あなたはしないことを決めているだろうか。
することがプラスのアプローチならば、しないことはマイナスからのアプローチになる。
部屋の整理整頓で言えば、不必要なものを捨てスペースを確保する、ということに相当し、家計の収支で言えば、無駄遣いをやめて無駄な支出をカットする、ということになる。
つまり、マイナス面を見直し、ダウンサイドをカットしよう、という(マイナスからの)アプローチになるのだ。今回は、しないことで道が開ける、ということを書いてみたい。
目次
とにかく続かない
やり始めても続かない
何かをやりはじめても、なかなか続かない(汗)。三日坊主で終わってしまうのだ。
これは、多くの人が経験していることではないだろうか。
このブログは幸いなことに三か月以上続いているが、(書くことをやめようとは思わないが)記事を書く頻度を下げようかな…と思うことはある。また、書き続けることは難しい…とも思う。
※追記:3年以上続いている。
サボりたくなる
「21日間続ければそれは習慣になる」という格言(?)を聞きました。それを信じて、英語の勉強を21日間続けたのですが、習慣化したという感じがしません。正直に言えば、今日もサボりたい気持ちでいっぱいです。私はよほど意志が弱いのでしょうか……?
出典:本気で何かを習慣化したい人がすべき、たった2つのこと
サボりたい気持ちがわく、というのはよくわかる(笑)。
わたしは仕事の合間に休憩をとって、「動画をみながら体操をする」という習慣を取り入れようとしたことがある。だが、しばらく(数週間)は続いたのだが、いつの間にかやらなくなってしまった。
体操が習慣として定着する前にやめてしまった…ということになるかと思う。
続ける理由があっても続かない
この場合、「健康のため」というしっかりした動機はあるし、体操はダイエットのように苦痛を伴うことではない。
時間にすれば、たかだか数分程度のことだし、体操をすることが嫌いなわけでもないのに、なぜか続かないのだ。この程度のことも続かないのか…と思ってしまう。
※ただし、体操をすることが好きかといえば、特に好きではない。自分から体操を「やりたい」という気持ちにはならない。
いいことでも続けることは、容易なことではないようだ。
なぜ続かないのか
ではなぜ、三日坊主になってしまうのだろうか?
たとえば、ウォーキングであれば、天気が悪い日に休んだことがきっかけで、ズルズルと休みがちになり、やめてしまう…ということがあると思う。
ダイエットであれば、仲間と(飲み会などで)ハメを外して飲食をしたことがきっかけで、「もういいや」という気分になり、やめてしまう…ということがあると思う。
外的な要因がきっかけに…
どちらのケースも「外的要因」がきっかけだが、その外的要因がモチベーションなどの「内的要因」に作用(浸食)し、やめてしまうのだ。もともと「やめたい…」という気持ちがどこかにあって、(外的要因をきっかけにして)それに火がついた…ということなのかもしれない。
体操が続かなかったのも…
体操が三日坊主で終わったケースも、きっかけは「外的要因」かもしれない。
思い返してみると、たまたまかなり忙しい日があったのだ。そのときは、5分、10分でも惜しい…という気持ちがあったので、(仕事や予定を優先して)体操をスキップしたのだ。
その日をきっかけに、体操をやらなくなったような気がする。若干「めんどうだな」という気持ちがどこかにあって、その気持ちが(スキップしたことをきっかけに)優勢になった…ということなのだろう。
要するに、初期段階での続かない原因というのは、「内的要因」なのだ。※後述するが、習慣として定着するまでは、この「内的要因」が非常に大事になる(三日坊主を克服する鍵になる)。
しないことを決める
意志の力は限られている
人の意志の力が有限だ、ということをご存じだろうか?
なので、枯渇することがある。
もちろん、内的要因である「意志の力」に頼らない仕組みを上手く作れば、続けることができるのかもしれない。しかし、何かをはじめるときには(習慣になるまで続けるときもそうだが)、意志の力がどうしても必要になるものだ。
ガソリン車はスタート時に一番ガソリンを食うというが、それと同じだ。ガソリンを使うことなく、いきなり安定走行はできないのだ。
※意志の力≒モチベーションと考えると、わかりやすいかもしれない。
意志の力を有効に使うためには…
では、意志の力を有効に使うためには、どうすればいいのだろうか。
新たにはじめたことを習慣(安定走行)までもっていくためには、内的要因である「意志の力」が必要だ。
なので、この限られたリソースを無駄にせず、十分に活用できるような環境を作ることが重要になる。そのためには、しないこと、やらないことを先に決めて、実行した方がいいのだ。
集中するしかない
意志の力をガソリンとしよう。ガソリンの総量は決まっている。
もし、車をたくさん保有していて、それぞれをチョコチョコ走らせていると、ガソリンの総量がどんどん減っていく。その結果、大事な車にガソリンを十分使えない…という事態が発生する。この事態を避けるためには、思い切って保有する車の台数を減らすことが必要なのだ。
しないことを決める
つまり、しないこと、やらないことを決めて実行することが必要なのだ。
・テレビを見てぼーっと過ごす時間=1時間×365日=365時間=15日
・同僚と飲みに行って愚痴をこぼす時間=3時間×月3回×12ヶ月=108時間=4日
・電車の中でぼーっと過ごす時間=30分×往復×200日=200時間=8日
・朝フトンの中でうだうだしている時間=15分×365日=4日
・目的もなくネットサーフィンで過ぎていく時間=30分×200日=100時間=4日
出典:お金持ちはテレビを見ない?(前編) [資産運用] All About
個人的には、最後の「目的もなくネットサーフィンで過ぎていく時間」を減らしたいが…
上記のようなぼーっと過ごす時間に意志の力を使っているかどうか、ということは別にして、何かを新しくはじめるときは、何かをやめましょう…ということだ。悪い習慣を良い習慣に「置き換える」としてもいいだろう。
しないことを決めておけば…
つまり…あらかじめしないこと、やらないことを決めて実行しておけば、「意志の力」を無駄に消費することがなくなる。
なので、新しいことを始めても(そこに意志の力を十分投入することができるので)続きやすいのはないか?ということだ。意志の力を有効に利用することで、三日坊主を克服できるのだ。
無駄な努力をしない
最近わたしが注意しているのは、「無駄な努力をしない」ということだ。
無駄な努力をすると、時間を消費するが思うような結果が出ない…ということになる。
その努力が無駄かどうか、という判別は(ことの最中では)とてもむずかしいのだが、そういう意識を持つだけでも、データの解釈やとり方が変わったり、学習や試行錯誤の方法が変わったり…ということがあるので、無駄ではない。このことは、成果につながるアプローチになるのだ。
しないことを決める - サマリー
まとめ
今回は、「しないことを決める」という話をしてみた。
何かをやりはじめても、「なかなか続かない」という困った現象がある。それを続けて習慣にすれば、自分にとってプラスになることはわかっているのだが、続かないのだ。
なぜ続かないのか?をよく考えてみると、モチベーションなどの「内的要因」が原因になっていることがわかる。やめるきっかけは「外的要因」なのだが、原因は「内的要因」なのだ。
人が何かを新たにはじめるときには、「意志の力」が必要だ。特に、やりはじめてからそれが習慣になるまでの間には、その力が必要なのだ(安定飛行に入るまでは意志の力が必要)。
しないことを決める
だが、人の意志の力というのは、有限であることがわかっている。
したがって、その限られたリソースを十分に活用できる環境を作ることが重要になるが、それには(何かをはじめる前に)しないこと、やらないことを決めて実行する、ということが必要だ。
※「置き換える」としてもいい。
スティーブ・ジョブズは、最も重要な決定は、「何をするか」ではなく、「何をしないかを決めること」だと考えていたという。ぜひ、何かを新たにはじめようと決断したときは、やめることを決める(裏の)「決断」もした方がいい。そうすれば、おのずと道が開けるだろう。
今回の記事:「しないことを決めることで道が開ける」