悪口を言う人というのは、一定の割合で存在する。
なので、たくさんの人と仕事をする人は、好まなくても、「悪口を言う人」と接せざるを得ない。オフィスでとなりに座っている人が、そのタイプの人であるケースもあるだろう。
人の悪口ばかり言う人が自分の近くにいると気が滅入るが、彼(女)らの心理がわかれば、「ああそういうことか…」ということで、少しは気を静めることができるかもしれない。
今回は、悪口ばかり言う人の心理について書いてみたい。
目次
相手の気持ちを確かめたい
相手の気持ちを確かめたいので、軽く悪口を言う…ということがある。
あなたが友人のBさんに、Yさんの悪口を言うとしよう。
あなたは、Yさんの悪口を言うぐらいなので、Yさんのことを良く思っていない。
だが、BさんがYさんのことをどう思っているのかはわからない。そこで、BさんのYさんに対する気持ちを確かめるために、(軽めに)Yさんの悪口を言ってみたり、批判をしてみるのだ。
反応を試すケースがある
そのときのBさんの反応で、BさんのYさんに対する気持ちがわかる。
あなたのYさんに対する悪口や批判に乗ってくるようであれば、BさんもYさんのことを良く思っていない…ということになり、それほど乗ってこなければ、悪くは思っていない…ということになる。※このことは必ずしも正しくはないが、少なくとも、相手はそう解釈することになる。
このように、相手の気持ちを確かめるために、軽く悪口を言う…ということがある。自分が第三者の悪口を言われる…ということには、反応を試されているケースがあるのだ。
自信がないので不安をやわらげたい
自分に自信がないので、不安をやわらげるために悪口を言う…ということがある。
このタイプの人は自尊心が低い。
自尊心の低い人は、メンタルが不安定になりがちだ。信用できない人と同居しているようなものだからだ。自尊心の低い人は、不安になったり、心配になったり、懐疑的になったり、ネガティブ思考になったり…と全くいいことがない。これらが絡まって負のスパイラルに陥ると、セルフ・コントロールを失うことになる。
出典:自尊心が低い人の特徴
ここで書いたように、
自尊心の低い人は、信用できない人と同居しているようなもので、不安になったり、心配になったり、懐疑的になったり、ネガティブ思考になったり…と、メンタルが不安定になりがちだ。
その不安定さを補償するために、悪口を言うことがある。
他人の欠点に目を向けることで、自分の不安から目をそらすことができたり、安心することができる。相手の悪口を言っている間は、自身に対する不安がやわらぎ、メンタルが安定するのだ。
精神安定剤代わりに、悪口を言ったり、批判をする…としてもいいだろう。だが、批判や悪口が終わると、元の自分に逆戻りする。効果は長続きしないのだ(そのため、悪口を繰り返す)。
リベンジしたい
リベンジしたいから悪口を言う…ということもある。
たとえば、「不当な対応をされた」ということで、お店などの悪口を言ったり、批判をする人がいると思う。その批判などが的を射ている場合もよくあると思うが、(それはともかくとして)悪口を言ったり、批判をすることは、ある種のリベンジだ…とも捉えることができる。
※リベンジという言葉が不適切であれば、反作用としてもいい。
個人対個人のレベルでも同じことだ。
もしあなたが、「不当な扱いを受けた」と感じると、その人に対する不満が募る。「不当な扱い」のレベルによっては、敵意を抱くようになるかもしれない(人格を否定されたときなどは、そうなりやすい)。そのような「不穏なガス」が自分の中で充満してくると、それを吐き出したくなるのだ。
その結果、相手の悪口を言ったり、批判をしたり…ということになる。
感度にもよる
このことは、人の感度に大きく依存する。
たとえば、負けず嫌いで、プライドの高い人は、「軽く扱われた」、「議論で負かされた」程度のことでも、かなりイラッとして、「相手にリベンジしたい…」という気持ちになりやすい。
議論に負けたのであれば、「今度は議論に勝つ」という形でリベンジすればいいのだが、どうしても、相手の悪口を言ったり、批判をしたり…という安易なリベンジの方法をとりやすい(人はどうしても安易な方向に流れやすいのだ)。これは、「江戸の敵を長崎で討つ」ということだ。
秘密を共有したい
悪口で盛り上がれば、秘密を共有することになる。
いけないことをみんなですることにより、一体感のようなものを感じるのだ。「ここだけの話なんだけど…」とすることには、「あなたを信用しています」という意味が含まれる。信用されて悪い気持ちのする人はいないので、一体感や親密さが増す可能性があるのだ。
秘密の共有というのは、恋愛テクでもあることだ。
秘密を分かち合った男女は精神的な距離が一気に縮まると言われています。この現象を利用して、積極的に秘密の共有をする事で気になるあの人に近づく事ができるのを知っていますか。
出典:好きな人と距離を縮める!秘密の共有戦術・6選
秘密を打ち明けられると、「自分は相手から信用されている…」と感じるだろう。その感情は悪いものではないし、相手から信用されているのであれば、その信用にこたえたい…という気持ちも芽生える。秘密を共有したい…という目的は、「親密になりたい」ということかもしれない。
自分をよく見せたい
自分をよく見せたいので、悪口を言ったり、批判をする…ということがある。
これは、悪口や批判により他人を下げることにより、相対的に自分を上げる…ということだ。自分をよく見せたいという気持ちは、ある意味人の自然な感情ではあると思う。
たとえば、有名大学を卒業していれば、プロフィールに大学名を入れたくなるだろう。事実、「○○大卒」と書くだけで、注目される…ということはある。
わたしもプロフィールに、大企業やら大学院というキーワードを入れている。
もちろんこれには、自分の属性をある程度知ってもらいたいから…ということもあるが、「自分をよく見せたい」という気持ちがあることも否定できない。
※効果があるかどうかはわからない(笑)。
そのような気持ち(下心?)があっても、事実であれば、問題はないだろう。だが、それが行き過ぎると、学歴や職歴を詐称したり…ということになってしまう。こうなると、明らかに問題だ。
行き過ぎはアウト
今、行き過ぎると問題だ…と書いたが、
その行き過ぎた形が、他人を下げることにより、自分を上げる…という行為だ。
学歴や職歴を詐称すれば、バレたときに、虚構の上に築き上げてきたものをすべて失うことになる。また、それだけではなく、自分の信用も失うことになるのだ。それと同様に、他人を下げることにより、自分を上げていれば、自分の信用を毀損することになるだろう。
人の悪口を言うことで自分を上げる、ということも同じで行き過ぎだ。そうすることで、自分の信用を毀損することになる。この傾向が強い人は、その点に早く気がついた方がいいだろう。
まとめ
今回は、人の悪口ばかり言う人の心理について書いてみた。
今回の記事で述べたのは、1)相手の気持ちを確かめたい、2)自信がないので不安をやわらげたい、3)リベンジしたい、4)秘密を共有したい、5)自分をよく見せたい、の5つだ。
単独の心理が原因になることもあるが、複数の組み合わせになっていることも多いと思う。
たとえば、2番目の「自信がないので不安をやわらげたい」と5番目の「自分をよく見せたい」の組み合わせはありそうなことだ。不安をやわらげるために自分をよく見せる…ということだ。
いずれにしても、悪口ばかり言う人のメンタルには問題があるだろう。そういう人がいれば、彼(女)は「どういう心理状態なのか」と考えることで、少しは気持ちが静まるかもしれない。
今回の記事:「人の悪口ばかり言う人の心理」