敏感すぎる人がいる。
2割程度がこのタイプの人なので、5人集まれば1人そうだ、ということになる。
5人に1人なので、それほどレアな人…というわけではない。なので、敏感すぎる人でも「自分は特別変わっている…」と悩む必要はない。
2割なのでマジョリティではないが、マイノリティの強みを活かすことで差別化できる、というチャンスもある。自分は「敏感すぎる人」だからといって、悲観する必要は全くない。
ただし、このタイプの人は、自分の特徴をよく理解することが必要になるだろう。
今回は、敏感すぎる人の心理と特徴について書いてみたい。
目次
敏感すぎる人がいる
HSPと呼ばれる「敏感すぎる人」がいる。
※HSPは、Highly Sensitive Person の頭文字をとった言葉。
だいたい全体の2割程度が、このタイプの人だとされる。
このタイプの人には、ストレスを感じたときにノルアドレナリンの分泌量が多くなる、などの生物学的な特徴がある。※ノルアドレナリンには、血圧を上昇させる働きがある。
乳幼児期からそうなので、生得的な気質ということになる。
苦痛を感じやすい
敏感すぎる人は、ストレッサーを苦痛と感じやすい。
人にストレスを与える刺激をストレッサーと呼ぶが、この刺激を苦痛と感じやすいのだ。
たとえば、車の排気ガスやタバコの煙、PM2.5(化学的ストレッサー)が少量であってもかなりの苦痛になる…という人はHSPかもしれない。満員電車の混雑など(物理的ストレッサー)が相当我慢できない…という人もそうだ。
自分の思考⇒情動(心理的ストレッサー)から精神的な苦痛を感じる、職場の人間関係(社会的ストレッサー)が普通の人以上に苦痛になる…という人も「敏感すぎる人」かもしれない。
※刺激および苦痛を感じる閾値が低いので、必然的に苦痛を感じやすくなる。
抑うつ的になりやすい
敏感すぎる人は、抑うつ的になりやすい。
抑うつ(抑鬱、抑欝、よくうつ、depression)とは、気分が落ち込んで活動を嫌っている状況であり、そのため思考、行動、感情、幸福感に影響が出ている状況のこと
出典:抑うつ - Wikipedia
苦痛を人一倍感じやすいため、そうなってしまうのだ。
たとえば、満員電車に苦痛を感じる、職場の人間関係に苦痛を感じる、ということであれば、満員電車に乗って会社に行くことのハードルが高くなってしまう。その結果、働くこと自体が嫌になる可能性がある。
感じる痛みが強いので、苦痛を感じる行動はやめよう…となりがちだ。
自尊心が低い
敏感すぎる人は、自尊心が低くなりがちだ。
どうして自分は、こんなに繊細で苦痛を感じやすく弱いのか…と思うと、自尊心は低くなるだろう。
また、苦痛を感じる行動はやめよう…となり、行動の幅が狭くなったり、行動すべきところで行動できなくなったり、行動しても苦痛からやめてしまったり…となりがちなので、成果を出すことがむずかしくなる。
さらに、このタイプの人は緊張で失敗することが多いので、思うような成果を出せない、ということもある。
そうなると、結果を出せない自分はダメだ…という気持ちになるのだ。
人から影響を受けやすい
敏感すぎる人は、人から影響を受けやすい。
その理由のひとつは、他人との境界線が薄いことだ。
境界線が薄いかないので、他人の課題(他人がすべきこと)に頭を突っ込み、自分が面倒を見て疲弊する…などということがある。自分と他者との課題の分離ができていない状態だ。
※課題の分離ではなく、課題の癒着状態にある。
また、自尊心の低さが原因で他人から影響を受ける、ということもあるだろう。自尊心が低い状態は、自分軸がないという状態なので、他人が言うこと・やることがよく見えたりする。
そして、他人との境界線が薄いこともあり、他人の影響を強く受けてしまう。特に、自分が権威だと思う人の影響を強く受けやすい。たとえば、偉い人や著名人に弱くなってしまう。
頼みを断われない
人の頼みを断れない、という特徴もある。
このタイプの人の断れない理由は、断わると相手に迷惑がかかる、相手を傷つけてしまうのでは…、断わると相手に申し訳ない…という気持ちが強く生じる、ということだ。他人との境界線が薄い・ないことが原因で、そういう気持ちになってしまう。
頼みを断われない人は、
頼まれごとを受けているうちに疲弊したり、フラストレーションが溜り爆発する…ということがある。また、頼まれたけれどできず、相手に余計迷惑がかかってしまうこともある。
※頼まれごとを受けていると、相手の要求がエスカレートし困惑することもある。
かなり緊張しやすい
緊張しやすい、という特徴もある。
人前に立つと、多くの視線を感じる。「この人は何を言うのだろう」という期待も感じる。
時には、「失敗しろ」という悪意を感じることがあるかもしれない(笑)。敏感すぎる人は、こういう刺激を認識するのが得意だし、自分で増幅するのも得意だ。その結果、緊張の水準が閾値を超え、過度な緊張につながる。
このタイプの人は、「誰かに注目されている…」と感じると、途端に緊張してしまう。普段できることでもぎこちなくなってしまったり、ミスをしてしまう…ということになりがちなのだ。
相当慎重である
敏感すぎる人は、慎重居士である。
刺激を敏感に感じ苦痛にしてしまうので、慎重にならざるを得ないのだ。
その特徴を悪く解釈すると、果敢に行動できない、リスクを取れない、優柔不断でなかなか決断できない、ということになる。よく解釈すると、無謀な行動をしない、リスクを見極めてから行動できる、ということになる。
人の特徴であり、慎重だから悪い、ということではない。
敏感すぎる人の心理と特徴 - サマリー
まとめ
今回は、敏感すぎる人の心理と特徴について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、
1)苦痛を感じやすい、2)抑うつ的になりやすい、3)自尊心が低い、4)人から影響を受けやすい、5)頼みを断われない、6)かなり緊張しやすい、7)相当慎重である、の7つだ。
あまり良い特徴がない、と思うかもしれないが、長所と短所はコインの裏表だ。
暗視スコープを(昼間ではなく)夜に使えば素晴らしい能力を発揮するように、自分の能力が活きる環境・場所で働けば、能力どおりの素晴らしいパフォーマンスを発揮できるだろう。
自分の特徴を知り、働く環境・場所を間違えないようにすることだ。
今回の記事:「敏感すぎる人の心理と特徴」