あなたは、会話で相槌を上手く使える方だろうか。
上手に会話できる人は、相槌の使い方が上手い。相槌を上手く打つことで、相手を承認し相手に安心感を与えることができる。一方、他者と上手く会話できない人は、相槌の使い方が下手だ。
会話下手な人は、使う相槌の種類も限られるし、そもそも、相手に気持ちよく話してもらおう、というマインドがない(気持ちの余裕もない)。だから、コミュニケーションで苦労するのだ。
今回は、相槌を効果的に打つ方法について書いてみたい。
目次
- 目次
- 相槌とは効果的に打つもの
- 相槌は「承認」である
- 打つときは聞く役割に徹する
- 相手の話を肯定する
- 相槌の種類を増やす
- おうむ返しの相槌を使う
- よくない相槌を打たない
- 無関心を伝えてはいけない
- まとめ
相槌とは効果的に打つもの
相槌とは、刀鍛冶などで、師匠が打つ「槌」に合わせて、弟子が槌を入れることだ。
弟子が槌を入れる、と書いたが、槌は打つものなので、「相槌を打つ」という使い方をする。
相槌を打つの意味だが、転じて、他人が主導する話に合わせて、何らかの肯定的なリアクションをする、という意味になる。具体的には、うなづいたり、短い言葉を発する、ということだ。
相槌は「承認」である
相槌を有効に使うことができれば、コミュニケーションにおいて有利になる。
相槌が承認になるためだ。コミュニケーション能力の高い人は、コミュニケーションにおいて、相手を上手く承認する。だから、相手は気持ちよくなって、「この人との会話は楽しい…」となるのだ。
逆に、コミュニケーション下手な人は、相手を承認できない。
このタイプの人は、相槌を上手く打てないので、話している相手は不安になったり、居心地が悪くなったりする。英語の会話であれば、「Are you with me?」と言われるだろう。
打つときは聞く役割に徹する
相槌を打つときは、聞く役割に徹する必要がある。
相槌とは、「師匠が打つ槌に合わせて、弟子が槌を入れること」と書いたが、弟子は弟子の役割を理解し、その役割を果たすことに集中するため、師匠に合わせて槌を打つことができるのだ。
もし、弟子が弟子の役割を忘れて、自分のリズムで槌を打とうとすると、相槌は上手くいかなくなるだろう。これと同じで、相手が話しているときに、自分が話したいことを考えたりすると、おざなりの相槌になる。このような相槌は、相手に見透かされてしまい、「承認」にはならない。
相手の話を肯定する
相手の話を肯定する気持ちがなければ、適切な相槌を打つことができない。
否定的な感情を持ちながら、うなづいたり、「ええ」、「そうですね」、「なるほど」などという相槌を打つことはできない。そのかわりに、「う~ん」という顔になり腕を組みたくなる(笑)。
相手の話を肯定しても、同意することにはならない。
わたしの意見は(あなたの意見とは)違いますが「そういう意見や見方もありますよね」ということで、肯定すればいいのだ。不器用な人や自尊心の低い人は、相手の話の粗を探して、「でも」と、否定してしまいがちだが、そんな態度では、相槌を打つことはできない。
相槌の種類を増やす
コミュニケーションを豊かにするために、手持ちの相槌を増やしておきたい。
YESであれば、「はい」、「ええ」、「うん」、「うんうん」、「そうですね」、などの種類がある。うなづきながら、応答が単調にならないように種類を使い分け、相槌を打つ必要がある。
相手をほめる相槌であれば、「すごいですね」、「さすがですね」、「素晴らしい」、「センスがいいですね」、「素敵ですね」、などの種類がある。相手をほめる相槌を打つと、喜んでもらえるはずだ。※相手は謙遜するかもしれないが、気分が良くなり饒舌になるだろう。
おうむ返しの相槌を使う
相手の話を繰り返す、「おうむ返し」も相槌になる。
たとえば、「1時間待ちで大変だったんだよ」に対して、「1時間も待ったんだ」と返す。
思わず、「そんなに待つ必要があったの?」とか、「待つ以外の手段はなかったの?」と聞きたくなるが、この種の返しは相槌にならない(疑問や否定などは、表に出さず引っ込めておく)。
おうむ返しをするときは、「相手の話のキーワードを入れる」、「相手の使った言葉をそのまま使う」ということが大事だ。そうすることで、相手は聞いてもらえている、という感覚を得る。
よくない相槌を打たない
相槌にもよくないものがあり、その種の相槌を打ってはいけない。
たとえば、目上の人に対し、「うん」というのはマズいだろう。「確かに」、「なるほど」という相槌にも、ややイラッとする人がいるかもしれない(リスペクトがない、と感じる人がいる)。
先に述べたように、あなたの話に興味はないけれど、儀礼上打ちました…という「おざなりの相槌」もNGだ。また、鼻息でするような「ふん」という相槌がダメなことは、言うまでもない。
無関心を伝えてはいけない
ほかにも、相手の話す意欲を削ぐよくない相槌、というものもある。
たとえば、「あぁ」、「あっそう」、「ふ~ん」、「へ~」、などの無関心を伝える相槌だ。
さらに、「ま」や「まぁ」をつけて、「ま、そうですね」、「まぁ、そうかもしれませんね」という相槌も相手の話す意欲を削いでしまう。「ま」や「まぁ」をつけられると、「自分のことを小ばかにしているのかな…」、「何か含みがあるのかな…」と感じることがあるのだ。
相手に、関心がない、小ばかにしている、ととられるような相槌はNGだ。
まとめ
今回は、相槌を効果的に打つ方法について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)相槌は承認だと理解する、2)(打つときは)聞く役割に徹する、3)相手の話を肯定する、4)相槌の種類を増やす、5)おうむ返しの相槌を使う、6)よくない相槌を打たない(無関心を伝えてはいけない)の6つだ。
会話下手な人は、相槌を打たないか、よくない相槌を打つケースが多い。前者の場合は、不必要なプライドが、相槌を打たせないようにしているのかもしれない。後者の場合も、同じようなことがある。相手や相手の話を肯定したくないので、適切な相槌を使えなくなってしまうのだ。
普通の会話では、相手を承認することが基本だ。相手が自分の意見とは違うことを話していても、相槌で承認できる人というのは、「器が大きい人」という評価を受けることになる。
今回の記事:「相槌を効果的に打つ方法6つ」