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良い記事の書き方 - まずは上手に情報を集める

良い記事の書き方と聞いたとき、何を連想するだろうか。

伝えたいことの整理、内容の優先順位付け、タイトル、目次、構成、5W1H、文章に変化をつけること、修正作業などについてだろうか。もちろんこれらは大事なことだが、良い記事を書くためにはまず、情報を上手く収集しなければいけない。

今回は、良い記事を書くために必要な「情報の集め方」について書いてみたい。

更新日:2018年9月21日

目次

情報収集が必須になる 

良い記事を書くためには、情報の収集が必須になる。

手元にベストセラーになったビジネス書がある。この本の参考文献をみると、21冊の本がリストされている。約300ページの本だから、(著者は)14.3ページ書くのに1冊の本を読んだことになる。間接的に参考にした書籍も含めると、もっと多くなるだろう。

これは遊びで出した数字だが、当たらずも遠からずだ。

ブログの記事を書くときも、それぐらいのインプットは必要になる。つまり、良い記事を書くためには、(前段として)かなりの情報を収集する必要がある、ということだ。

多方面から多様な情報を集める

良い記事を書くためには、多方面から多様な情報を集めることが必要だ。

わたしは、よく本を3~4冊同時読みをする。

違う筆者のもので、ジャンルもバラバラだ。同時読みの目的は、1)多方面から多様な情報を集める、2)常識(定説)を知る、3)相乗効果を得る、ということだ。

1)は言葉どおりだが、2)の意味は、たとえば、違う筆者で違うジャンルの本でも、同じようなことを示唆している場合がある。全く違う本でも、矢印が同じ方向を向いていることがある。

シンプルな例では、「○○は有益だ」とするものだ。

常識らしきものがわかる

そんなとき、この示唆は有益な常識(定説)ではないか…と考えることができる。

もちろん、それが本当に有益な常識なのかどうかはわからないが、比較的その可能性が高い…と考えてもいいと思う。本当に有益な常識(定説)なのかどうかは、主張の根拠をよく精査して判断する必要があるが、実際には根拠を自分で精査できない場合がよくある。

そんなときに2)は、大まかな判断として役に立つのだ。

※3)の説明は省略する。

単純(または極端)な情報は無視する

記事を書くときは、単純すぎる情報や極端な情報は無視したい。

情報の発信者が意図してエッジを立てたり、センセーショナルな効果を期待して、情報を単純化・先鋭化することがある。

たとえば、「○○を食べれば、××が治る」という類のものだ。ブログでいえば、「SEOの○○をすれば、PVがこれまでの××倍になる!」というようなものだ。

この種の情報を耳にすると、直感的に「胡散臭い」と思うはずだが、メッセージがシンプルで強力なだけに、意識せずとも頭に残ることがある。なので、この種の情報は機械的に排除する。

凝縮 ⇒ シンプルは有益

ただし、シンプルな情報が有益な場合もある。発信者が大量の情報を削ぎ落して(不誠実な意図を持たず)シンプルに凝縮したのであれば、そのシンプルな情報には価値がある。

あえてマイナスの情報を集める

記事を書くために情報を集めるときは、カラーバス効果に注意したい。

カラーバスは「色を浴びる」の意。 意識していることほど関係する情報が自分のところに舞い込んでくるようになるといったものである。例えば、「今日のラッキーカラーは赤」といわれると、街でその色ばかりに目が行くなども、カラーバス効果である。
出典:Wikipedia

たとえば、この情報が正しいと思っていると、その情報を肯定する情報ばかりを、無意識に集めてしまうことがあるのだ。また、自分の立ち位置を早々に決めてしまうと、(その後に入る)都合の悪い情報を軽く考えたり、スルーしてしまうケースもある。

なので、「この情報は本当に正しいのか?」と疑う視点を常に持ちながら、自分の立ち位置をフラットにしておく必要がある。自分の心証が固まり、立ち位置が決まっても、(結論を出す前に)あえてマイナスの情報を集め、フェアに再評価すべきだ。これは浅慮を防ぐ知恵でもある。

記事を出す前にひとり反証をしてみる

記事を書くときは、内容について反証してみればいい。

iPS細胞を見つけた山中さんは「iPS細胞があった!?…本当にiPS細胞なの?見間違い?」と思い、「あった」という印象を疑ってかかり、逆に「iPS細胞の存在」を覆す証明をしようとしてみました。
出典:イライラしない秘訣はあるのか?心穏やかに過ごそう

iPS細胞を見つけた山中教授は、その存在を疑い、iPS細胞の存在を覆す証明をしようとしたそうだ。

自分の発見であれば、他者からの反証に耐えられるように(事前に)自分で反証するのは、ある意味当たり前のことだ。この姿勢を普段の情報収集のレベルでも、持っておきたい。

その結果、自分の考えが変わり記事の内容が変わることになっても、何ら問題はない。私もこれはダメだな…と思うと、拘らずバッサリ削除する。間違いは早く見つけた方がいいのだ。

※この行動が、良い記事を書くことにつながる。

発信者は受信者に対し誠実なのか…

たとえば、「ステマ」が社会的な問題になることがある。

影響力のあるブロガーが、何らかの企業や組織から報酬を得ていることを明示せずに、あたかもただの第三者であるかのように偽装して、特定の企業や製品について高い評価を行うこと。
出典:ステルスマーケティング - Wikipedia

影響力のあるブロガーが、あたかも第三者のふりをして、特定の商品に対し高い評価を行うことは、ステマにあたる。ステマは、企業などが行うマーケティングの手法ではあるが…なぜステマがダメなのかというと、情報の発信者が受信者に対して不誠実だからだ。

不誠実な人が発信する情報を、鵜呑みにするわけにはいかない。

これはごく当たり前の感覚だと思う。何か不自然だな…という情報は、機械的に排除していい。

その種の情報に乗っかって記事を書くと失敗する(良い記事にはならない)。情報の発信者は心の中でどこを向いているのか…と考えれば、おのずとこちらに対し誠実かどうかわかるだろう。

感情に訴える情報は冷静に受け取る

感情に訴える情報は、感情的にならず、冷静に受け取った方がいい。

手慣れた情報の発信者は、受信者の感情に訴える術をよく知っている。

たとえば、メディアから流れてくる広告映像をみて、これは「かわいそうだ」、「なんとかしたい」、「自分が動かなければ」と思ったことはないだろうか。それは、その情報があなたの琴線に触れ、感情が多少なりとも動いた…ということを意味する。

もちろん、感情を否定するわけではなく、そんな感情になってもいいのだが…

その情報の発信者が、受信者の感情に訴えることで受信者の行動を促そうとしている…ということは知っておきたい。そんなときは、逆に冷静に考える必要があるのだ。

問いを常に持つ

自分の思考の中に、「問い」を常に持ちたい。

上でも少し述べたが、この情報は本当に正しいのか?と疑う視点を常に持ちながら、情報と対峙すべきだ。早々に自分の立ち位置を固定してはいけない。そして「問い」を常に持つことだ。

ちなみに、「問い」というのは、わかっていないから生まれるのではなく、ある程度わかっているから生まれるものだ。あなたは、どこがわからないのかわからない…という経験をしたことがないだろうか?それは、全くわかっていないからだ。

未解決の問題は留めておく

なので、いろいろなことに対し興味を持って、普段からインプットを心がけることが大事だ。「あれ?」と思ったら、調べてみよう。疑問を持ったり、違和感を感じたら調べてみよう。

その場で解決できない問題があれば、頭の片隅に留めておこう。そして、いつでもその問題と新たな(関連のありそうな)インプットと、突き合わせることができるようにしておこう。

※そうすることで、良い記事が書けるようになる。

 

良い記事の書き方 - サマリー

まとめ

今回は、良い記事を書くために必要になる「情報の集め方」について書いた。

まずは、多方面から多様な情報を集めることだ。わたしの場合は、違う筆者の違うジャンルの本を3~4冊同時読みをして情報を集めている。大事な部分は記録して、後から何度も見直すようにしている。そうやって、大事な部分を頭に定着させるのだ。

※そうすれば、記事を書くときにそのことを上手く反映できるようになる。

情報を集める際にはまず、単純(または極端)な情報は無視する。○○を食べれば、××が治る…というものや、ブログでいえば、SEOの○○をすれば、PVがこれまでの××倍になる!というようなものだ。直感的に単純(極端)すぎて「胡散臭い」と思う情報は頭から排除していい。

さらに、情報の発信者は受信者に対し誠実なのか、を問い、そうでなければ、その情報を捨てることだ。不誠実な情報の発信者の情報を、有益だと考える合理的な理由は見当たらない。また、感情に訴える情報は、冷静に受け取りたい。感情だけに頼る判断は、危険ですらある

確証バイアスに注意する

また、この情報が正しいと思っていると、その情報を肯定する情報ばかりを、無意識に集めてしまうことがある(確証バイアス)。なので、この情報は本当に正しいのか?と疑う視点を常に持ちながら、自分の立ち位置をフラットにしておきたい。

自分の心証が固まり、立ち位置が決まっても、(結論を出す前に)あえてマイナスの情報を集め、フェアに再評価する。このプロセスは、あなたが出す結論を鍛え、浅慮を防ぐことに役立つ。

最後に、いろいろなことに対し興味を持って、普段からインプットを心がけることが大事だ。

少しでも「あれ?」と思ったら、考えたり調べてみよう。疑問を持ったり、違和感を感じたら、考えたり調べてみよう。未解決の疑問や問題は、いつでも新たな情報と突き合わせることができるように、頭の片隅に留めておく。こうした「見えにくい努力」が、記事の質に直結するのだ。

今回の記事:「良い記事の書き方 - まずは上手に情報を集める」