あなたは、人の褒め方について、考えたことがあるだろうか。
わたしもそうだが、「人をほめるのは苦手だ…」という人がいると思う。
だが、「ほめ」を上手く使えない、ということは、人間関係においてはっきり不利になる。「他人をほめてもおもしろくない…」と思うかもしれないが、他人をほめることは、自分の利益にもつながることだ。
ただし、自分の利益のために相手をほめる、というよりは、お互いの利益のために相手をほめる、と考えた方がいいだろう。今回は、「人を褒めるコツ」について書いてみたい。
目次
自分のためでもある
ほめる、ということは、相手の承認欲求を満たす、ということだ。
相手の承認欲求を満たせば、いいことがある。
ひとつは、相手が喜ぶ、ということだ。あなたもほめられると、うれしい気持ちになるだろう。
相手のことがすごく嫌いであったり、下心のあるお世辞であることが見え見えである場合は、ほめられてもうれしくないかもしれないが(笑)、それ以外の場合は、ほめられるとうれしくなるものだ。
※相手の下心が見え見えでも、多少うれしくなることもある(笑)。
自分にもメリットが
もうひとつは、自分もいい気分になれる、ということだ。
相手をほめる、ということは、自分から他人に「与える」ことになるなので、(ある意味)損をすることになるからほめたくない、と考える人がいる。だが、この考え方ははっきり間違いである。
ほめる ⇒ 相手が喜ぶ ⇒ 自分も気分がよくなる、ということがあるのだ。
自分が与えたことにより、それ以上のプラスが自分に返ってくる可能性がかなりある、ということだ。「それ以上のプラス」と述べたのは、自分も気分がよくなる、というだけではなく、人間関係がよくなるためだ。
相手をけなせば、人間関係は悪くなり(場の雰囲気も悪くなり)、相手をほめれば、人間関係はよくなる(場の雰囲気もよくなる)。単純な話だが、このことを本当の意味で理解する必要がある。
つまり、相手を「ほめる」ということは、自分のためでもあるのだ。
人を褒めるコツは
ほめることを習慣に
人をほめることを習慣にしたい。※ほめることが習慣になれば最強だ。
簡単な方法として、外見をほめる、ということがある。
たとえば、相手がヘアースタイルを変えたのであれば、「その髪型いいね」、
服装をほめるのであれば、「そのシャツの色いいね」、「コーディネートがすばらしい」、「センスがいいね」、また、相手が持っている小物類をほめる、という方法もあるだろう。
※「センスがいいね」は、最強のほめ言葉のひとつだ。
相手に関心を持つ
今、「簡単な方法」と書いたが、相手に関心を持っていれば…という前提がある。
相手に何の変化もないのに、いきなり外見をほめても、相手は「?」と思うだけだ。ヘアースタイルを変えた、コーディネートを変えた、など、相手の変化をとらえてほめる必要があるのだ。
そのためには、普段から相手に関心を持っていなければいけない。
不器用な人は、相手に関心を持っていることを悟られるのが嫌だ…と考え、あえて無関心を装うことがあるが、このような振る舞いは損だ。あえて無関心を装う、などということは、やめた方がいい。
※クールに気取ったり、好き避けみたいなことはやめた方がいい。
相手の行動をほめる
相手のちょっとした行動をほめたい。
シンプルに「ありがとう」でもいいし、「助かったよ」でもいい。感謝の言葉は、シンプルな言葉だが、あるとないとでは、相手の受ける印象が全く違ってくる。※ないと相手が気を悪くすることもある。
ただそのときは、相手の顔をしっかり見て、にこやかに感謝の言葉を発したい。
PCの画面や書類を見たまま、「ありがとう」と言っても、効果は半減する。ボディランゲージでも、感謝を表現する、ということを忘れてはいけない。※多少の演出にも気を配ることだ。
タイムリーにほめる
ほめるときは、タイムリーにほめたい。
タイムリーにほめた方が効果が高い、ということには、行動心理学による裏付けがある。小難しいことを考えなくても、実感できることだろう(ほめの「旬」を逃してはいけないのだ)。
自分が髪を切った、ヘアースタイルを変えたあと、すぐに気づいてほめてくれると、うれしいものだ。
自分も忘れたころになってほめられても(まぁうれしくないことはないが)、うれしさは半減するだろう。相手は、「今ごろ気がついたのか、自分にさほど関心をもっていないのだな…」と思うかもしれない。
相手が(内心)期待しているときにほめることが一番だ。喉がカラカラに渇いているとき、タイミングよくお茶を出してくれる人がいれば、とてもありがたく感じる。それと同じことだ。
ほめに質問を絡める
ほめた後に、質問をからめてもいい。
たとえば、「センスのいい○○ですね!どこで買ったんですか?」という感じだ。
相手とコミュニケーションをとりたい、という場合は、この方法が効果的だ。気になる異性だったり、(仲良くしたいけど)普段あまりコミュニケーションをとれていない人物が対象になるだろうか。
コミュニケーションの練習にもなるので、試して損はない。
本人以外の人に…
本人以外の人に「ほめ」を伝える、という方法がある。「三角褒め」とも呼ばれる方法だ。
自分、相手、第三者を結ぶと、三角になるので、そう呼ばれている。
この「三角褒め」は、自分が第三者に「相手に対するほめ」を伝え、そのほめを聞いた第三者が、相手に「○○さんがあなたのことをほめていましたよ」と伝えることで成立する。※間接褒めだ。
この「三角褒め」のメリットは、リアリティが出る、ということだ。直接ほめない ⇒ お世辞ではない、ということになるので、リアリティが出るということになる。
※「三角褒め」を受け取る側はそう考え<真の>ほめだな…と思う。
噂話をするときは
人の噂話をするときは、その人をほめる、と決めておいた方がいいだろう。
噂話で人をけなしていいことはない(笑)。
そうであれば、ほめた方がいい。噂話で人をけなして何が悪いのか、といえば、1)本人に伝わる、2)ダークサイドに落ちる、3)この人は陰口をたたくタイプだと認識される、の3つだ。
中でも、3)この人は陰口をたたくタイプだと認識される、は致命的だ。その結果、まともな人には、距離を置かれることになる。そうなれば、仕事でもプライベートでも、まともな人脈などできはしない。
なので、人の噂話をするときはほめる、と決めておいた方がいいだろう。
人を褒めるコツ - サマリー
まとめ
今回は、人を褒めるコツについて書いた。
誰しも、ほめられて悪い気はしない。あなたも、ほめられて、気分が良くなった、やる気がでた、という経験をしたことがあるはずだ。※ほめて気分が良くなった、という経験もあるはずだ。
そのほめられた記憶が、数年はおろか、数十年残る…ということもある。わたしも、小学生のとき先生にほめられた記憶が、未だに鮮明に残っている。※適切なほめの威力はたいしたものだ。
コミュニケーションにおいて、「相手を良い気分にできる人」というのは、コミュニケーションの上級者だし、成功しやすい人でもある。そんな人に、近づく努力をしてみてはどうだろうか。
今回の記事:「人を褒めるコツ|どんな褒め方をすればいいのか」