不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

怒らない生き方を選ぶ|怒らない人になる方法4つ

あなたのまわりに、「怒らない人」がいると思う。

怒らない人とは、多少不愉快なことがあってもイラッとせず、滅多なことでは感情的にならない、懐が深く柔軟で、余裕を感じさせる人のことだ。比較的、温厚なタイプが多いと思う。

逆に、怒りっぽい人もいると思う。怒らない人とは逆のタイプで、ちょっとしたことでもイラッとしがちな人のことだ。中には、怒ることが生活の一部になっているような人もいる。

わたしは、怒る人よりは、怒らない人になった方がいいと思う

人の営みとして、怒ることもときには必要かもしれないが、「怒ること」のデメリットがかなり大きいためだ。※気質的に怒りっぽい人でも、戦略的に怒らない人になることは可能だ。

今回は、「怒らない人になる方法」について書いてみたい。

目次

怒ることにはデメリットがある

前回の記事で、「短気は損気」ということについて書いた。

そこで述べた怒るデメリットは、1)短気を起こすと理性が飛ぶ、2)人間関係が悪くなる、3)健康面でも短気は損気になる、の3つだ。とりあえず、この3つをおさえておけばいいだろう。

1)短気を起こすと理性が飛ぶ、は、怒ることで理性の働きが弱くなり(感情的になり)、言葉や行動の選択を間違えやすくなる…ということだ。言葉の選択を間違えて、相手の傷をえぐり、深く傷つけてしまうと、覆水盆に返らずだ。その時点で、もはや取り返しがつかない状態になる。

行動の選択を間違える

感情的になったときは、行動の選択も誤りやすい。

怒りではないが、感情的になる恋愛では、相手が好きすぎておかしな行動をとってしまう…ということがある。また、怒りで我を忘れて相手を傷つけてしまう…という行動は、明らかに誤った行動だ。いずれにしても、感情が高ぶって理性の働きが落ちた結果、生じる不適切な行動になる。

人間関係が悪くなる

2)人間関係が悪くなる、は、

短気を起こす人には、「感情的な人だな」、「近寄りたくない人だな」、「雰囲気を悪くする人だな」、「寛容さのない(狭量な)人だな」という印象が(周囲から)集まることになる。
自分が直接被害を受けなくても、まわりの人は、ネガティブな印象を抱くようになるのだ。一度、ネガティブな印象がついてしまうと、それを払しょくするのは大変な努力が必要になる。
出典:短気は損気の意味を深く考える

怒ることで、自分の評価を下げてしまう…ということだ

笑顔の人を見れば、こちらも気分が良くなるが、怒っている人を見れば、こちらも気分が悪くなるのだ。自分の嫌いな人が怒られている姿を見ると、笑いがこぼれる…、怒っている人を応援したくなる…という意地悪な人もいるかもしれないが(笑)、普通は、感情的に怒っている人に対し、良い印象を持たないものだ。その結果、怒ると人間関係が悪くなる…ということにつながる。

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怒りは体によくない

3)健康面でも短気は損気になる、だが、

この重要性を見逃している人は、多いのではないだろうか。

怒ることは、(内に溜め込まず)発散することでもあるので、ストレスを解消することになり、必ずしも悪いことではない…という意見がある。まぁ確かに、怒ることはアウトプットではある。

そのまま聞くと、一理あるのかな…と思ってしまうが、

血圧が上がって、血管が破れやすい状態になるのだ。
怒り(戦闘モード)により、交感神経が働く ⇒ 心拍数が高くなり、血液量が増える、ということになり、血圧が上がるのだ。このことは、増水した川をイメージすればわかりやすい。川が大雨などで増水すれば、堤防にかかる圧力は大きくなるのだ。
出典:短気は損気の意味を深く考える

怒ると血圧が上がり、血管が破れやすい状態になってしまう。

皮肉なことに、怒ることはストレス解消どころか、(自分の身体にとって)大きくかつ深刻なストレスになるのだ。血管が破れる…ということなので、下手したら生命にかかわる話になる。

※怒りは、自分に跳ね返ってくる…と考えた方がいいだろう。

怒るデメリットを意識する

以上のことより、わたしは(基本は)怒らない方がいい…と考える。

その方法だが、まずは、「怒るデメリットを意識する」ということだ。

先に述べた、怒ることのデメリットは、すべて強烈なものだ。「取り返しがつかない」ことになりかねないのだ。特に、3)健康面でも短気は損気になる、については、生命にかかわることだ。

自分の生命を守ることは、誰にとっても、最優先課題であるはずだ。したがって、怒ることでそれが脅かされることになる…と知っていれば、自ずから「怒ることをやめよう…」と思うはずだ。

※心臓や血管が丈夫な若いうちはまだしも、中高年になると、リスクが高くなる。

人間関係の悪化やチャンス逃しは痛い…

また、正しい選択ができなくなったり、人間関係が悪くなったり…ということも、大きなデメリットだ。人間関係というのは、一度悪くなると修復することが難しい(経験者はわかるはず)。

なので、人間関係が悪くなることは、大きなデメリットなのだ。さらに感情で目や頭が曇り、大事なところで正しい選択ができなければ、チャンスを逃したり失敗することに直結してしまう。

まずは、怒るデメリットをよく理解し、意識することだ。

視座を変える

怒ると視野が狭くなり、1点集中のようになってしまう。

紙の上で虫眼鏡を使い、太陽光を1点に集中すると、紙が燃えだす。同様に、視野を狭くし、意識を1点に集中することで、怒りのガスに引火する…という状態になり、怒りが引き起こされる。

なので、この1点集中をなんとかする必要があるのだ。※視座を変える必要がある。

相手の立場から考えてみる

怒りがこみ上げるときは、自分視点に囚われていることが多い。

自分はこうすることが正しいと思っているが、相手は自分(わたし)が正しいと思っている言動をとらない…こんなときに、そのギャップから強い怒りが生じる(憤る)…ということがある。

これは、自分視点に囚われている状態だ。

そんなときは、頭を柔らかくして、「自分はこうすることが正しいと思っている」が、そのことは本当に正しいのだろうか?と考えてみてもいいし、相手が「自分が正しいと思っている行動をとらない」ことには、何か事情があるのではないか…と相手の立場に立って、考えてみてもいい。

このことは、相手の心情を想像することで、そちらの方に注意を向ける、ということになる。「なぜ相手はそのような言動を選ぶのか?」という問いを立て、答えを考える、ということだ。

これは、「視座を変える」ということで、1点集中をやめる手段になる。

分析モードに入る

怒りそうになったら、「分析モードに入る」という方法がある。

「イラッ」とした瞬間、分析モードに入る、という方法がある。
誰かに不愉快な言動をとられたとしよう。たとえば、あいさつを無視された、でもいい。そのとき、一瞬「イラッ」とすると思うが、すぐに「なぜ相手はそのような態度を取るのか?」と分析モードに入るのだ
※「イラッ」⇒「分析」を繰り返すことにより、両者間のパイプ(結びつき)を太く・強くしておくことだ。そうすれば、自動的に切り替わるようになる。
出典:イラッとしたときの独創的な対処法

上で述べた、「相手の立場から考える」ということも、分析の方法だ。

あいさつを無視されたら、「なぜ相手はあいさつを無視するのか…」と考える。「こちらのあいさつが伝わっていないのか…」と考えてもいいし、「他人とはコミュニケーションを取らない人なのか…」と考えてもいいだろう。考える内容ではなく、分析モードに入ることが大事なのだ。

相手の目的を考える

イラッとしたら、相手の目的を考えてみよう。

では、その背後にある「目的」は何だろう。
それは、「対人関係において、自分が傷つかないこと」である。
「対人関係において、自分が傷つかないこと」を目的にする限り、対人関係において、傷つくことを過剰に怖れるし、自分を好きにならないでおけば、イジけたコミュ障として、対人関係に踏み出さずに済む。自分の欠点や短所に目を向けておけば、自分を好きになることもないだろう…ということになる。なので、(自分から)自分の欠点や短所に目を向け、自分を嫌いになるのだ。
出典:なぜ自分が嫌いなのか|自己嫌悪の原因

自分を嫌いになる理由は、「自分が傷つかない」という目的のためだ…という話だ。

またあいさつの例になるが、あいさつを無視されて、イラッとすることがあると思う。

そのときの相手の目的も、「対人関係において、自分が傷つかない」ということかもしれない。相手にあいさつを返さなければ、コミュ障として、対人関係に踏み出さずに済む。相手に嫌われておけば、相手と関係ができることはないので、対人関係において、自分が傷つくことはない。

ということかもしれない。そうであれば、100%相手の問題なのだ。

※相手を変えることはできないので、怒るだけ無駄なことだ。

怒りという手段をとらない

怒りという手段をとらない、という方法もある。

怒りとはコミュニケーションの一形態であり、なおかつ怒りを使わないコミュニケーションは可能なのだ、という事実です。われわれは怒りを用いずとも意思の疎通はできるし、自分を受け入れてもらうことも可能なのです。
出典:「嫌われる勇気」, 岸見 一郎, 古賀 史健 p.106

確かに、怒りはコミュニケーションのひとつの手段だ。

なので、怒ることがコミュニケーションの手段として有効ではない…と考えると、その手段をとらないことは可能だ。もしかするとわたしたちは、怒りがコミュニケーションの手段として有効だ…と思い込んでいるのかもしれないし、表現が簡単だから、安易に選んでいるのかもしれない。

※安易な手段をとると、失敗につながりやすい…ということは経験からわかる。

怒りという手段をとらない、という方法があることを知っておきたい。

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まとめ

今回は、「怒らない人になる方法」について書いてみた。

今回の記事で書いたのは、1)怒るデメリットを意識する、2)視座を変える、3)分析モードに入る、4)怒りという手段をとらない、の4つだ。大体この4つで怒りを鎮火できるだろう。

怒るデメリットをよく理解&意識することで、怒りという手段をとらない…とすることが可能だと思う。それでも、怒りの感情がこみ上げてきたら、「視座を変える」、「分析モードに入る」などの効果的なテクニックを使ってみたい。

そもそも、自分のこれまでを振り返って、怒ったことで得をした…ということがあるだろうか。中には「怒ったことでなめられなくなった…」ということはあるかもしれない。なので、怒ることを全否定するつもりはないが、かなり限定的なケースになると思う。基本は、怒らないことだ。

怒る人よりは、「怒らない人」になった方がいいだろう。

今回の記事:「怒らない人になる方法4つ」