今回は、井岡と田中の歴史的な大一番を予想してみたい。
正直、このカードが実現するとは思わなかった。ボクオタにとっては(いま一番みたい)垂涎のカードで、両選手およびこのカードを実現した関係者の皆さまには頭がさがる。感謝しかない。
日本人対決では、歴史的に見ても至高の対決としていい。
※敬称は略します。
目次
両選手の評価は
まず、両選手の評価だが、
リング誌では、井岡がJバンタムの4位(1位:エストラーダ、2位:シーサケット、3位:ロマゴン)、田中がフライの1位になっている。
BoxRec のレーティングでは、井岡が74位、田中が96位である。
WBNのPFPでは、井岡が16位、田中が14位に入っている。※田中は、23歳以下のPFP1位に選ばれたこともある。
両選手の外部評価は、拮抗している、としていいだろう。
戦績を比較してみる
BoxRec の記録をもとに比較してみよう。
試合前までの戦績は、井岡が25勝2敗、KO率56%。田中が15勝無敗、KO率60%だ。この戦績からは相手の強さが見えないので、相手の強さを数値化して加味し、一試合当たりのポイントを出してみると、井岡が「3.5」で田中が「3.3」になる。
※ポイントは独自の計算。数値が高い方がいい。
この結果から、現時点では(戦績的には)井岡がやや上である、とできる。
井岡選手は、「格・レベルの違いを見せたい」という発言をしているが、定量的な根拠があり、虚勢を張っている、ということではないようだ。
井岡は安定・完成度が高い
井岡は完成度の高い選手で、弱点らしい弱点がない。
しっかりした構えから、左のジャブやボディーがスムーズに出る(左の使い方が上手い)。
左から右に繋ぐコンビネーションも上手だ。ストレート、フック、アッパー、何でも高いレベルで使いこなす。パンチの選択や組み合わせにも<そつ>がない。
足や手数、高い防御技術もあり、この選手を崩すのは大変だと思う。
※どんな環境でも、安定した<ちから>を出す選手だ。
田中は強くなっている
田中については、3年前にこの記事を書いた。
※この記事で田口に勝つと予想したが、当たった。今年中に実力に知名度がついてくる、とした点は、当たっていない。
前回のトロハツ戦では、田中は以前より強くなっている、と感じた。
細かい動きやスピード、キレとパワーがすごかった。最後は、腕を変えながらアッパーのトリプルで相手を沈めてしまった。練習ではできても、試合ではできないレベルのコンビネーションだ。
このトリプルを簡単にやってしまう田中は、ボクシングセンスが図抜けているのだろう。
井岡が勝つパターンは
井岡が勝つパターンは、「判定勝ち」だ。
被弾を最小限にして、コツコツとパンチを当てていく。
※パワーパンチのクリーンヒットを許さないことが、マストになる。
田中はハイガードではなく、(攻撃を優先し)動きやパーリングで防御する選手なので、井岡のジャブはある程度当たると思う。このジャブを突破口にして、ポイントを重ねる。
田中選手に伸ばす軸を自分から変え、角度を細かく変化させることで、田中選手の打ち気をいなし、主導権を取りに行く。
常に田中選手の攻撃・反撃に留意し、クリンチを効果的に使う。
田中選手のパワーとスピードを上手にいなすか封じながら、持ち前の精度で、コツコツと有効打を積み重ねていく。手数的には、田中選手を上回らなければいけない。
そうすれば、「判定勝ち」が見えてくる。
田中が勝つパターンは
田中が勝つパターンは、「KO(TKO)勝ち」、「判定勝ち」の両方ある。
井岡を上回るスピードとパワーで、初回から主導権を握る。
井岡選手は前傾で入ってくるので、アッパーを見せて牽制し(もちろん当ててもいい)。容易に手が出ないようにする。井岡選手のジャブに右を合わせるとか、ボディに対するカウンターを用意しておくとおもしろい。
※田中選手のアッパーが鍵になるかもしれない。アムナットが井岡を攻略した際は、アッパーが鍵になった。アムナットがしたように、いきなり右のアッパーを打ってもおもしろい。
ボクシング選手の予想は
ボクシング(元)選手の予想は、
井岡勝利・優勢:畑山、京口、小國、長濱
田中勝利・優勢:渡嘉敷、竹原、細川バレンタイン、
※敬称略。動画でチェックできた限り。
プロの評価も分かれている。要するに、実力伯仲ということだ。
わたしの予想は
わたしの予想は、田中選手の「判定勝ち」だ。
スピードとパワーで上回る田中選手が、初回から主導権を握り、押し切ると予想する。
今回の階級が田中選手の適正階級であることと、全盛期に入る勢い、近年の実力の伸びを考慮すると、「KO(TKO)勝ち」があるかもしれない。いずれにしても、田中選手の勝ちと予想する。
答え合わせは、大晦日だ。