事:「頷きがない…頷かない人の心理」