学校や職場などで、自分の能力を発揮できない…という人がいると思う。
自分の能力を思うように発揮できず、「自分の能力はこんなものではない」と思いながら、「もしかすると、自分は無能ではないか」、「自分の能力が低すぎるのではないか…」と感じることもあるだろう。
この場合の原因は、ボトルネックだ。それをなんとかすることで、このみじめな状況から抜け出せるだろう。自分の能力が低すぎる…と思う人は、ボトルネックをなんとかすればいいのだ。
目次
ボトルネックが能力を低める
ボトルネックの意味は
ボトルネックの意味だが、文字通り「ビンの首」のことだ。
ビンの首がキュッと細ければ、中に入っている水は少しずつしか出ず、首が太ければ、一気にドクドクと出る。そのことから、ボトルネックは、「制約の概念」を表す言葉として用いられる。
※中身が素晴らしくても、制約を受けてしまいパフォーマンスが落ちてしまう。
監督の能力を超えない
スポーツで、チーム力は監督の能力を超えない…というフレーズを聞いたことがある。
それは、監督の能力が「ボトルネック」になるからだ。
選手の育成~起用・采配~人事まで、合理的に最適化すれば、チーム力は上がる。
しかし、監督の能力が低ければ、監督の能力が「ボトルネック」となり、(最適化がうまく行かず)チーム力は監督の能力まで落ちるのだ。チーム力がそれ以上あっても、そうなってしまう…。
この「ビンの首」の話を、個人のレベルで考えてみよう。
どんなに素晴らしい準備をしても…
どんなに素晴らしい準備をしても意味がない、ということがある。
たとえば、社内の会議の前にそのテーマに関する情報を集め、資料を読み込んで深く思考&洞察し、優れた知見を得たとしよう。しかし、肝心の会議で気後れし発言できなかった…。
あるいは、デートの前に、会話から行く場所(お店など)まで完璧なシミュレーションをして、本番のデートに臨んだが、緊張してまともに相手の女性と会話ができず、途中でデートを切り上げるはめになった…。
どちらのケースも、コミュニケーション能力がボトルネックになっている。
自分の評価が地に落ちる…
周囲の評価というのは、ボトルネックを通したアウトプットによりなされる。
なので、どちらの例の人も、他者からの評価はゼロに近い。
つまり、ボトルネックの部分をなんとかしない限り、それ以外の部分でいくら頑張っても(優れていても)、意味がない…ということになる。ボトルネックを通る前段階で評価してくれる人がいればいいが、そんな人はほとんどいない。
高学歴のワーキングプアが問題になることがあるが、能力があるのになぜかパッとしない…という人は、ある意味深刻なボトルネックを抱えていることが多いのではないか…と想像できる。
自分のボトルネックを知る
まずは、自分のボトルネックを知ることが大事だ。
これは、自分が失敗した場面を思い返してみれば、わかるだろう。
※自分の能力が低すぎる…と感じたシーンを思い出してみよう。
上述の例ではコミュニケーション能力だったが、情報収集能力であったり、思考や洞察する能力、記憶力、注意力、臨機応変に対応する能力など、ボトルネックは人によって多様だ。まずは、それを特定することだ。欠点とほぼイコールなので、自分でなんとなくわかっている場合も多い。
※不器用な人の場合は、コミュニケーション能力だ…という人が多いと思う。
能力が低すぎる…から反転攻勢へ
リソースの配分を変える
これは、極端に狭い首の部分を広げよう…というアプローチだ。
たとえば、前述のデートの例だと、デートの前に、会話から行く場所(お店など)まで完璧なシミュレーションをしている。それ以前にも、その女性とデートの約束を取りつけるために、かなりのリソースを消費しているだろう。
そういう(現時点では)無駄なリソースの消費分を、ネックを広げることに使おうということだ。
リソースの無駄遣いをやめる
たとえば、女性と話すのが苦手だ…ということであれば、
そこを改善しない限り、何度同じ努力をしても、リソースの無駄遣いになるだろう。※完璧なシミュレーションをしたところで、ボトルネックの負の影響が強く無駄になってしまうだろう。
女性との話し方教室に通うなり、緊張する場面でリラックスする手法を学ぶなり、現時点で最も狭いネック(障害になっているもの)を広げることに、リソースを集中的に使った方がいい。
※あの<投資の神様>バフェットも、人前で話すことが大の苦手だった。だが、自分の可能性をひろげるためには、この苦手を克服する必要があると考え、コミュニケーションの講座に通った。
ネックが広がれば、持ち前のシミュレーション能力などが生きてくる。
失敗から学ぶ姿勢を強くする
失敗するということは、何かを学ぶときの定番の方法だ。
何度も繰り返す失敗の中に、ボトルネックが潜んでいる可能性がかなりある。失敗して、「自分の能力が低すぎる…」と感じるときは、ボトルネックを特定するチャンスでもあるのだ。
しかし、人によって「学び」の温度差がかなりある。
失敗の原因を特定して、対策を講じる人がいれば、「まぁいいか…」で済ませて、同じような失敗を繰り返す人がいる。後者の人は、失敗しても学びが不十分なため、自己改善のスピードが遅くなり、まわりからの「低評価」が固定してしまう恐れがある。※学ばない人とされる。
低評価になると覆せない
そして、まわりから一度でも「無能」のレッテルをはられてしまうと、
それを覆すのがむずかしくなる。特に会社のような組織ではそうだ。今はスピードが求められる時代なので、まわりが成長を待ってくれないのだ。※まわりは、同じような失敗を何度も許してくれない。
なので、一度の失敗から大きく学ばなければいけない。
ボトルネックを回避する
ボトルネックを回避する、という手段もある。
もしそうすることができれば、手っ取り早く自分のパフォーマンスを上げることができる。極端に狭いビンの首を介さなければ、中身が何の問題もなくスムーズに出る…ということだ。
たとえば、話すのが苦手なら書く、書くのが苦手なら話す、臨機応変に対応することができなければ、何が起こるかわからない現場ではなく、後方から支援する…という具合に、ボトルネックを回避するのだ。
他者との役割分担で回避する
また、他者との役割分担で、回避することもできるだろう。
アップル創業時のジョブズとウォズニアックのコンビ(正反対の二人)は、その例に該当するのではないか。相互補完の関係で他者とチームを組むことができれば、それぞれのボトルネックを回避できるだろう。
これは、上手くいっている夫婦関係にもよくみられることである。
自分の能力が低すぎる - サマリー
まとめ
自分のボトルネックをなんとかした方がいい。
そのボトルネックを通して出た水の量(「質」もあるがこの話は置いておく)で評価を受けるからだ。ボトルの中にどんなにおいしい水が入っていても、ほとんど出なければ評価されない。
つまり、自分の「極端に狭いビンの首」をなんとかしない限り、それ以外の部分でいくら頑張っても(優れていても)、意味が薄くなってしまうのだ。※折角の自分の良さが活きなくなる。
まずは、自分のボトルネックを知ることが大事だ。
※自分の能力が低すぎる…と感じたときは、それを知るチャンスだ。
それは人によって多様だ。コミュニケーション能力をはじめ、情報収集能力であったり、思考や洞察する能力、記憶力、注意力、臨機応変に対応する能力など…どの部分に大きな凹みがあるのかを知ることだ。
ボトルネックは自分の欠点とリンクしているので、自分でなんとなくわかっている場合が多いだろう。さらに進んで(こじらせて)、劣等コンプレックスと化している場合もある。
行動メモ:
投下するリソースの配分を変えて狭いネックを広げる。
たとえば、人前で話す能力が自分のボトルネックだ…ということであれば、話し方教室に通うなり、リラックスする手法を学ぶことに自分のリソース(時間とお金など)を集中投下したい。
実践における失敗から学ぶ姿勢を強くする。
失敗から十分学べなければ、自己改善のスピードが遅くなり、まわりからの「低評価」が定着してしまう。さらに進んで「無能」のレッテルをはられてしまうと、それを覆すのが難しくなる。
ゆえに、一度の失敗から大きく学ぶ。※そうするために、失敗から学ぶ姿勢を強くする。
ボトルネックを回避する、という方法もある。「極端に狭いビンの首」を回避することができれば、手っ取り早く自分のパフォーマンスを上げることができる。なので、時間的な余裕がない場合などは、この方法が有効だ。相互補完の関係でチームを組むことができれば理想的だ。
今回の記事:「自分の能力が低すぎる…ボトルネックをなんとかする」