自分の「物事の見方」について、考えたことがあるだろうか。
それを大きく分ければ、1)良い面を見る、2)悪い面を見る、3)どちらでもない、ということになる。
行動力に欠け、物事がうまく進まない…という人は、主に「悪い面を見る」人ではないだろうか。そういう自覚があるのであれば、物事の見方を変えることで人生を好転させよう。
今回は、人生が好転する物事の見方について書いてみたい。
目次
望ましい物事の見方は
見方には両面ある
物事や出来事の良い面を見ることが大事、とよく言われる。
物事や出来事には、必ずいい面と悪い面がある。そうであれば、悪い面を見てネガティブになるより、いい面を見てポジティブに考えた方がいい…ということだ。この話に異論はない。そのとおりだろう。
たとえば、「世の中の変化が激しい」という状況には、「変化が速すぎてついていけない」、「将来どうなるかわからず不安だ」、というネガティブな気持ちを想起させるような面がある。
と同時に、「変化には可能性が潜んでいる」、「変化はチャンスでもある」というポジティブな気持ちを想起させるような面もある。※浮かび上がるチャンスである、とすることもできる。
良い面を見た方がいい
この場合、どちらの面を見ればいいのか…というのは、明らかだ。
悪い面を見て、「変化が速すぎてついていけない」、「将来どうなるかわからず不安だ」としても、身が縮み足がすくむばかりで何もいいことがない。失うことを恐れるだけになってしまう。
いい面を見て、「変化には可能性が潜んでいる」、「変化は(自分にとり)チャンスでもある」とすれば、主体的な行動につながる。成果を出すためには、自律的で主体的な行動が不可欠である…ということを考えると、 いい面を見てポジティブに考えた方がいいのだ。
良い面を見ることは…
一方で、物事や出来事の良い面を見ることはむずかしい。
特に慎重で腰の重い人は、物事や出来事のいい面に目を向けて積極的に評価できない。
逆に、悪い面には敏感で、それが小さくささいなことであっても、丁寧に拾い上げて大きく評価する…ということがある。※慎重で腰の重い人は、悪いことに対する感度が人一倍高いのだ。
その理由だが、いいことは放っておいても問題にならない、ということがある。
一方、悪いことは放っておくと(そのうち表面化し)問題になる。だから、いいことは放置して悪いことに目を向けよう…となるのだ。この現象は、「損失回避性」で説明できるのだろう。
物事の悪い面を見がち
人は損に敏感である
人はどうしても、「得」よりも「損」に敏感になってしまう。
たとえば、投資で「1勝9敗」であればひどい成績だな…と感じる。
一方、「9勝1敗」であればすばらしい成績だ…と感じ、それを目指してしまう。
しかし、トータルの収益を比べれば、「1勝9敗」の方が優れている…ということは普通にあるのだ。損が嫌で負け数を減らそうとすると、(皮肉なことに)トータルの収益で負けてしまう…ということが普通にある。
※これは、初心者の典型的な負けパターンだ。
たとえばブログでも…
ブログの話でも、悪い面を見ることは簡単だ。
わたしはこれまで1年以上かけて300記事を超える記事を書いてきたが、「今後も同じように記事を書いて行けるのだろうか」という不安がある。
これからの記事は、単に以前書いた記事の焼き直しになり、価値を付加することができないのではないか…、そうなると、書くモチベーションが低下し、書けないのではないか…、AIがブログを量産するようになったら、どうするのか…など、悪い面を見てネガティブに考えることはとても簡単なことだ(笑)。
マイナス面の改善に意識が…
その理由だが、人の損失回避性に加えて、「マイナス面を改善することに意識が向く」ということもあるだろう。
親や教師に(普通より強く)マイナス面を改善するよう指摘されて育つと、そうなってしまうのではないかと思う。この「マイナス面を改善すること」は、決して悪いことではないのだが、行き過ぎると弊害が出る…ということだろう。※行き過ぎはNGになる。
悪い面を見れば伸びない
物事や出来事の悪い面を見る人は、伸びずに行き詰る。
先に、「世の中の変化が激しい」という状況から、「変化が速すぎてついていけない…」、「将来どうなるかわからず不安だ」とすれば、身が縮み足がすくむばかりでいいことがない…と書いた。
つまり、悪い面をみてネガティブに考えれば、(必要以上に)守りに入り、主体的な行動ができなくなってしまうのだ。その結果、成果を出せなくなってしまう。そうなると、どん詰まりになる。
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消極的になり行き詰る
投資の例では、負けることが嫌で負けを減らそうとして、損をしてしまう…ということになる。
小さく何度も利益を出し、1回の負けで大きく負け、それまでコツコツ勝った分の利益をすべて吐き出す…ということになりがちなのだ。先に述べた、初心者の負けパターンになる。
勉強でもスポーツでも、仕事でもそうだと思うが、リスクを必要以上におそれ、消極的になってしまうと、良い結果は出ないのだ。悪い面を見るとそうなりがちだ。したがって、悪い面を見る人は言動に冴えやキレがなく、主体的に行動できず、行き詰りがちになってしまうのだ。
物事の良い面をみたい
良い面をみるためには
物事や出来事の良い面を見るためには、どうすればいいのだろうか。
ここまでの話で、1)物事や出来事にはいい面と悪い面がある、2)人には損失回避性の問題がある、3)人はマイナス面を改善することに意識が向く、4)悪い面を見る人は伸びずに行き詰ることになる、ということがわかった。
なにも考えずに自然にしていれば、2番目と3番目の引力に引き寄せられて、いい面より悪い面に注目してしまうだろう。なので、これらの引力を弱める必要がある。具体的には、「いいことは放っておいても問題にならない」を「いいことを放っておけば問題になる」と考える。
良いことを消費する
「いいこと」を放置して腐らせるよりは、消費して活用した方がはるかにいいのだ。
なので、「いいこと」を消費し、「悪いこと」は消費せず、冷静に保管しておく(受け止める)…ぐらいでいいだろう。※但し、悪い点を改善せずそのまま放置する…ということではない。
いい面を見ることのできない人は、この逆をしているのだ。なので、そこを改めればいい。
マイナスの改善は適切に
マイナス面を改善することに意識が向く、については、適正な範囲内であればそれでいい。
だが、やりすぎはマイナスになる、そうすることでいい面や長所を見たり消費したり、伸ばす機会を失う…と考えることで、「マイナス面を改善する」という意識を薄めることができるだろう。
感謝からはじめたい
まずは、現状のいい面を見て、感謝することからはじめてみてはどうか。
人や物事の良い面を探したり、あるものに感謝する、ということだ。だが、いきなり人や物事の良い面を探すのは、難しいかもしれない。そうであれば、まずは「あるもの」に思いを巡らせてみればいいのではないか?たとえば、家族や友人、スキルや趣味、財産など、誰しも何かしら「持っているもの」があるはずだ。自由や健康、若さや経験などもあるだろう。
出典:ネガティブ思考を変える方法
物事や出来事には、必ずいい面と悪い面がある…ということを考えれば、
いろいろな問題で「現在大変だ…」という人でも、感謝すべきことがあるはずだ。
苦しいときを過ごした人が、「自分が忘れていた人のやさしさを感じることができた。その結果、自分も人にやさしくなれるようになった」、「人に感謝できるようになった」という発言をすることがあるが、これは苦しい中でもいい面を見て、積極的に評価しているということだ。
だから、そのときを乗り越えることができたのだろう。
まずは、「あるもの」を意識したい。家族や友人、スキルや趣味、財産など、若い人であれば「時間」というかけがえのない財産を持っている。健康な人であれば、同様に「健康」というかけがえのない財産を持っている。そこに目を向け、評価できるか…ということが問題なのだ。
物事の見方を変える - サマリー
まとめ
今回は、人生が好転する物事の見方について書いてみた。
物事や出来事の良い面を見ることが大事なことは、多くの人が理解しているはずだ。
その理解どおり、悪い面を見てネガティブに考えるより、いい面を見てポジティブに考えた方がいい。そうすることで、 主体的な行動につながるためだ(主体的な行動は、成果につながる)。
だが、良い面を見ることは、思うよりむずかしい。シンプルに言えば、悪い面を見る方が簡単だからだ。人の良いところを見つけてほめるより、悪いところを見つけて批判する方が簡単だが、それと同じようなところがある。
なので、物事や出来事の良い面を見るためには、それなりの工夫が必要になる。
ひとつの手段は、「いいこと」を放置して腐らせるよりは、消費して活用した方がはるかにプラスになる…と考えることだ。認知をこう組みかえることにより、良い面に目が向くようになる。
先にブログの話をしたが…
悪い面を消費して、「これからの記事は、単に以前書いた記事の焼き直しになり、価値を付加することができないのではないか…」と考えて不安になるよりは、いい面を消費して、「これまでの記事のストックを利用したり、それをベースにして洞察を深めることができる」と考えた方がいいだろう。
そう考えることで、行動の推進力を得ることができるのだ。
今回の記事:「物事の見方を変える|いい面を見る」