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性格の問題?裏表がある人ない人|人の裏表について考える

あなたは、裏表のある人についてどう思うだろうか?

もしかすると、裏表のある人に良い感情を持っていないかもしれない。だが、(我が身を振り返った場合)自分には「裏表がない」と言えるだろうか。そう言い切れる人は、少数派だろう。

スキャンダルを見聞きするとき、「さもありなん」と思うことがあれば、「この人が…」と仰天することもある。後者の場合は、普段のその人のイメージとあまりにも違うので、驚くのだ。

人の裏表を考えるときは、その差が問題になりそうだ。

今回は、「人の裏表」について考えてみたい。

目次

裏表はある

人に裏表はあるのだろうと思う。

たとえば、誰しも利己的なところがあって、普段はそれを隠している。利己的な部分をストレートに表に出せば、自分の印象が悪くなる、良く思われない…と知っているからだ。

※「表:利己的ではない、裏:利己的」ということだ。

だが、ひとたび自分の利益が侵害されるかも…と感じると、この状況は一変する。

1日で裏表を体験することに…

わたしが他社へ、あるテストのために出かけたときの話だ。

そのとき、他社の製品のテストをしたのだが、テスト前は、担当者が大変協力的で、感じの良い対応をしてくれた。なので、スムーズにテストを完了することができたのだが、テストの結果が問題だった。その担当者が望む結果には至らなかったのだ(思ったより結果が悪かった)。

テスト終了後、(その会社の会議室で)すぐにテスト結果をわたしが担当者に説明したのだが、そのテストの結果をみた担当者は、文字どおり顔色を変えた。※表情も変わった。

裏を見せた担当者…

それまで、とても感じが良かったのだが、顔色とともに態度まで変えた。

テスト自体は客観性の高いもので、何ら問題はなかったのだが、その担当者は、「テストの手順がおかしい」と、クレームをつけ出したのだ。とにかく、理不尽なことを言われたような記憶がある(わたしはあまりの態度の差に唖然とした)。※ちなみに、会社同士は対等の関係であった。

最終的には、その担当者はあいさつもせず、その場を立ち去ってしまった。

人の裏表を1日で体験した稀有な例だ(笑)。

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本音と建て前

本音と建前も裏表だろう。建前が表で、本音が裏だ。

建前のキレイな言葉を鵜呑みにすると、痛い目にあう…ということがある。

知人の奥様から、たまたま会ったときに、「ぜひ一度お立ち寄りください」と言われ、(言葉を鵜呑みにして)行ってみたら、その奥様に「迷惑がられる…」ということがあるかもしれない。

また、お見合いをしたとき、話もそこそこはずみ、別れ際のあいさつも丁寧だったので、「次もあるかな…」と思っていたら、「実は、お断りだった…」ということも、普通にあることだろう。

※コミュニケーション能力の高い器用な人は、建て前が上手だ。

イラッとしても裏は出さない

交際の例で言うと、

デートで男性に、1円単位まで割り勘にされてイラッとし、断るケースでも、

コミュニケーション能力の高い人は、以下のように考える。

交際を断るときに、外せない要素は何だろう?
1)よく考えました、2)理由・気配り、3)感謝・誠意、の3つだ。
※これに「ポジティブ」を加えてもいいかもしれない。
1)よく考えました、は、自分なりによく考えて結論を出しました、ということだ。その方が丁寧で印象がよくなる。2)理由・気配り、は、(ある程度)相手が納得できる理由を述べ、(その際)男性のプライドなどを傷つけないように配慮する、ということだ。
出典:交際の断り方|メール編

すなわち、裏を出さないようにするのだ。

小賢しいと言えば、そうもとれるのだが、相手の無駄な怒りを買うことを避けたり、報復のリスクを下げるためには、必要なことであり、(ある意味)生きる知恵といってもいいのだろう。

※本音と建て前を否定することはできない。

裏表の差が問題になる

わたしは、裏表の「差」が問題になるのだろうと思う。

人に裏表があるのは、当然のことだ。なので、裏表があるからダメだ…とはならない。

裏表を意識し、その実態を知る時、子供たちは改めて人間の哀しさと優しさを知るであろう。その長い迷いの後に、明確な裏表の何を意味するかを知りつつ、それに従う時、彼は初めて精神を持った「人間」になる。
出典:人間の分際, 曽我綾子(著)

問題は、裏表の落差なのだ。

上で述べた交際の例であれば、たとえ男性に1円単位まで割り勘にされてイラッとし断るケースでも、1)よく考えました、2)理由・気配り、3)感謝・誠意+ポジティブの建て前で断ってもいい。裏表の落差は大きいが、その後に悪い影響がないためだ。

関係が続く場合は問題になる

しかし、相手との関係が続く場合は問題になる。

もともと、上で指摘したように、表(建て前)には小賢しさがつきものだ。建て前にイラつく人は、この小賢しさ、あざとさが鼻につくのだ。

以前の記事でも紹介したこのエピソードだが、

コンサドーレ札幌で監督をしていた時に忘れもしないことがありました。残り時間10分くらいで0対1で負けている時、ベンチの前を通ったサイドバックの奴が、ベンチの僕の顔を見て走っているんです。「何でこいつ見てんのかな?」と思ったのですが、分かったんです。「今、チームは負けていますけど、僕は監督に言われた役割はしっかりやってまっせ」とアピールしているんです。「アホかつうねん。お前がどんだけ役割やっても、チームが負けたら一緒やないか」と怒りが沸いてきました。
出典:岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは

もしこの選手が、(インタビューなどで)「チームの勝利が第一です」、「自分が活躍できても、チームが負けてしまえば意味がありません」と建て前を語ると、「何を言っているのか?」、「言っていることと、やっていることが違うではないか…」となるのだ。

普段は、私利私欲がほとんど…という勢いで動いているのに、「自分は自分のことよりも、会社のために働いています」、「会社の利益優先で、自分の利益のことは全く考えていません」などと建て前を言われると、「は?」、「言行不一致じゃん」となるのだ。

※表面(づら)のいい人、と思われるだろう。

つまり、裏表の差が大きすぎると、「言行不一致」というレッテルを貼られ、まわりから信頼を失う…ということだ。※一線を越えると、「腹黒い」ということになる。

裏表の差を小さくする

長所短所は、コインの裏表だと言われる。

同様に、裏表もコインの裏表に相当する。だが、両者には違いがある。

長所短所の場合は、トレードオフの関係にある。その短所があるから長所があり、その長所があるから短所がある…という関係にあるのだ。また、シチュエーションにより、長所と短所が入れ替わることもある。ある場面では短所でも、別の場面ではそれが長所になる、ということがある。

人の裏表の場合は、このような関係にない。だから、余計に注意したいのだ。

また、短所の場合は、それを自ら開示することによって、「プラスになる」ということがある。自分の弱みを見せることによって、まわりの信頼を得る、助けを求めやすくなる、協力を得やすくなる、ということがあるのだ。だが、裏の場合はどうだろうか?

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裏表の差を小さくした方がいい

長くなるので、まとめに入るが(笑)…裏表の「差」に注意したい。

裏表は当然あっていいのだが、この差を小さくした方がいいのではないかと思う。「あの人は裏表のない人だ…」という言葉は、ほめ言葉だ。「裏表がない」というのは言い過ぎだが、「裏表の差が小さい」ということだろう。

裏表の差が小さい人が評価される…ということであれば、わざわざそれに逆行することはない。※逆行すれば、「言行不一致」というレッテルを貼られやすくなる。

たとえば、裏で「人の不幸は蜜の味」と考えていた人が、相手に共感したり、相手の立場を自分の立場と置き換えて考える想像力を持つことにより、そのような考えを消すことができる

そうすれば、裏表の差は小さくなるのだ。

また、先にも述べたが、コミュニケーション能力の高い人は、表の作り方が上手なだけに、裏表の差が大きくなりやすい。それゆえに、「策士策に溺れる」ということにならないように、十分気をつける必要がある。いずれにしても、裏表の差が小さくなるように努力したい。

 

人の裏表について考える - サマリー

まとめ

今回は、人の裏表について書いた。

裏表はあっていいと思う。だが、それを人に強く感じさせるようではまずい。

※つまり、裏表の落差が問題になる。裏表の差が大きすぎると、「言行不一致」というレッテルを貼られ、まわりから信頼を失う。

裏表があるな…と感じる人は、自分本位で外面(づら)がよく、コミュニケーション能力が低い。コミュニケーション能力を上げれば、簡単に「裏表がある」とは認定されないだろうが(笑)、大元の裏表の差を小さくした方がいいと思う。そうすることで、自分の信用度が上がるのだ。

今回の記事:「人の裏表について考える」