あなたは他人の話を聞ける方だろうか?
もし、「聞けない」ということであれば、まわりの人たちとのコミュニケーションに苦労しているはずだ。それに伴い、良好な人間関係を築けていない可能性が高い(人間関係で悩むタイプだ)。
逆に、他人の話を聞けるのであれば、人に好かれ良好な人間関係を築けている可能性が高い。人の話を聞けるか聞けないかの違いは大きい。このことはコミュニケーションにおいて分水嶺になる。
今回は、他人の話を聞く力を高める方法について書いてみたい。
目次
話を聞くマインドを持つ
正しいマインドを持つ
まず、他人の話をよく聞く、というマインドを持ちたい。
マインドはとても大事だ。それが雰囲気やボディランゲージとなり、相手に伝わるからだ。
否定的なマインドを持っていると、相手は悪い印象を持つし、肯定的なマインドを持っていると、相手はいい印象を持つ。こちらの心のうちは、必ず相手に伝わってしまう、と考えておく。
否定的なマインドを持たない
相手に対して、否定的なマインドは持たない方がいい。
相手のことが嫌いだったり、「お前の話を聞いても意味がない」と思っていると、まともに聞けなくなってしまう。
そんなときは、相手のことが嫌いであっても、「自分の感情と話は別だ」と考えればいいだろう。
相手ではなく、話の内容に集中するようにすればいいのだ。個人的なこととして受け取るのではなく、ビジネスとして受け取る、としてもいい。※don't get personal. ということだ。
※感情的に難しいかもしれないが、そういう意識を持つだけで、少しは変わるものだ。
思い上がりに注意する
相手の話を聞いても意味がない…と思うことがある。
たとえば、相手が自分より未熟な人物であれば、そう思うこともある。
だが、もしそう思うのであれば、それは思い上がりだろう。相手の問題ではなく、自分の問題だと思った方がいい(自分が問題を抱えているのだ)。※全く意味がない、ということはない。
自分が有意義なことを見い出せないだけ、の可能性が高いだろう。
相手を尊重する気持ちを持つ
コミュニケーションでは、相手を尊重する気持ちを持つことが基本だ。
相手を尊重できない、ということもあると思うが、それもあなたの問題だ。
たとえば、もしあなたが、自分自身を尊重していなければ、他人を尊重することはできない。自分が持っていないものを、相手に与えることはできないからだ。どこかから借りることができればいいが、そんなことはできない。
※自尊心の低い人は、他人の話を聞くのが苦手だ。
なので、相手を尊重できないのであれば、自分を尊重することから始める。
そして、相手の悪い部分ではなく、良い部分を積極的に評価するようにする。これらを心がけるだけでも、マインドは良い方に変化する。※もちろん、自分比の改善でいい。
ボディランゲージを使う
ボディランゲージを使う
人の話を聞くときは、正しいボディランゲージを使いたい。
こちらの話に全く反応しない人を相手にすると、話しにくくなる。全くこちらを見ようとしない人の場合も、「こちらの話を聞く気があるのか?」と思ってしまう。いずれにしても、他人の話を聞くボディランゲージになっていないためだ。これでは、コミュ力がない、と思われるだろう。
※ここでは、意図的なボディランゲージについて述べる。
相手の方向にヘソを向ける
これは、相手の方向に体を向ける、ということだ。
※全身で聞く、というイメージだ。
よく、身体をPCの方に向けながら、顔だけ相手に向けて話をする、という人がいる。
このボディランゲージを訳すと、「今わたしは作業中で忙しいのです。仕方がないので話はしますが、少しだけですよ」ということになる。これは、「あなたの話をキチンと聞きますよ」という姿勢ではない。※相手にも、マイナスの印象が伝わる(軽く扱われている…と感じる)。
ちょっとした行動が効果を生む
会社の会議などでも、(面倒でも)発言者の方に体を向けたい。
たったそれだけで、話し手は、「この人は話を聞いてくれているな」という感触を得る。
もちろんこれは、プラスの印象だ(印象が良くなるだろう)。相手にマイナスの印象を与えることと、プラスの印象を与えることは全く違う。マイナスをプラスに変えれば、大きな効果が期待できる(費用対効果の大きい行為になる)。※できていなかった人がやると効果が大きい。
相手の目を見る
相手の目を見ることは、「聞いていますよ」というシグナルを相手に送ることだ。
コミュニケーション下手な人には、相手の目を見ることに抵抗がある、と感じる人が多いと思う。そんなときは、無理をして目を見る必要はない。以下のような工夫をすればいいのだ。
相手の目をみて話したり、聞くことは緊張につながる(緊張する部分に焦点を合わせている状態だ)。なので、(焦点をややずらして)相手の片方の目だけを見る、眉間を見る、鼻を見る、さらにはズームインして、目の瞳孔の部分(黒目)だけを見る、眉毛の1本1本を見る、肌の毛穴を見る(笑)ようにすればいいのだ。
出典:緊張をほぐす方法
凝視とキョロキョロはNG
ただ、相手の目を見る、といっても、凝視してはいけない(笑)。
真顔で凝視されると、怖く感じるものだ(話しにくくなる)。また、キョロキョロして、目線が落ち着かないのも問題だ。
目線が不安定だと、相手は「挙動不審な人だな」、「何かほかのことを気にして、こちらの話を聞いていないのではないか?」と思うだろう。したがって、節目節目で相手の目を数秒見つつ、目をキョロキョロさせない(目の動作を落ち着かせる)、という行動がいいのではないかと思う。
目線を一度切るときは、横にスライドさせながら切るといいだろう。
自然な笑顔で話を聞く
シリアスな話でなければ、相手に笑顔を見せたい。
※笑顔で話を聞く、ということだ。
営業の人と話をするとき、「もったいないな」と感じることがある。
話の内容はほぼ完璧なのだが、惜しいことに笑顔がないのだ。人には、損得勘定は当然あるが、同時に「好きな人からモノやサービスを買いたい」という気持ちもある。
笑顔なし ⇒ 好感度が下がる
笑顔のない人というのは、なかなか好きになってはもらえない。
好感度がどうしても下がってしまうのだ。これは、人の感情の問題だ(自然な笑顔にひかれる)。なので、相手が話しやすいような表情や雰囲気を作る、ということは大事なことだ。
※笑顔は、聞くときにも、話すときにも使いたい。
相づちとうなづきを入れる
相づちとうなづきは、聞くときの必須ツールだ。
ときどき、あいづちを打たない人がいる。
自分が話す立場に立てばわかると思うが、何人かで話している最中に、(自分の話に対し)「うなずかない」、「あいづちを打たない」、「表情を変えない(無表情)」という人がひとりでもいると、話しにくくなる。勢い(気になりながらも、話しにくいので)その人を無視して話してしまう…ということになってしまう。
出典:相槌(あいづち)を打たない人は損をしている
話し手からすると、「うなずかない」、「あいづちを打たない」という人は、困った人だ。
暖簾に腕押し、のような感覚になって、手ごたえを感じることができず、話しにくくなるのだ。
あなたが言っていることをわたしは聞いています・理解しています、というサインが聞き手から出ないため、(話し手は)不安になったり居心地が悪くなったりして、やや話しにくくなるのだ。
なので、相手のためにも、相づちとうなづきを使いたい(聞く時のマナーとすればいいだろう)。
相づちの「さしすせそ」とは
ちなみに、あいづちには、「さしすせそ」というものがあるそうだ。
さ ⇒ 「さすがですね」
し ⇒ 「知りませんでした」、「自分にはない視点でした」
す ⇒ 「すごいですね」、「素敵ですね」
せ ⇒ 「センスがいいですね」
そ ⇒ 「そうなんですね」、「それはすごいですね」
相手を持ち上げることがポイントだ。
やりすぎは相手に「自分を馬鹿にしているのか…」と思われてしまうが(笑)、適度であれば効果がある。ほめられたり、持ち上げられて気分が悪くなる…という人はあまりいない。
他人の話を聞く - サマリー
まとめ
今回は、話を聞く力を高める方法について書いた。
今回の記事で書いたのは、1)否定的なマインドを持たない、2)相手を尊重する気持ちを持つ、3)相手の方向にヘソを向ける、4)相手の目を見る、5)相手に笑顔を見せる(笑顔で話を聞く)、6)相づちとうなづきを入れる、の6つになる。
マインドとボディランゲージに分けて書いた。
まずは、相手や相手の話に対し、否定的なマインドを持たないことだ。
そして、相手が誰であれ相手を尊重する気持ちを持とうとすることだ。そうすれば、聞くときのボディランゲージも、おのずとその気持ちに沿うものになる。※聞くための良い流れができるのだ。
上っ面のテクニックだけで乗り切ろうとしても、なかなか上手く行かないだろう。マインドが伴えば、テクニックも生きてくる。相手に対し否定的にならないことから始めてみてはどうだろうか。
今回の記事:「他人の話を聞く…話を聞く力を高める方法6つ」