前回、「結果は後からついてくる」について書いた。
時系列から考えても、結果が後からついてくることは間違いない。
ただ、ここで言う「結果」とは、「良い結果」のことだ。なので、良い結果を出すために、何をするか…ということが大事になる。ただ単純に、結果は後からついてくるから、(それを信じて)努力を続ければいいというものではない。※「落とし穴」というものがあるのだ。
今回は、「結果は後からついてくるの落とし穴」について書いてみたい。
目次
困難から逃げる
困難から逃げる口実になる
結果は後からついてくるが、困難から逃げる口実になることがある。
ある有名人は、「結果は後からついてくるという感覚は持てないだろうし、持ちたくもない」、「人としての深みや人間的な成熟にはつながらない言葉だ…」という主旨の発言をしている。
出典:結果は後からついてくる
この発言は、イチローのものだが、
イチローは、「結果は後からついてくる」というスタンスは、困難な状況から逃げている印象になる、とも述べている。自分に困難を課すことなく、自分のできる範囲で(余力を残して)努力をしているにすぎないため、大きな結果を残すことはできないのではないか…ということだろう。
たしかに、そういう部分はあるのかもしれない。
困難から逃げていないかチェックする
ブログの例で考えると、
数年で「30万PV集める」という目的は、高い目的だ。ここから逆算して、半年や1年当たりの数値を出してながめると、「これは無理だ…」と思い、萎えるかもしれない(笑)。
出典:目標の立て方|仕事や人生に役に立つ
高い目標を掲げてチャレンジする、という方法がある。
だが、実際に高い目標を目の当たりにすると、「さすがにこれは無理だ…」という気持ちになってしまう(笑)。なので、高い目標を掲げて、逆算アプローチでサブの目標を設定するよりは、今の実力から積み上げる、「積み上げ型」のアプローチをとった方がいい、ということになる。
※わたしは、実際にそうしている。
困難から逃げているかも…
だがこのことは、「困難から逃げている」とできなくもない。
短期間で大きな成果を出す人は、あえて高い目標を設定し、困難に挑戦するタイプの人かもしれない。なので、「結果は後からついてくる」とする人は、この点に留意する必要がありそうだ。
イチローの言葉にある、人としての深みや人間的な成熟云々については、創意工夫しながらPDCAをがんがん回す人には、(頭を目一杯使う&経験値が高くなるので)自然とそのような魅力が備わる…ということだろうか。※もちろん、有名人の言葉だから正しいとはならないが(笑)。
正しい努力ができない
正しい努力ができない可能性がある
結果は後からついてくるでは、正しい努力ができない可能性がある。
結果は後からついてくるので、現状の努力を続ければいい…となりがちなのだ。
以前の記事で、間違った努力とは、1)方向を間違えた努力、2)誤った目標に基づく努力、3)好みと一致しない努力、4)完璧主義に基づく努力、5)アウトプットしない努力、6)人に助けを求められないために生じる努力、7)相対的に劣る努力、とした。
出典:結果は後からついてくる
なので、これらの「間違った努力」をしている可能性がある。
前回の記事で、1)方向を間違えた努力、について述べたので、今回は、2)誤った目標に基づく努力、について少し書いてみる。これは、個人的に経験した、誤った目標に基づく努力の例だ。
誤った目標に基づく努力をしていないか
以前、ある民間の資格を取ったことがある。その資格をとるために、それなりの時間と労力を費やしたが、今はその資格を放棄した。資格を維持するためのコストが、(リターンに比べ)かなり高いためだ。※資格ビジネスになっている。
出典:努力は必ず報われる…は嘘です
資格をとる場合は、まず何のために資格を取るのか…と考えなければいけない。
履歴書に書けるから、自分の努力を(簡単に)他人に認めてもらえるから…という動機もあるだろう。それらも立派な理由だとは思うが、たとえば、自分が起業してビジネスを行うのであれば、その(ビジネスとは関係の薄い)資格をとるために、リソースを消費することには問題がある。
そのリソースを自分のビジネスのために使った方が、有意義になる可能性が高いためだ。誤った目標を立てて努力をすると、正しい努力にはならない。※無駄走り、をするようなことになる。
正しい努力かどうかチェックする
なので、正しい努力かどうか常にチェックすることが必要になる。
まず、目標が正しいのかどうか、そして、目標を達成するための努力が正しいのかどうか。
その順番(大 ⇒ 小)でチェックしたい。
前回の記事でも書いたが、正しい努力とは、目的の方向に真っ直ぐ伸びる努力のことで、間違った努力とは、目的に達するまで(無駄な形で)グネグネと紆余曲折のある努力のことだ。
人に時間が無制限にあるのであれば、後者の努力でもいいのだが、残念ながらそうではないので、前者の努力を目指すべきだろう。「その努力は正しいのか?」と常に自分に問いたい。
自分に合う方法を選ぶ
自分に合う方法を選ぶことが大事
自分に合う方法を選ぶこと、が大事だと思う。
イチローのような逆算型でも、そうではない積み上げ型でもいいと思う。
※どちらにも一長一短がある。
わたしのイメージだが、逆算型はハイリスク・ハイリターンで、積み上げ型は、ローリスク・ローリターンだ。逆算型は、比較的遠い将来の話であるため、希望込みで目標が高くなりがちだ。
そのため、その目標を達成するためにかかる負荷が大きくなり、途中で挫折しやすくなる。ただし、それを乗り越えることができれば、比較的大きなリターンを得ることができるだろう。
積み上げ型の努力は…
積み上げ型は、比較的無理をしない形で努力を積み重ねて行く、という形になる。
なので、心身にかかる負荷は小さくなり、続けやすくなり、リスクは小さくなる。ただしその分、リターンも小さくなる、ということだ。※もちろん、長い目で見れば、ローリターンではない。
積み上げ型でも、積み上げる%を大きくすることで、ハイリスク・ハイリターンの方向に持っていくことは可能だ。ただしそうすると、ハイリスク・ハイリターンのリスクが生じることになる。
こう考えると、どちらの方法が優れている…ということではないと思う。
どちらの方法が自分に合うか、が問題なのだ。
積み上げ型を選択している
わたしは今現在は、「積み上げ型」を選択している。
常に実力の「2割増し」というイメージで、積み上げたいと考えている。
なぜ、逆算型ではなく、積み上げ型かというと、ハイリスク・ハイリターンは、自分には向いていないな…と思うことが、ひとつの理由だ。ハイリスクには、心身の健康を害する、ということもあり、そこは避けたいと考えているのだ。
また、先に積み上げ型でも、「長い目で見れば、ローリターンではない」と書いたが、長期的にみれば、それなりのリターンを得ることができる、と考えている。コツコツ積み上げるというアプローチには、意外な力があるのだ(ブログで1記事/3日で書けば、120記事/年書ける)。
ほどほどは悪くない
また、ほどほどがいいのではないか、と思っている。
※ほどほどには、「積み上げ型」が適しているのだ。
実力を「100」とすると、その二割増しは120になる。
120を目標にして、その9割達成すれば、108だ。
その結果、108-100(元の実力)=8で、「8%」成長したことになる。毎年8%成長すれば、9年で倍になる。これは大したもので、それぐらいでいいのだろうと思う。
出典:目標の立て方|仕事や人生に役に立つ
急速に成長すると、必ずその反動がやってくる。
そこをジッと耐えることができれば、その後の成長につながるのだが、そのようなアップダウンが激しい状態よりも、少しずつでも安定的に成長する方が「自分に合うだろう」と思うのだ。
自分に合う方法を選ぶことは、正しい努力をすることにつながると思う。
結果は後からついてくるの落とし穴 - サマリー
まとめ
今回は、「結果は後からついてくるの落とし穴」について書いた。
結果は後からついてくる、という言葉はとても正しい。現状を結果だとすれば、現状は過去の努力などについてきたものだ。努力や先行投資が先にあるわけで、現状が先にあるわけではない。
※あえて言えば、「逆算型」は、結果を先に求めるアプローチになる。
ここで大事になるのが、自分にとって「正しい努力なのか」ということだ。他人にとって正しい努力でも、自分にとってそうではない…、というケースもあるだろう。なので、「結果は後からついてくる」と考えていればいいのだが、正しい努力なのかどうかのチェックは常に必要になる。
今回の記事:「結果は後からついてくるの落とし穴」