数は少ないが、高圧的な人がいる。
そんな人と接すると、「怖い」と感じたり、「どうしてそんな態度をとるのだろう」と疑問に思ったりするものだ。ただ、普通の人でも圧力を高めることはある。自信を失い、自己肯定できなくなったときなどは、感情的・高圧的になり自分を守ろうとする…ということがあるかもしれない。
今回は、高圧的な人の心理と特徴について書いてみたい。
目次
高圧的な人がいる
職場に高圧的な人がいる、というケースがある。
人を上から押さえつけようとする言動を選ぶ人のことだ。ひと口に高圧的な人といっても、いくつかタイプがあるのだろうと思う。普段はそれほどでもないが、自分の気に入らないことがあると圧力を高める、という人がいれば、普段から他者に対する圧力が高い、という人もいる。
前者の場合は、感情のアップダウンが激しく、そのときの感情にしたがって言動を決めるタイプの人だ。後者の人も感情的だ。一方、威圧することで自分の影響力を高めようとする人もいる。威圧を武器として使うタイプの人だ。このタイプの人は、「理性的だ」としていいだろう。
※割合でいえば、感情的な人の方がかなり多いだろう。
コントロールしたい
高圧的な人は、他者をコントロールしたいと思う。
上司であれば、部下を自分の考えどおりに動かしたい、と思う。親であれば、子供を自分の考えどおりに動かしたい、と思う。そのためには、ほめたり、コミュニケーションを密にとったり、相手を尊重したり、と色々な手法があると思うが、圧力をかけることが一番簡単なのだ。
上位者である、という自分の立場を利用して圧力をかけることが、最も簡単な方法だ。実際は、そうして部下や子供が思い通りに動く、ということは(表面上はあっても)成果につながる意味ではないのだが、圧力をかけることが簡単だし効果がある、と思えるためそうするのだ。
コミュニケーション能力が低い
高圧的な人は、コミュニケーション能力が低い。
コミュニケーション能力が高ければ、自分の圧力を高め人に強いるような言動をとる必要がない。言語によるコミュニケーションを通じ相手を納得させ、自ら動くように説得することができるためだ。コミュニケーション能力が低ければ、そうできないので、威圧という方法をとる。
自分の言動をうまく説明できない人が、逆切れすることがある。「逆切れ」というのは、自分の内圧を高めて爆発する、ということなので、「高圧的になる」ということとよく似ている。高圧的な人や逆切れする人がいれば、コミュ力が低いのでは…と、仮説を立てればいいだろう。
※多くの場合、その仮説は当たっている。
人間関係において不器用である
高圧的な人は、人間関係において不器用である。
ひとつは、今述べたように「コミュニケーション能力が低い」ということがある。言語によるコミュニケーションで、相手に影響を与える、ということができないので、自分の圧力を高めることで相手に影響を与えようとしてしまう。立場を利用し、統制的にふるまってしまうということだ。
しかし、統制的にふるまえば、相手との関係が悪くなる。同じ立場であれば、「感じの悪い奴だな…」ということになるし、上司であれば、「嫌な上司だな」、「パワハラだよな」と思われることになる。高圧的な人は、「自分の圧を高めることで、他者に嫌われてもいい」と思っている。
この非合理的な姿勢は、「不器用」と形容できるだろう。
臆病である
高圧的な人は、臆病で警戒心が強い。
たとえば、自分は押しが弱い、相手に言いくるめられてしまう、言い負かされることもよくある、相手に反論できない、などと思っていれば、警戒心が強くなるだろう。そうなれば、商談などでは自分の圧力を高めて臨むことになる。自分の弱さが露呈するのはまずい、ということだ。
上司であれば、優秀な部下を警戒する、ということがあるかもしれない。その臆病な感じを自分では認めたくない、また、他人に悟られなくない、ということから、威圧的にふるまう、ということがある。臆病な自分を隠すために、自分の圧力を高め、威圧的にふるまうということだ。
※恐怖心から威圧的になる、ということだ。
自分に自信がない
高圧的な人は、自分に自信がない。
自分に自信のない人が、役職についたらどうなるだろうか。部下に「なめられたらまずい」、「見くびられたらやっていけない」、「自分の能力のなさがバレるのではないだろうか…」、と不安に駆られるかもしれない。臆病で自信がないため、そういう思考になってしまうのだ。
そこで、外面だけでも「威圧的にふるまおう」となる。部下のミスを必要以上に責め立てたり、部下の自律性を認めず、「勝手にやるな」と激怒する。そうすることで、「オレの方が上だ」ということを内外に誇示するのだ。自分の弱さをなんとか隠そうとするからこうなるのだ。
※新任の役職者などが陥りやすい罠だ。
感情的である
高圧的な人は、感情的であることが多い。
先に述べたように、威圧を武器として意識的に使っている人を除けば、高圧的な人は感情的な人である、としていいと思う。ピンとこない人は、身近にいる(いた)高圧的な人のことを考えてみればいいだろう。理性よりも感情を優先する、という人が多かったのではないだろうか。
そもそも理性的であれば、高圧的なふるまいがどんな結果をもたらすか…について、よく考えるはずだ。自分の自信のなさや臆病さを糊塗するために、威圧的にふるまおう、ということにはならないはずだ。威圧的にふるまう代償・ハレーションが大きく、成果に繋がらないためだ。
※わかっていても(感情を優先させ)合理性を欠く、ということもある。
まとめ
今回は、高圧的な人の心理と特徴について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)コントロールしたい、2)コミュニケーション能力が低い、3)人間関係において不器用である、4)臆病である、5)自分に自信がない、6)感情的である、の6つだ。こうして並べて見ると、高圧的な人は面倒な人だ、ということがわかる(笑)。
高圧的な人に対しては、ほめればいい、という意見をよく目にするが、「好意的に接する」、「愛情を持って接する」ということでいいのではないだろうか。高圧的な人は、自分の懐に入ってくる人に対しては、そういう接し方をする必要がないので、圧を高めることをしないのだ。
※内に入ってしまえば、台風の目に入るようなもので、圧力を受けずに済む。
今回の記事:「高圧的な人の心理と特徴6つ」