利己的な人の心理と特徴5つ
あなたのまわりに、利己的な人がいないだろうか。
誰しも利己的な部分はあるが、「利己的な部分を持つ」を超えて、利己的な人が上司や同僚になったりすると、苦労することになる。現在進行形で苦労している人も、いるのではないだろうか。
今回は、利己的な人の心理と特徴について書いてみたい。
目次
- 目次
- 認知の歪みがある
- 利己的でOKは間違い
- 人間関係に問題を抱えやすい
- 自分に甘く他人に厳しい
- 矛盾を無視する
- メタ認知ができない
- 手前勝手な理屈で納得する
- 他人の利益を侵害する
- やりすぎがわからない
- 理不尽な要求をする
- 聞く耳を持たない
- こじらせて嘘をつく場合も…
- 利己的な人の心理と特徴 - サマリー
認知の歪みがある
利己的な人には、認知の歪みがある。
人には誰しも「自分の利益を追求したい」という気持ちがある。
その気持ちを持つこと自体は当たり前のことで、責められるべきものではない。問題は、自分の利益を考えることと、他者の利益を考えることのバランスなのだ。自分の利益を重視するあまり、他者の利益を侵害する人は、利己的な人だ。そして、利己的な人には認知の歪みがある。
利己的でOKは間違い
自分が利己的でもOKとしているか、利己的だという自己認識がないのだ。
利己的でもOKとしている場合は、間違いだ。
皮肉なことに、人は損を避けようとして、損をしてしまう。損に対する感度の高さが原因になり、合理性を失うため、損をしてしまうのだ。
出典:皮肉なことに損失回避性で損をしている
逆に不利益を被ることになるからだ。
損失回避性について書いた記事で書いたことだが、損失回避性の高い人の特徴が、そっくりそのまま利己的な人にあてはまる。なので、「利己的な人≒損失回避性の高い人」なのだろう。
損失回避性の高い人は、株式投資などにおいて、目先の些少の利益をマメに取りに行き、損を放置し拡大させる傾向にあるため、トータルでみれば、かなりの損をすることになる。
※単純な損だけではなく、機会損失も大きくなる。
人間関係に問題を抱えやすい
利己的な人は、人間関係でこれと同じことをしているのだ。
目先の利益や損に敏感で、利益をマメに取りに行くが、その動きに伴う言動から、まわりの人から不興を買うことになる。要するに、まわりから信用を失う…ということだ。
他者の利益を侵害し、自分の利益を求めるのだから当然のことだが、まわりから信用を失う…ということは、相当大きなマイナスポイントになる。自分の信用を犠牲にして多少の利益を得たとしても、中長期的な視点からみれば、マイナスなのだ。このことには、気づいた方がいいだろう。
※悪いことに、時間とともにマイナスは拡大していく。
自分に甘く他人に厳しい
利己的な人は、 自分に甘く他人に厳しい、という傾向がある。
たとえば、他人に対し舌鋒鋭く批判(非難)するが、立場が変わり、自分が批判の矢面に立たされると、自分が他者にした批判を忘れたかのように振舞う人がいる。そんな人のことを「自分に甘く他人に厳しい」という。
出典:職場の面倒な人や厄介な人の特徴6つ
あなたのまわりにも、自分に甘く他人に厳しい人がいるのではないだろうか。
以前の記事で、利己的な人は、他人に対し舌鋒鋭く批判(非難)するが、立場が変わり、自分が批判の矢面に立たされると、自分が他者にした批判を忘れたかのように振舞う…と書いた。
普通に考えれば、このような態度は一貫性がなくおかしい、と思うだろう。
矛盾を無視する
だが、利己的な人の視点から考えると、何らおかしくない。
他人に対し舌鋒鋭く批判したのは、そのときの立場ではそうすることで、自分の利益になったからそうした…ということだし、自分が批判の矢面に立たされた場合は、自分がかつて他者にした批判を自分に向けることは、自分の不利益になるのでそうしない…というだけのことだ。
自分の目先の利益を第一に考えるため、そうなってしまうのだ。
メタ認知ができない
ここまでのことで、利己的な人はメタ認知ができていないことがわかる。
メタ認知とは、自分を客観視する能力のことであり、自分視点から他者視点に切り替えて、自分の思考や行動を観察する能力のことだ。この能力があれば、自分に甘く他人に厳しいとか、矛盾するような言動をして、まわりからの信用を失う…という自分本位の行動を控えるようになる。
第三者目線からそのことがどう見えるか…ということを理解できるためだ。
手前勝手な理屈で納得する
利己的な人は、自己矛盾に対し、手前勝手な理屈をつけることがある。
利己的な人でも、自分に甘く他人に厳しいことや、矛盾するような言動をしたとき、「少しおかしいのではないか…」と思うことがある(笑)。だがそんなときは、言い訳をしたり自己を正当化したりする。そして、自分を納得させたり、「他人にはわからない」とうそぶくことになる。
どこまでも、利己的なのだ(笑)。
他人の利益を侵害する
利己的な人は、他人の利益や不利益に無関心だ。
なので、他人の利益を侵害し自分の利益を大きくしようとする。ビジネスを自分でやっている人であればわかることだが、他人の利益と自分の利益がトレードオフになることがある。
たとえば、自社の商品やサービスの価格を上げると、自分の利益になるが、顧客にとっては不利益になる。
もちろん、商品やサービスの価格を上げた場合、客離れが起こって不利益になる…というケースもあるが、独占に近い形態の場合や競合も同様の動きをしている場合、自分の商品やサービスが十分に差別化できている場合は、価格を上げると、その分がそのまま自分の利益になるのだ。
やりすぎがわからない
だが、これもバランスの問題で、やりすぎると問題になる。
ビジネスの場合は、その「やりすぎ」が数字になってあらわれる。
したがって、その数字をみながらバランスを調節する、ということが可能になるのだが、人間関係の場合は(やりすぎが)数字であらわれるわけではない。なので、利己的な人は、他人の利益を侵害しがちになるのだ。※自分の利益のために他人の利益を侵害しても、気づきにくいのだ。
理不尽な要求をする
利己的な人は、 他人に理不尽な要求をする。
これは、自分の利益を考えるあまり、他人の利益を疎かにするので、そうなるのだ。このタイプの人が上司になると、部下はとても苦労する。利己的な上司は、自分の利益のために、部下を利用しようとするためだ。
※利己的な上司は、部下の成長を考えて、無理難題を押し付けているわけではない。
出典:職場の面倒な人や厄介な人の特徴6つ
部下の成長を考えて、実力以上の仕事を割り振る上司がいる。
だが、利己的な上司の場合は、部下の成長を考えてそうするわけではない。
自分の利益のために、部下を利用しようとするのだ。したがって、理不尽ともいえる要求をしたり、部下の都合や心情を全く考えずに、自分勝手な要求をする…ということになる。結果的にでも部下の成長につながることであればいいのだろうが、そうではないことが多々ある。
自分の利益に基づく要求(他者のことを考えない要求)だからそうなるのだ。
聞く耳を持たない
利己的な人は、聞く耳を持たない。
1)自分が正しいと思っている、2)人の頼みを聞くと、自分の利益が侵害されると思う、3)間違いを認めると、自分の利益を損なうと思う、4)利己的なことを指摘されるのが嫌、などの理由から聞く耳を持たなくなるのだ。
1)自分が正しいと思っている、については、自分が正しいと思いすぎると、人の意見を聞くこと自体が面倒になる。そんなことは、「時間の無駄だ…」と思ってしまうのだ。
2)人の頼みを聞くと、自分の利益が侵害されると思う、については、人の頼みを聞くことで、自分の時間や労力を使うことになり、損をすることになるので嫌だ…ということだ。
こじらせて嘘をつく場合も…
3)間違いを認めると、自分の利益を損なうと思う、については、言葉どおりだ。
明らかな間違いであっても、利己的な人は自分を守るために、言い訳をしたり、他者に責任転嫁しがちだ。さらに、言い訳や責任転嫁を超えて嘘をつく場合もある。
自分の利益を損なうぐらいであれば、嘘をついた方がいい…という判断になるのだ。
※自己利益のためなら、嘘までつくことがある。
4)利己的なことを指摘されるのが嫌、については、自分が利己的であることを認めたくないし、利己的云々に触れられること自体が嫌だ…ということだ。どこまでも自己中なのだ(笑)。
利己的な人の心理と特徴 - サマリー
まとめ
今回は、利己的な人の心理と特徴について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)認知の歪みがある、2)自分に甘く他人に厳しい、3)メタ認知ができない、4)他人の利益を侵害する、5)聞く耳を持たない、の5つだ。
こうしてみると、かなりダメな人…という印象を受ける。
中には、仕事ができる利己的な人もいるが、その人がほかの人に影響力を持つことはない。仕事ぶりで誤魔化しても、そのうち人間性が見抜かれてしまい、何だあの人は…ということになる。
利己的な人とつき合ってもいいことはないので、そんな人とは距離を置いた方がいい。もし、自分が「利己的な人」になっているのでは…と思うのであれば、危機感を持ち改善することだ。
今回の記事:「利己的な人の心理と特徴5つ」