コミュニケーション下手な人は、相手に理不尽なことを言われても反論できません。
反論する技術を持っていないため、上手く反論できないのです。
そんなときは、感情的に(反射的に)反発するか、(何言ってんのこの人…と思いつつ)反論することなく不機嫌になって黙り込んでしまうか…だいたいこの二通りだと思います。
そもそも、最後まで相手の話を聞いて、冷静に反論できるのであれば、コミュニケーション下手な人ではありませんね。今回は、反論する技術(反論の仕方)について書いてみます。
目次
反論の仕方を頭に入れておく
口下手な人の場合は、反論の仕方を身につけておく必要があります。
コミュニケーション下手な人の場合、相手に上手く言い返すことができず、相手の筋違いの議論に乗せられることがあります。そんなときは、あとで「しまった…」と思います(笑)。
なので、このタイプの人は、反論の仕方をあらかじめ頭に入れておきましょう(反論する技術を身につける、ということです)。
利害が衝突する議論の場(会社であれば会議)で役に立つと思います。また、友達や恋人、家族との言い争い(?)でも役に立つかもしれませんね(笑)。反論の仕方を頭に入れておけば(反論の技術を身につけておけば)、どんなシチュエーションでも使えるようになります。
反論の仕方がある
論理の飛躍があるのでは?
これは、「論理の飛躍」を指摘する方法です。
何か理屈がおかしいな…と思ったら、このパターンです。
話がA ⇒ B ⇒ C(結論)と流れて行くのであれば、自然に納得できると思います。
そこには、段階的で合理的な論理構成があります。しかし、A ⇒ B ⇒ F(結論)であれば、どうでしょうか?C,D,Eが抜けているため、「論理の飛躍がある」と考えられます。
※不自然に感じるときは、論理の飛躍を疑いましょう。
もう少し丁寧に説明してほしい
そこで、「論理の飛躍があるのでは?」と指摘します。
B ⇒ F(結論)までの過程を「もう少し丁寧に説明してほしい」と主張できるわけです。論理の飛躍に留まらず、「こじつけ」のようなこともありますが、こじつけであれば、その指摘により論理が破たんします。※A ⇒ B ⇒ Cなのか、A ⇒ B ⇒ Fなのか、見極めが大事になります。
全体を考えれば些末な議論では?
全体を考えれば、「些末な議論ではないか?」と反論する方法もあります。
もちろん、このような直接的な言い方をしてはいけません。そう言うと反感をもたれるだけですから(笑)。議論というのは、本質から外れて些末な部分に入り込んでしまうことがあります。
発言者が意図的に本質から外れることもありますね。これは発言者が、自分の話しやすいことを話す、という場合に起こりがちです。※分が悪くなると、枝葉へ逃げ込むことがあります。
より重要な問題があるのでは?
そのような場合には、相手の話に理解を示した上で、「より重要な問題があるのではないか?」と、相手に軌道修正を求めることができます。相手の話に理解を示す、ということが、クッションの役割を果たします。そうすることで、無用なヒートアップを避けることができます。
その話もわかるけれど、より重要な問題があるのでは…ということですね。
都合の良い情報だけを利用していないか?
これは、「都合の良い情報だけを利用しているのでは…」という突っ込みですね。
自分の主張に都合の良い情報のみを根拠として採用する。これはよくあることです。たとえば、「〇〇は体にいい」という主張をしたければ、それに沿う情報だけを採用します。
※研究者でも、こういうことがあるようです。
本当にその情報に客観性があるのか、(このケースに)その情報を使うことが適切なのか…は、よく吟味されなければいけません。※話を有利に進めるため、意図的に行うこともあります。
別の可能性もあるのでは?
また、ほかの相反する情報によって、相手の話の根拠が崩れる可能性もあります。
仮にそのような情報をそのとき持っていなくても、その可能性を示唆することは可能です。
※「別の可能性もあるのでは?」という指摘をすればいいのです。
ひとつの事例を一般化しているのでは?
「ひとつの事例を一般化しているのでは?」と、反論することもできます。
身近にいるBさんが、大学を中退して事業を起こし成功した。だから、Cさんが大学を中退して事業を起こすことに賛成だ、というような話です。根底には、Bさんが成功したから、Cさんも成功するんじゃないか…という安易な思い込み(一般化)のようなものがあります。
この話では、大学を中退して事業を起こした人数がどれぐらいで、その内成功したのはどれぐらいで…という話がありません。また、大学を卒業して事業を起こした人数がどれぐらいで、その内成功したのはどれぐらいで…という比較の話もありません。※データの有無は別の話です。
一般化するには無理があるでしょ
ひとつの例を挙げましたが、このような話はいくらでもあります。
なので、それに気がついた場合は、「ひとつの事例を一般化しているのではないか?」と反論できるわけです。一般化するには、データや根拠が足りないでしょ…とすればいいのです。
※個人的な1つの体験を一般化する人に対し、反論することができます。
反論する技術 - サマリー
まとめ
今回は、反論する技術(反論の仕方)について書きました。
今回の記事で書いたのは、1)論理の飛躍がある、2)全体を考えれば些末な議論だ、3)都合の良い情報だけを利用している、4)ひとつの事例を一般化している、と指摘して反論する、という技術です。
コミュニケーション下手な人は、反論する技術を持っておらず、反論できません。
相手におかしなことを言われて、感情的になってまくしたてたり、不機嫌になって黙り込んでしまっては、コミュ力が低く、仕事のできない「残念な人」になってしまいます。
相手の話を冷静に聞きながら、反論できるポイントを探りましょう。
たとえば、3番目の「都合の良い情報だけを利用している」ということは、よくあることです。あなたも「自分の主張を通したい」と思うときは、そういうことがあると思います。
なので相手の言い分に流されるのではなく、「別の情報もあるのでは?」、「別の可能性もあるのでは?」と考えてみることが大事になります。
立場上、反論できない場合でも…
立場上、反論できない場合もあるかと思います。
でも、(仮に反論できなくても)そのような思考回路を持つことは大事なことだと思います。人の話を聞きながら、反論できるポイントをおさえるクセをつければいいでしょう。
そうすれば、パートナーにも言い返せるようになります(笑)。
行動メモ:
反論の仕方を身につけておく。
そうしないと、自分の主張を通すことはできない。
具体的には、1)論理の飛躍がある、2)重要性の低い議論だ、3)都合の良い情報だけが主張の根拠になっている、4)個人的なひとつの事例を一般化している、と反論すればいい。
ただし、反論する前に「相手を承認する」というクッションを入れたい。面倒でも「あなたの話はわかります」、「あなたの話には一理あります」などとして、相手の話に理解を示す。
そうすれば、冷静な議論になり、反論が相手に受け入れられやすくなる。
今回の記事:「反論する技術|すぐに使える反論の仕方4つ」