不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

堀江貴文さんの「ゼロ」を要約して示唆を得る

堀江貴文さんの本「ゼロ」を読んだ感想の続きです。

※この本の内容を要約して示唆を引き出します。

前回は、1)お金は稼ぐもの、2)仕事を好きになる方法がある、3)遠くを見ないことが大事、ということについて書いた。それぞれを簡単に説明すると、仕事の時間を「我慢の時間」にするのは間違い、好きになるためには没頭が必要、今日を全力疾走する、ということだ。

前回の記事:ホリエモン曰く「没頭が好きの前にある」

堀江貴文さんの本「ゼロ」を読んだ感想は、今回で終了です。

目次

信用で時間を買うことができる

堀江さんは、「お金とは何か?」という問いに対し、

「お金とは信用を数値化したものである」と答えるそうだ。紙のお札(日本銀行券)になぜ価値があるのかというと、国や日銀への「信用」があるからだとしている。

信用があれば、融資を受けることができる。融資を受けることができれば、それを元手に起業することができる。起業資金をコツコツ貯めて起業するよりも、時間的に短くて済む(時間を節約することができる)。これが、信用で時間を買うことができる、という意味だ。

時間を買えばいい

わたしの記憶では、堀江さんは「企業買収=時間を買うこと」と発言していたように思う。

信用で得た融資を元にして企業買収を行えば、時間を買うことになるだろう。※優良企業を安価で買えば、(人材やノウハウがあるので)さらに大きく時間を買うことができる。

お金で信用は買えない

一方で、お金で信用を買うことは難しい、としている。

これは当然のことだ。信用の醸成には、時間がかかるからだ。信用というのは、崩れるのは一瞬だが、築くためには時間を要するのだ。※トランプのカードで組み立てた塔のようなものだ。

たとえば、わたしが新卒で会社(大企業)に入社してから、クレジットカードの与信枠は、年月とともに徐々に上がっていった。数年かけてマックスになったと思う。だが、会社を辞めて起業した後は、あっという間にドカンと下がった。信用とはこういうものなのだ(笑)。

自信とは自分に対する信用である

自信とは自分に対する信用である、と述べている。

自分に寄せる強固な信用のことを、「自信」という。
出典:ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく p.148

裏を返せば、自分に自信のない人は、自分を信用していない、ということになる。

本来、自分を最も信用しなければいけないのは、自分であるはずだ。

自分を信用していない人を誰が信用するというのだろうか。「わたしはこの人を信用していませんが、あなたはこの人を信用してください」と言っても、誰も信用してくれないだろう

根拠がなくても信用した方がいい

つまり、自信のない人というのは、自分も含めて誰からも信用されていないのだ。

自分を信用できないと、(誰からも信用されない)孤独で寂しい人生になりそうだ(笑)。※なので、根拠がなくても、自分を信用した方がいい。自分を信用することから始まるのだ。

苦しいときはシンプルに考える

「シンプル・イズ・ベスト」が、堀江さんの信条だそうだ。

「ひとつの熟考よりも3つの即決」だそうだ。ただし、感情で判断するとロクなことがない、としている(感情による意思決定は、後に後悔する可能性がある)。

物事をシンプルに考え、原理原則に従うこと。理性の声に耳を傾けること。
出典:ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく p.162

この話には共感できる。堀江さんは E=mc^2 というシンプルな公式を引き合いに出して説明しているが、複雑なことでも、シンプルにすることは可能なのだ。

シンプルは費用対効果が高い

学生のときに、「ある現象を説明するモデルを作りなさい」という課題があった。

シンプルなモデルと複雑なモデルの2種類作ったのだが、費用対効果の高かったのはシンプルなモデルだった。

複雑なモデルの方は、時間をかけて作ったにもかかわらず、期待したほどその現象を説明できなかったのだ。複雑なモデルなのに、シンプルなモデルと大差なかった…ということだ。

シンプルに考えた方がいい

このようなことは、よくあることだ(笑)。

経験則から考えても、「シンプルに考えた方がいい」ということは、よくわかる話だ。シンプルにした方が、理解しやすくなり、決断しやすくなる。時間をセーブすることになるのだ。

※「オッカムの剃刀」ということもある。

できの悪い人は、普通のことでもむずかしく説明しようとする。だができる人は、むずかしいことをやさしく説明しようとする。前者の罠にとらわれないようにすることが大事だろう。

堀江さんの成長のサイクルとは

人が進むときには、3つのステップがある、としている。

1)挑戦
2)努力 ※ゼロ ⇒ 1への地道な足し算
3)成功 ※足し算の完了

このサイクルを回すたびに、小さな「成功体験」が得られる。

これを積み重ねれば、成長できる、という主張だ。

堀江さんは、このサイクルを高速で回転させることにより成長してきた、という自負があるそうだ。そして、自身がまわりから「努力の人」だと評価されていることを明かしている。

仕事の質 = 集中力 × 時間

堀江さんは、タイム・イズ・マネーではなく、「時間とは命そのもの」であり、タイム・イズ・ライフだと主張している。

また、仕事の質は、「集中力」と「時間」のかけ算で決まるとしている

したがって、集中力を落とさないために、1日8時間はしっかり眠るそうだ。

このあたりの主張に異存はない。

PDCAを高速で回せば、成長が早くなるし、睡眠時間を削って仕事に充てても、体調は悪くなるし、思考力や集中力は落ちるしで、いいことがない。(起業におけるスタートアップ時などの特殊な期間を除き)そうせざるを得なくなるのであれば、どこかで間違えているのだ。

 

堀江さんの「ゼロ」を要約する - サマリー

最後に

この記事のシリーズの最初に述べたが、

「ゼロ」を読んだ感想をひと言で表せば、「きれいにまとめましたね」ということだ。

この本は読みやすく、読書が得意ではない人でもサラッと読めるだろう。

今回の内容では、自分に対する信用が自信である、というフレーズが印象に残った。

自分に自信を持つためには、無条件で自分を信用した方がいい。あるがままの現状の自分を受け入れて「信用する」ということだ。もちろんそれだけでは不十分で、経験で補強する必要がある。

内容的には、いくつか気づきもあったり、共感できる点もあった。この本は若い人向けだと思うが、そうでない人もおもしろく読めるだろう。ちなみに、アマゾンでの評価は、400件以上の評価数で、4.4星ぐらいだ。かなり評価が高いと言える。※特に若い人におすすめだ。

↓ このシリーズを最初から読む。

今回の記事:堀江貴文さんの「ゼロ」を要約して示唆を得る