職場のコミュニケーションは、上手くいっているだろうか。
職場のコミュニケーションが上手く行かず、人間関係も微妙で悩んでいる…という人もいるのではないだろうか。その場合は、コミュニケーションのやり方に問題があるのだろうと思う。
今回は、職場のコミュニケーションに役立つ話を書いてみたい。
目次
- 目次
- 相手を承認する
- 存在を認め聞く耳を持つ
- 最初に結論を述べる
- ネガティブな結論の場合
- クッションが必要になる
- ナンバリングする
- 結論に至る経緯を説明する
- 相手に合う話し方をする
- 声を張り明瞭に話す
- 肯定で締める
- まとめ
相手を承認する
まず、相手を認める、承認する、という気持ちが必要だ。
※相手を尊重する、と言い換えてもいいだろう。
人間ができた人は、自己承認のチカラが強いので、他人からバカにされた…と感じても大したダメージは受けないが、大抵の人はそうではない。他人から(自分は)「認められていない」と感じると、欲求が満たされず(シッシと門前払いされたような感覚に陥り)不快に感じるのだ。
出典:もっと人に伝えるためには?人に伝える方法#2
人には承認欲求というものがある。
なので、「認められていない」と感じると、欲求が満たされず、不快な気分になる。
話しかけたとき無視されたり、あいさつしても、あいさつを返さない人がいると不快になると思うが、それは、「自分が認められていない」と感じるためだ。※承認欲求が満たされないため。
存在を認め聞く耳を持つ
したがって、相手の存在や考え、話すことなどを承認することが必要になる。
承認することと同意することは違うので、承認したから同意した、ということにはならない。
用心深い人は、「承認 ≒ 同意」だと思い、相手を容易に承認しないところがあるが、それは明確な間違いだ。あなたの存在を認め、話すことにも聞く耳を持ちますよ…という態度でいいのだ。
最初に結論を述べる
報告などの際は、最初に結論を述べたい。
結論から言いますと…と、伝え始める人がいると思うが、その人は、「結論から伝える」という意識を持っている人だ。仕事ができるタイプの人に多いのではないだろうか。
人に伝えるときは、「逆ピラミッド」を意識したい。
ものごとをわかりやすく説明する方法として、「逆ピラミッド」というものがあります。「逆三角形」でもいいでしょう。重要度の高いものから説明していく、という考え方です。具体的には、「結論 ⇒ 根拠 ⇒ そのほかの情報」の順で話します。※最も重要な「結論」が最初です。
出典:伝える力と技術|相手に「伝える」方法5つ
これは、重要度の高いものから説明していく、という考え方だ。
結論、根拠や経緯(いきさつ)、背景、私的な感想、そのほかの情報などがあるとき、最も重要度の高いものは、「結論」だ。そして、相手が聞きたがっていることも「結論」である。
したがって、報告などの際は、結論から話せばいいのだ。
ネガティブな結論の場合
ただ、ネガティブな結論の場合どうすればいいのか…ということがある。
相手をがっかりさせるような結論の場合、どう伝えればいいのか…ということだ。
以前会社で、「最初に結論を伝えることがいいことだ」と何の疑いもなく思っていたために、相手の期待に添わない結論を最初にドンと伝えて、相手が鼻白むということがあった。
なので、ネガティブな結論の場合は、クッションが必要なのだろうと思う。
クッションが必要になる
単純に、「お役に立てず申し訳ありませんが…」などのクッション言葉を使うという方法がある。
さらに、結論ファーストという原則をやや崩し、「実はこういう理由・事情がありまして…」という形で簡潔に説明したあと、ネガティブな結論を述べる…という方法もあると思う。
相手は、「実はこういう理由・事情がありまして…」という段階で結論を察するため、「不意打ち」という形ではなくなる。※不意打ちは、衝撃が大きいので好ましくないと思う。
ガチガチに(どんなときでも)「結論から話す」と考える必要はない。
ナンバリングする
用件が複数あるときは、ナンバリングしたい。
たとえば、「用件が3件あります」として伝えることだ。
この時点で聞き手は、3つのことを聞けばいいんだな…と理解できます。そして、聞くための集中力が増すと思います。いつ終わるかわからないような話を聞かされると、集中力がぼやけますよね?その結果、話を聞かない、ということになりかねません。それを防ぐ効果があります。聞き手は、「こう聞けばいいのだ」、「こういう話になるのだ」とわかれば、ストレスがなくなります
出典:伝える力と技術|相手に「伝える」方法5つ
冒頭でそういえば、聞き手は、3つのことを聞けばいいんだな…と理解できる。
話のロードマップが見えるのだ。聞き手は、「こう聞けばいいのだ」、「こういう話になるのだ」とわかれば、ストレスがなくなり、集中力を保ちながら相手の話を聞くことができる。
※話がいつまで続くのかわからなければ、途中で集中力を失うことになる。
このときも、重要度の高い順で話したい。
結論に至る経緯を説明する
最初に結論を述べたあとは、結論に至る経緯などを説明する。
このとき、どうしてそういう結論になったのか…という理由も述べることになるが、
注意すべきは、「言い訳をしない」ということだ。
これまでに、あなたもつい言い訳をしてしまった…ということがあるはずだ。そのときの相手の表情を思い出してほしい。「なんだかな~」という顔をしていたり、表情を曇らせていたり、相手が上司などの場合は、厳しい表情をしていたはずだ。
出典:会社で言い訳をしない方がいい理由
事情の説明と言い訳の線引きがむずかしい…ということはあるが、
「責任を取りたくない」、「批判や非難を受けるのが嫌」、「あやまるのが嫌」という自分本位の思いが全面に出てしまい、それが相手に伝わる説明が言い訳になるのだろうと思う。
なので、そうなっていないかチェックすることが必要だ。
また、報告などのシチュエーションでは、ノイズに等しい情報は不要だ。根拠のない話やバイアスのかかった情報は、ノイズと大差ない。個人的な感想も、その類の情報になることがある。
※個人的な感想になる場合は、前置きとしてそう述べておいた方がいい。
相手に合う話し方をする
相手のことを考え、相手に合う話し方をしたい。
できる人は、聞き手の属性から、どのような表現を使えば理解してもらえるか、使ってはいけない言葉(専門用語など)はあるか、などをよく考えています。むずかしい話をわかりやすくする「たとえ話」も上手です
出典:伝える力と技術|相手に「伝える」方法5つ
コミュニケーション能力の高い人は、相手に合う話し方をする。
聞き手の知識などを考えて、相手が理解できるように伝えるのだ。
逆にできない人は、聞き手がどうのこうのではなく、自分が話したいように話す。厳密さを求めるあまり、むずかしく話してしまう人もいるが、大抵の場合は、厳密さよりも相手の理解の方が重要だ。相手が理解してくれないと意味がないので、相手の理解を優先して考えた方がいいのだ。
声を張り明瞭に話す
ぼそぼそと聞き取りにくい形で話すのはNGだ。
それは、相手に合わない話し方というか、万人に合わない話し方だ。
自分に自信のない人や話す内容に自信がない場合は、声が小さくなりがちだ。だが、それでは良いコミュニケーションにはならない。
張りのある声を出すためには、お腹から声を出すとか、とりあえず「そうですね」のような、リードの言葉を出してみて、本来言いたいことにつなげる…という方法がある。そうすれば、先に定型フレーズで声を出している分、声を出しやすくなるのだ。
※よくインタビューなどで、「そうですね」から答える人がいると思う。
肯定で締める
話の最後は、「肯定」で締めたい。
これは、コミュニケーションの後味を良くするためだ。
誘いを断るときでも、「お誘いありがとうございました」、「お気遣いありがとうございました」、「これに懲りずに、また誘ってください」と笑顔で締めることで、後味が良くなる。
※後味は、残るものなので大事なのだ。
相手が「誘って損した」、「もう二度と誘わない」と思うのであれば失敗で、「今回は断られたけれども、また誘ってみようかな…」と思うのであれば、上手なコミュニケーションになる。
コミュニケーションの後味が良くなるように気を配りたい。
まとめ
今回は、職場のコミュニケーションに役立つ話を書いてみた。
1)相手を承認する、2)最初に結論を述べる、3)ナンバリングする、4)結論に至る経緯を説明する(言い訳をしない)、5)相手に合う話し方をする、6)肯定で締める、の6つだ。
最も基本的なことは、相手を承認しつつ、肯定で締める、ということだ。自分を承認できていない人は、他人も承認できない…ということがあるので、まずは自分を承認したい。自分で「自分には価値がない…」と思っていると、他者からもそう思われてしまうことになりかねないのだ。
今回の記事:「職場のコミュニケーションを楽にする方法」