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ボクシング|パウンド・フォー・パウンド

2017年現在における「パウンド・フォー・パウンド」のランキングです。

パウンド・フォー・パウンドという言葉は、リング誌の編集長により作られた造語で、異なる階級の選手を比較するための指標になっている。ボクシングファンであれば、「パウンド・フォー・パウンド」で情報を集めることがあると思う。どのボクサーやカードに注目すればいいのか、ということがわかるためだ。PFPのランキングで、日本人ボクサーの世界的な評価もわかるだろう。

今回は、現役ボクサーの最新のPFPランキングについて書いてみたい。尚、ランキングは、『リング誌』によるランキングを採用します(PFP=パウンド・フォー・パウンド)。

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目次

1位:ローマン・ゴンザレス|ROMAN GONZALEZ

1987年生、身長160cm、リーチ163cm。

マチュアボクシングで87戦87勝無敗、プロボクシングで47戦47勝無敗の怪物だ。ミニマム⇒ライトフライ⇒フライ⇒スーパーフライと四階級制覇を成し遂げている。その四階級制覇を成し遂げた試合がこのハイライト動画だが、相手が強豪のクアドラスということもあり、ロマゴンにはめずらしく苦戦を強いられている(それでも、2~6ポイント差の3-0の判定勝ち)。

※クアドラスにスピード負けしている場面もある。

ロマゴンはパンチのつなぎ方が上手い。強いパンチを角度を変えながら上下へ、コンビネーションで打つことができる。そして、しつこくしつこく攻めることができる(相手が根負けする)。余程体幹が強く、スタミナがあるのだろう。頭も良く、打たれ強さまで備えている。

※ロマゴンは、人柄もすぐれている。

・圧倒的な強さは失った?

ただ、フライまでの圧倒的な強さは失ったのかもしれない。プロで47戦もしているので、疲労の蓄積はあるだろうし、スーパーフライがロマゴンの適正階級ではない可能性もある。だがそれらを差し引いても、未だPFP第一位だ。頭のいいロマゴンのことだから、修正すべき点を修正し、スーパーフライにフィットしてくる可能性もある。ロマゴンを倒すのは、容易なことではない。

※現在は、シーサケット戦の敗北により、4位に転落している。

2位:アンドレ・ウォード|ANDRE WARD

1984年生、身長183cm、31勝無敗。アテネ五輪金メダリスト。

ウィキペディアによるウォード評は、「抜群のスピードとテクニックと試合の流れを的確に読む洞察力を兼ね備えた万能型のボクサー」ということだ。攻守のレベルがとても高く、パンチもスピードもある。当て感、避け感に優れた才能に恵まれたボクサーだ(神の子と呼ばれる)。

※「打たせずに打つ」を実践できるボクサーだ。

クレバーなボクサーで、試合の中で相手の戦力を的確に見極め、自分の特長をどう活かすかということを考え実践できる。そうすることで、試合の流れを手元に引き寄せるのだ。

※試合動画は、以下のコバレフの項目にあります。

3位:セルゲイ・コバレフ|SERGEY KOVALEV

1983年生、身長183cm、30勝1敗1分。

現在、PFP2位のウォードと3位のコバレフの試合のハイライトがこれだ。

この試合は、微妙なものになった。オフィシャルスコアでは僅差(1ポイント差)でウォードの勝ちとなったが、コバレフが勝っていたと考える人が多いようだ。コバレフが前半でリードし、3~5ポイント差をつけ押し切った…と見る人が多い。ちなみに、メイウェザーもコバレフの勝ちとみたようだ。コバレフは、「この判定は間違いだ。何が起こったか見ただろう」と述べている。

※ウォードは、再戦を望んでいるそうだ。

一見不器用に見えるが、しっかりした型があり、オフェンスではそこから硬くて正確なパンチが伸びてくる。左のジャブには相当な威力があり、ウォードもこのジャブに手を焼いている。

4位:ゲンナジー・ゴロフキン|GENNADY GOLOVKIN

1982年生、身長179cm、36勝無敗33KO。

ウィキペディアによるゴロフキン評は、「クリンチさせないディフェンス感と絶妙な距離感に優れ、変幻自在なストレートとフックでダウンを奪えるKO率90%を超える破壊力と爆発力を持つ選手」ということになる。たしかに、クリンチさせない技術はたいしたものだと思う。

ブレーンが制止しようとするのを逆に止めて、自分の前に並んだファンや関係者すべてにサインをしたり、ゴロフキンと対戦し敗れた淵上誠は試合翌朝にホテルのラウンジで偶然出会った際に、コーヒーを御馳走してもらい、これを機にファンになったと話すなど、真面目な青年との人物評が定着している
出典:ウィキペディア

特筆すべきはその人柄だ。自分の前に並んだファンや関係者すべてにサインをしたり、対戦した選手にコーヒーをおごったりするそうだ。また、「ファンに興奮をもたらすような劇的な試合をしたい」という主旨の発言をしている。プロとしての自覚も一流、ということだろう。

※ロマゴンと通じるところがある。

5位:テレンス・クロフォード|TERENCE CRAWFORD

1987年生、身長173cm、30勝無敗21KO。

ウォードと比べると派手さはないが、しっかりとした攻守の技術に加えハンドスピードがあり、KO率はウォードより高い。ほとんど穴のない選手で、安定感がある。相手選手からすれば、どうやって攻略すればいいのかわからない…という選手だ。負けがイメージしにくい選手だ。

※ガンボアに圧勝している。

6位:ワシル・ロマチェンコ|VASYL LOMACHENKO

1988年生、身長169cm、7勝1敗5KO。

ロマチェンコは、華のあるボクサーだ。体幹が強く多彩で強いパンチを繰り出すことができる。オリンピックを二連覇していることからもわかるように、攻守の技術は超一流だ。加えて、横の動きが独特だ。ディフェンスで横に動くのはわかるが、オフェンスで横の動きを取り入れている。プロキャリアが浅いのでまだPFP6位だが、上位にくるのは時間の問題だろう(1位もある)。

※個人的には、一番買っている選手だ。

7位:ギレルモ・リゴンドー|GUILLERMO RIGONDEAUX

1980年生、身長161.5cm、17勝無敗11KO。

ウィキペディアによるリゴンドー評は、「シャープな右ジャブ、精密機器のような正確無比な左ストレートと瞬間移動のようなステップワークが武器だが、不意に貰ったパンチでダウンや大きくふらつく事があるなど打たれ脆い面も合わせもつ」だ。小柄だが、左ストレートは迫力満点だ。ダウンも多いが、回復が早いのではないかと思う(耐えずにダウンしているのだろう)。

※五階級制覇のドネアに完勝する力を持つ。

8位:サウル・アルバレス|CANELO ALVAREZ

1990年生、身長175cm、48勝1敗1分34KO。

メイウェザーに敗れた後は6連勝しており、ミゲール・コット(四階級制覇王者)やアミール・カーン(元WBA・IBF世界スーパーライト級スーパー王者)を倒している。メイウェザー戦は、相手のスピードに翻弄され、重いパンチを当てることができず空転してしまったが、かみ合う相手であれば打ち負けするシーンがほぼない。同じPFPのゴロフキンとの戦いがみたいものだ。

9位:山中慎介|SHINSUKE YAMANAKA

1982年生、171cm、27勝無敗2分19KO。

ウィキペディアによる山中評は、「世界トップクラスとしてはパンチのバリエーションは非常に少ないが、ボクシングにおいて最も基本のコンビネーションであるワンツーを徹底して極め、回避不可の必殺技にまで昇華させている」というものだ。あえてひとつの技を磨くことを選び、それを徹底し極めることで、PFP入りできることを証明しためずらしいタイプの選手だ。

※ワンツーは、細かく分ければ20通りほどあるそうだ。

気になるのが、格下相手にもクリーンヒットを許すようになったことだ。もし対戦相手が、コラレスが内山の右を狙ったように、山中の左を狙ってきたら…危ないような気がする。ソリス戦ではそれが現実になっているが、相手がコラレス並みの力量を持っていたら、負けていたかもしれない。あと1つで具志堅の防衛記録に並ぶが、抜けるかどうかは対戦相手の力量次第だ。

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10位:井上尚弥|NAOYA INOUE

1993年生、163cm、12勝無敗10KO。

PFPトップ10ランカーの中では一番若い。キャリアも浅いが、それでもランク入りしているのだから、世界的に期待&評価されているとしていいだろう。井上の特長は、スピード、技術、パンチ力、引き出しの多さ、体幹の強さなどだ(PFPランカーは、総じて体幹が強い)。

今年はロマゴンとのビッグマッチがあると思うが、勝つための条件は良いコンディションでリングに上がり、試合中に拳を痛めないことだ。また、最近の試合では(短時間ではあるが)集中力を切らす場面がある。そのエアポケットに入るような時間を作らないことだ。それでも、あの勢いの衰えない風車のようなロマゴンの攻撃をさばけるかどうか…後半はきつくなるだろう。

※すごい試合になることは、間違いない。

まとめ

今回は、現役ボクサーの最新のPFPランキングについて書いてみた。

年齢の高い順に並べると、1) リゴンドー、2)山中、3)ゴロフキン、4)コバレフ、5)ウォード、6)ロマゴン、7)クロフォード、8)ロマチェンコ、9)アルバレス、10)井上、となる。この中で順位を上げていきそうなのが、井上尚弥を含む年齢の若い8~10の選手だ。

※まだトップ10には入っていないが、田中恒成にも期待したい。

今回の記事:「ボクシング|パウンド・フォー・パウンド」