断われなくて嫌な思いをした…ということがあると思う。
「断わるスキル」というのは、生きていく上で大事なスキルだと思う。このスキルを持っているか持っていないか、他人の依頼や要求を上手に断れるか断れないかで、おおげさに言えば人生が変わってくる。なので、このスキルを(持っていなければ)持ち、磨くことが大事になる。
今回は、断わり方について書いてみたい。
目次
- 目次
- あなたが断れない理由
- 理由がどうあれ断わることはできる
- 断わる基準で断わる
- 第三者の視点から基準を決めてもいい
- 次回の依頼を断わる
- 条件をつけて断わる
- ギリギリの線を狙う
- やわらかく断わる
- 相手に誠実に伝える
- 淡々と断わる
- まとめ
あなたが断れない理由
断れない理由については、以前の記事で書いた。
そのとき挙げたのは、1)断わった後の結果が怖い、2)相手の期待にこたえたい(相手を尊重したい)、3)断わり方がよくわからない、4)気が弱い、の4つだ。※相手に同調し、断わると相手が困る、相手に迷惑がかかる、相手の機嫌を損ねてしまうから断れない…ということもある。
まずは、自分が断れない理由はどれかについて、よく考えてみよう。
理由がどうあれ断わることはできる
1番目の「断わった後の結果が怖い」と4番目の「気が弱い」は関連がある。
気が弱いから、(必要以上に)断わった後の結果が怖いと考え、断れないということがある。
本当は断っても大したことはないのに、気が弱いため普通の人以上にそのことを気にしてしまい断れない…ということはあるだろう。
3番目の「断わり方がよくわからない」については、テクニカルな問題だ。コミュニケーションスキルの問題としてもいいが、このタイプの人は断り方を学ぶことで断われるようになるだろう。
2番目の相手の期待にこたえたい(相手を尊重したい)から断れない…についても、そのジレンマを解消する方法はある。以下、上手な断り方について具体的に書いてみたい。
※上手に断ることができるようになれば、人生が変わるだろう。
断わる基準で断わる
断わるときは、断わる基準と照らし合わせて断わりたい。
理不尽な要求であるとき、こちらが不利益を被るとき、相手の要求を受け入れることで、こちらがとても嫌な気分になるとき、相手が自分でできるときや相手がすべきときなどは、断わってもいいのだろうと思う。
出典:ノーと言えない・言いたいことが言えない理由4つ
断われない…という人は、ハッキリとした基準を持っていないことが多い。
仮に断わる基準を持っていたとしても、かなり曖昧模糊としているので、「まぁいいか」ということで断われなくなる。
断わっていいのか悪いのか、自分でも判断がつかなくなるのだ(その結果、断われなくなる)。もちろん、基準を持っていても守れない…ということはあるが、まずは基準を持つことが大事だ。
その断わる基準だが、前回の記事では、理不尽な要求であるとき、こちらが不利益を被るとき、相手の要求を受け入れることで、こちらがとても嫌な気分になるとき、相手が自分でできるときや相手がすべきときなどを挙げた。
さらには、リスペクトされていない…と感じるときや自身が疲労困憊しているときも断わっていいだろう。
第三者の視点から基準を決めてもいい
また、自分と相手と会社(家族、社会)という三者の視点から、基準を定める方法もある。
たとえば、社内の同僚からの依頼であれば、 自分と相手と会社、すべての利益になるか…と考える。自分の手が空いていれば、相手の依頼を受けることで自分の利益(仕事)にもなる。なので、三者すべての利益になる…ということがある。
三者すべての利益に叶うのであれば、当然受けてもいいだろう。
二者の利益に叶う場合も、受けていいケースがある。ただし、相手の利益にしかならない…という場合は、断わった方がいいし、三者すべての利益にならない…という場合は、当然断わるべきだ。
以上の点を考慮し、断る基準を持っておきたい。
次回の依頼を断わる
次回の依頼を断わる、という方法がある。
これは、今回の依頼は受けるけれど、次回の依頼は受けませんよ…とするものだ。なので、「今回はOKするけれど、次回はなしね」ということを相手に冷静に伝えればいいのだ。
その人は、後輩の私に仕事を依頼されて、イラッとしたのだろう。しかし、ポジション的に仕事を断ることはできない。なので、イラつきながらも仕事を受けた。だがその後、あからさまに不快な表情をして、「これ以上の仕事は受けない」という主旨のことを(筋違いの理由とともに)私に述べた。※その人は、感情的になり、テンパっていたと思う。
出典:仕事の上手な断り方としてはいけないこと
まぁこういうことなのだが(笑)、この人のように感情的になってはいけない。
「今回は受けさせていただきますが、次回以降はお受けするのがむずかしいかと存じます」という感覚を持って、冷静に伝えればいいのだ。
理由が必要であれば、角の立たない無難な理由を述べておけばいいだろう。「時間的にむずかしい」、「負担の点からむずかしい」、または相手によるが「感情の問題でむずかしい」と素直に伝えてもいいのかもしれない。
この方法であれば、「今回の依頼は受ける」ということになるので、気の弱い人でも比較的断わりやすいはずだ。今回の依頼を受けることで、自分も痛みを感じるためだ。自分も嫌な思いをするのだから、あなたもそれに見合う思いをしてください…ということだ(笑)。
※つまりは、引き分けだ。
条件をつけて断わる
断わりづらい場合は、条件をつけたい。
上で述べた「次回の依頼を断わる」というのも、条件をつけるということだ。
たとえば、「今はむずかしいのですが、来週以降であればお手伝いできるかと思います」、「誰かサポートしてくれる人がいるのであれば、お受けできるかと思います」、「~であれば(なんとか許容できるので)、了解します」という表現になるだろう。
条件をつけて断わるメリットは、「自分も努力していますよ」、「歩み寄っていますよ」という姿勢を相手に示すことができる…ということだ。また、「あなたのことを尊重していますが、私のことも尊重してね」というメッセージにもなる。
なので、相手が感情を強く害する…ということはないだろう。
ギリギリの線を狙う
もちろん、相手が到底実現できないような条件をつけると、
「できないことがわかっていて、なぜそんな無理を言うのか」、「断るならストレートに断われよ」と怒りを買う可能性はある(笑)。なので、実現性のある条件にした方がいいだろう。
※ギリギリを狙えばいい。
ただし相手がその条件をOKした場合は、当然のことながら断わることはできない。なので、断わりたければ断わりたいほど、ギリギリの線を狙うことになる。それだけ難しくなる…ということだ。※条件をつければ、仮に受けることになってもまだマシだ。
やわらかく断わる
断わるときに、嫌そうな態度を示す人がいる。
表情がゆがんだり、顔を背けたり…それはそれでわかりやすいのだが(笑)、
嫌そうな態度を示されると相手は、「用件がどうこうよりも、自分が嫌われているのではないか…」と思うかもしれない。このような無用な誤解は、避けるに越したことはないだろう。
なので断わるときは、そのような態度をとらず断わることを考えたい。
やわらかい表情で、相手の顔を見て断わる…ということになる。できる人の断わり方をみていると、たいていそんな感じだ。硬い表情というよりは、やわらかい表情で相手の目をみて断わっている(相手と向き合う姿勢で、断わっている)。
一方できない人は、全力の(笑)ボディランゲージで嫌だと言う。つまり、相手と向き合っていないのだ(相手と向き合わず、逃れよう逃れようとする)。これでは、相手が不愉快になる。
相手に誠実に伝える
映画「ゴッドファーザー」で、ドンが相手のオファーを断わるというシーンがあったが、しっかり相手の顔をみて断わっていたと記憶している。
映画ではその後襲撃されてしまうが(そのとき内部の意見が割れていることを見透かされた…という理由もある)、断わり方としては、ベストに近いものだったと思う。
断わることはコミュニケーションの一部であり、嫌なことでも悪いことでもない…と考えれば、フラットな気持ちになれるのではないだろうか。自分の気持ちと正直に向き合い、それを相手に誠実に伝えることを意識すれば、上手にやわらかく断わることができるだろう。
淡々と断わる
商品の勧誘などの場合は、淡々と断わりたい。
あなたが「話をしにくいな…」、「コミュニケーションを取りにくいな…」と思う人はどんな人だろうか。私がそう思うのは、表情がなく、言葉に抑揚もなく発する言葉が短い人だ。
※冷たい機械のような印象を受ける人だ。
昔のことだが、使っていた家電が壊れたので、修理についてメーカーに問合せをしたことがある。普通であれば、カスタマーセンターの訓練された人が対応する…ということになると思うが、そのときは、技術系の社員のような人が電話に出た。
※はっきり覚えていないが、修理の窓口に電話したのかもしれない。
その人が異常に話しづらかったことを覚えている。先に書いたように、言葉に抑揚がなく発する言葉が短いためだ。聞かれたことしか答えない、短くしか答えない…という感じだった。相手に対してへりくだるということもないし、フラットで冷淡な対応だったのだ。
※単なる修理手続きの問い合わせだったが、クレームだと思われたのかもしれない(笑)。それとも、クレームに備えて身を固くしていた、言質を取られないように身構えていた…ということかもしれない。
なので、本当にしつこい人や望まない商品の勧誘などの場合は、こういう態度をとればいいだろう。相手はやりずらさを感じたり、嫌になったりして会話をやめようと思うだろう。
冷静に機械的に淡々と断ることだ。
まとめ
今回は、断わり方について書いてみた。
今回の記事で書いた断り方は、1)断わる基準で断わる(基準と照らし合わせて断わる)、2)次回の依頼を断わる、3)条件をつけて断わる、4)やわらかく断わる、5)淡々と断わる、の5つだ。
まずは、自分なりの「断わる基準」を持つことが大事だ。
その基準をまとめると、1)理不尽な要求であるとき、2)こちらが不利益を被るとき、3)相手の要求を受け入れることで、こちらがとても嫌な気分になるとき、4)相手が自分でできるときや相手がすべきとき、5)リスペクトされていない…と感じるとき、6)自分自身が疲労困憊しているとき、7)三者の利益から考えて不当なとき、となる。※順番に特に意味はない。
ほかにもあるかもしれないが、自分なりの「断わる基準」を持っておきたい。
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今回の記事:「上手な断り方5つ|断わるスキルがあなたを変える」