相手に好印象を与えたい、と思うのは普通のことだ。
初対面などで、相手に好印象を与えたい、と思うのであれば、「好印象を与える話し方」をすればいい。面接を受けるときは、そういう話し方をするためのトレーニングをすると思う。一方、日常の会話で、相手に好印象を与える話し方をするためには、どうすればいいのだろうか。
今回は、このテーマについて書いてみたい。
目次
相手のニーズを満たす
相手のニーズを満たせば、相手は好印象を持つ。
これは、会話に限ることではなく、ビジネスでも言えることだ。相手のニーズに的確に応えることができれば、相手は好印象を持つ。だが、自分勝手にビジネスを進め、相手のニーズをないがしろにすると、悪い印象を持つ。きわめて当たり前のことだが、できない人が結構いる。
会話における相手のニーズとは、共感してほしい、自分の話に関心を持ってほしい、的確に返してほしい、話をさえぎったり盗まないでほしい、自分が話しやすいようにしてほしい。また、話題を提供してほしい、自分に話をふってほしい、沈黙を何とかしてほしい、などもある。
※相手のニーズを見極めて、応えることが大事になるのだ。
話す人と話さない人ではニーズが違う
よく話す人とあまり話さない人とでは、会話におけるニーズが違う。
自分からよく話す人の場合は、「自分が話したい」という気持ちが強い。そのタイプの人が相手の場合は、相手に気持ちよく話してもらうためにはどうすればいいか…と考えればいい。
要は、聞き上手になればいいのだ。
極端な話、相づちと相手の話に対する短い(共感の)コメントだけでも、相手に好印象を与えることができる。この場合、自分はあまり発言しないことになるが、相手が「自分から話そうとしない無口な人だな…」などと、よくない印象を持つことはない。
※受けの達人になる、というイメージだ。
話さない人の場合は…
口が重くあまり話さない人のニーズは、何だろうか。
口数が少ない人でも、会話中の「沈黙の間」というのは嫌なものだ。なので、相手に対し、話題を提供してほしいとか、自分に質問してほしい、何か話してほしい…というニーズがある。
なので今度は、話し上手になればいい。相手が話をしやすい当たり障りのない話題を出してみたり、質問してみたり、相手の持ち物などをほめてみたり…ということだ。質問に対し、相手が素っ気ないと質問を重ねる気が失せるが(笑)、めげずに、相手の聞かれたい質問を探ればいい。
※相手があまり話さない人の場合は、話し上手・気配り上手になることが、「好印象を与える話し方」になる。こちらは、攻めの達人になる、というイメージだ。
好印象を与える話し方とは
人は、相手のルックスがいいというだけで、好印象を抱いてしまう。
同様の話が、発話音声にもある。
身近にいる「印象のいい人」のことを思い浮かべてほしい。彼(女)らの声や話し方自体に魅力がないだろうか。声に抑揚がある人は、(相手に)声の表情が豊かで魅力的な人だ、という印象を持たれやすい。逆に、抑揚を抑え機械的に話す人は、陰気でつまらないという印象になる。
話すスピードだが、話すスピードが速いと有能だ、という印象は持ってもらえるが、相手の印象が良くなるかどうかはわからない(悪くなることもある)。話すスピードが速くて聞き手の理解が追い付かないと、聞き手の「話を理解したい」というニーズが満たされなくなるためだ。
※相手が理解が最大になるスピードがいいだろう。相手に好印象を与える話し方をするためには、会話のルックスにあたる部分にも気を遣った方がいいだろう。
言う価値があるのか考える
口を開く前に、言う価値があるのか…と考えた方がいい。
自分が相手に聞きたいことや、正しいことでも、言う価値のないことがある。たとえば、こんな話がある。あるプロ棋士に、インタビュアーが、「なぜ、負けたのですか?」という質問をした。その棋士は質問に対し、やや憮然とした表情で、「相手に聞いてください」と短くこたえた。
要するに、相手が聞かれたくない、話題にしたくない、と思っていることは、ほとんど言う価値がないのだ。言う価値がないことは、言わない方がいい。迷ったときは、「相手が気持ちよく話せることなのか」ということを考えれば、適切な判断ができるだろう。
※これは、相手の利益を考える、ということだ。
表情はこう作る
相手に好印象を与えたければ、表情が大事だ。
以下、エビデンスに基づく話をしたい。
まず、笑顔を作ることだ。笑顔を作れないという人は、前向きで明るい表情を作ることを意識すればいい。自分が笑顔になれば、相手も笑顔になる。そして、(相手は気分がよくなるので)相手の自分に対する印象もよくなるのだ。
※ときどき、全く笑顔を見せない人がいるが、かなり損をしていると思う。
瞳孔は開いている方が、相手に好印象を与える。好きな人と話すとき、瞳孔が開き目が輝いたりするが、ああいう状態だ。相手を好きな人だと思えば、瞳孔が開くかもしれない(笑)。
また、目切り(アイコンタクトをしたあとに、目線を外す行為)が早すぎると、相手は好印象を持たない。何か後ろめたいことがあるのかな、自分のことが嫌いなのかな、自分とは話したくないのかな…と思うためだ。なので、シャイであっても、目切りを早くやりすぎてはいけない。
まとめ
今回は、相手に好印象を与える話し方について書いた。
相手に好印象を与える話し方を端的に表現すれば、「相手のニーズを満たす話し方」ということになる。なので、相手のニーズを見極めて、それに応えることが大事になる。
相手がよく話す人であれば、自分は聞き手になればいいし、相手が寡黙な人であれば、自分が話し手になればいい。相手が共感を求めているのであれば、共感を与え、アドバイスを求めているのであれば、アドバイスを与える。
言う価値があるのか考えること、適切な抑揚や話すスピード、表情などは汎用的で、相手を選ぶものではない。言い換えれば、ほとんどの人のニーズを満たす効果的な変数である、としていいだろう。
今回の記事:「好印象を与える話し方がある」