食事をおごってもらう、というシチュエーションがある。
異性間であれば、男性が女性におごる、というシーンがよくある。同性間であれば、先輩が後輩におごる、会社の上司が部下におごる、というシーンが(減っているとは思うが)あると思う。さらに、もしかすると、後輩におごってもらう、というシーンもあるかもしれない。
いずれにせよこのシーンで問題になるのが、おごられる時のマナーだ。あなたは、そのマナーを心得ているだろうか。今回は、食事をおごられる時のマナーについて書いてみる。
目次
- 目次
- 相手に「おごりですか?」と聞かない
- 相手の注文に合わせる
- 相手の立場で考える
- お店や料理のことをほめる
- 無視するのは不自然になる
- 払いますと言い張るよりも…
- 支払う人の視界から出る
- 感謝の気持ちを伝える
- 奢る方はお礼を求めている
- 奢ってよかったと思ってもらう
- 後日お礼を述べる
- まとめ
相手に「おごりですか?」と聞かない
相手に「おごりですか?」と聞かない方がいい。
先輩に食事に誘われたとき、思わず「おごりですか?」と聞いたことがある。
※汗顔の至りだ(汗)。
そのときはまだ20代前半で、「甘え+調子に乗っていた」ということもあると思う。
その先輩は、明らかに気分を害した様子だった。
おごるつもりだったかどうかはわからないが、もしおごるつもりであっても、後輩から「おごりですか?」と聞かれたら、こいつはおごりでなければ、オレとは食事をしないのか、デリカシーのない発言をする奴だな…と気分を害し、おごることをやめるかもしれない。
調子にのって、「おごりですか?」と聞いてはいけない(笑)。
※結局、その一言で先輩との食事は中止になった。
相手の注文に合わせる
食事の注文は、相手に合わせた方がいいだろう。
相手と同じぐらいのレベルの料理を選ぶ、ということだ。
相手が松竹梅の「竹」なら、自分も「竹」にする。相手に遠慮するのは良くないので、少しぐらい高くても自分の食べたいものを選べばいい…という意見がある。だが、もし相手が細かい人だったり、神経質な人であれば問題になるかもしれない。
普段自分では絶対頼まないのに、他人のお金だと頼むのか、おごる自分よりも高いものを選ぶのか、意外と無神経な人だな、利己的な人かもしれないな…と感じる可能性があるためだ。
相手の立場で考える
また、自分がおごる立場であれば…と考えると、「出費が大きくなるのは困る…」という気持ちがある(笑)。なので、相手の財布も自分の財布と同じように考えた方がいいと思うのだ。
※相手が自分と(経済的に)同じレベルであれば、特にそうだ。
もちろん、遠慮のしすぎは、相手に気を遣わせたり、失礼にあたることもある。したがって、そことのバランスなのだが、相手が松竹梅の「竹」なら、自分も「竹」にすることが無難だ。
高くても、「竹+」ぐらいだろう。松まで行ってはいけない。
お店や料理のことをほめる
おごられるときは、お店や料理のことをほめたい。
料理が口に合わないとき、そのまま正直に口にする人がいるが、大人の世界では、正直に感想を言えばいい…というものではない。おごられている、という立場を考えて、発言した方がいい。
※悪いことやネガティブなことは言わない…と決めておいた方がいい。
相手が選んだお店の場合は、お店のこともほめたい。
お店をほめることで、「このお店を選んだあなたのセンスは素晴らしい」というメッセージを、相手に伝えることができるためだ。お店をけなせば、逆のメッセージが相手に伝わることになる。
※相手を間接的にほめたい。
無視するのは不自然になる
また、料理について何も言わないのもよくない。
会食の席で、出された料理について話すことは、ごく普通のことだ。それなのに、料理について何も言わない、ということになると、相手は「料理が不満なのかな」、「口に合わないのかな?」と思うだろう。たとえ料理が口に合わなくても、食感や盛り付けなどほめる点はあるはずだ。
払いますと言い張るよりも…
食事をおごられるとき、「払います」と言い張る人がいる。
食事をおごられるいわれがないとか、食事をおごられることで相手に借りを作りたくない、ただほど高いものはないから…ということで、頑なに「払います」ということになるのだろう。
ただこの態度は、おごる人からすると、「感じ悪い」ということになる。
こちらの好意を拒絶された、拒否された…と感じるためだ。相手に下心があれば別だが、純粋な好意からおごってくれる…ということであれば、素直におごられた方がいいだろう。
※相手の気持ちも考えて、おごられ上手になった方がいい。
相手に借りを作りたくないのであれば、「今回はお言葉に甘えて…次回は払います」と言えばいい。この方が、頑なに「払います」と言い張るよりも、感じが良くなることは確かだ。
※ただし、相手の下心が見えれば、言い張ってもいいと思う(笑)。
支払う人の視界から出る
支払い時に、支払う人の視界に入らないようにしたい。
会計時の姿は見られたくない、という人がいる。たしかに、金銭のやり取りをするシーンというのは、(カード払い等を含めても)スマートなそれではないし、見世物でもないためだ。
おごられる側がレジの傍に立つ、というのはNGだ。
なので、支払う人の後方に控える、というのがいいだろう。
もちろん、ピタッと背後につくのは良くない。少し離れた位置で控えるべきだ。先にお店から出るように言われたときは、その指示にしたがって、お店から出たところで相手を待てばいい。
ただし、自分からさっさとお店から出るのは、NGだ。
感謝の気持ちを伝える
終わり良ければ総て良し、という言葉がある。この言葉どおりで、食事が終わった後、感謝の気持ちを伝えることが非常に大事だ。ここが上手にできないと、すべてが台無しになってしまう。
奢る方はお礼を求めている
好意でおごる方は、おごることに対する見返りを求めているわけではない。
見返りは求めていないが、お礼は求めている。ここを勘違いしないことだ。そもそもおごってもらってお礼をいうことは、人として当たり前のことだし、相手が求めていることでもあるので、キチンとお礼を述べたい。お礼を述べるときは、しっかりアイコンタクトして頭も下げよう。
※「満足した」という笑顔だと、なおいいだろう。
奢ってよかったと思ってもらう
おごってもらうときの目標は、おごってよかったと思ってもらうことだ。
目標を立てると、おごってもらうことにも別の意味が出てくるので、おすすめだ。
おごってよかったと思ってもらうために、注文を相手に合わせたり、お店や料理のことをほめたり、デリカシーのない発言を控えたり、支払い時に視界に入らないように気を遣うのだ。
中でもお礼を述べることは、最も大事なことで締めになる。それが、おごってもらうことに対するお返しだと考えてもいい。そうすれば、相手はおごってよかった…という気持ちになる。
後日お礼を述べる
後日、会ったときにひと言お礼を述べたい。
人は、おごられたときは早めに忘れるが、おごったことはなかなか忘れない…というある意味やっかいな性質がある。なので、おごられたときは、「受けた恩は石に刻む」を実践することだ。
※当日お礼を言ったからそれでいい…ということではない。
おごってくれた人に翌日会うのであれば、顔を合わせたときに、「昨日はありがとうございました」、「ごちそうさまでした」とお礼を言いたい。数週間、数ヶ月後に会うのであれば、その際に、「この前は、ごちそうさまでした」、「この間は、ありがとうございました」とお礼を述べたい。そう言われて悪い気のする人はいないし、さらに、よくできた人だな…と思うだろう。
まとめ
今回は、食事をおごられる時のマナーをまとめてみた。
支払い時に自分の財布を出す・出さないといった細かいテクニックもあるが、そこは割愛した。ちなみにこのテクはむずかしく、相手に「あざとい奴だ…」と思われる可能性もある(笑)。
おごられるときは、自分がどのように振舞えば、おごってくれた人に「おごってよかった」と思ってもらえるのか…と考えて行動したい。それが、おごってもらった「お返し」になるのだ。
あなたが上司や先輩に奢ってもらうときは、この話を思い出してほしい。
今回の記事:「食事をおごられる時のマナーをまとめる」