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人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

緊張して震えても構わない

緊張のあまり、体が震える…ということがある。

原稿を持つ手が震えるシーンなどは、メディアを通じてよく目にする。会社では、普段は饒舌でおもしろい人が、(初対面の)会社の重役たちの前で緊張し、震えているところを見たことがある。

※会社の重役の前で説明する、というシーンだった。

過度に緊張している人を見ると、こちらも変な感じで緊張したり、「見ている方が恥ずかしい」、「ああいう感じにはなりなくない…」と思ったりする。だが、緊張して震えてもかまわない。

今回は、緊張して震えても構わない、ということを書いてみたい。

目次

緊張して震えることがある

緊張で手が震える

過度に緊張する場面で、手足などが震える…ということがある。

人前で文字を書くとき、手が震えて書けない、足が震えてガクガクし、平常心を保つことができない、口元が震えて震え声しか出ない…ということがある。いずれも、過度に緊張した状態時におこる。

飲み会でコップにお酒を注いでもらうときに、手が震える…ということもある。

震える原因は…

体が震える原因だが、

内向的な性格で、外部刺激をストレスと感じる。外部刺激に対する感度が高い(ささいなことにも気が付くし、傷つきやすい)。自分に対する自信がなく、他人の自分に対する評価が気になる。

他人からよく思われたい、という気持ちが強い。不安を抱きやすく、不安を育てるのが得意。劣等感を持ち、それを「隠したい」という意識がある。不安定だが、プライドは高い…などがある。

※生真面目で、責任感が強い…ということもある。

震えるとカッコ悪い

震える人は、震えると「あまりにもカッコ悪い…」と考える。

カッコ悪いところを見られてしまった、自分の恥部をさらしてしまった…と、自己嫌悪に陥ることもある。まわりから、「気が小さく、自信も度胸のない人だ」と評価されてしまった。「こんなことでは、この先やっていけない」と深く落ち込むこともある。

自分に対するがっかり感は相当なもので、セルフイメージを落とす。緊張で震える人は、他者を強く意識する人なので、「恥をかいた」、「あまりにもカッコ悪い」、「もう嫌だ…」となるのだ。

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震えるとカッコ悪い…ではない

震えるとカッコ悪いには、認知の歪みがある。

震えてもカッコ悪くないからだ。以前、ある有名な賞の受賞スピーチで、やや震え気味にスピーチをした年配の女優さんがいた。その女優さんは、「わたしは歳を重ねていますが、このような場では未だに緊張します」と静かにスピーチを切り出した。

もちろん、「自信満々で堂々としている」という印象は受けなかったが、真面目で誠実な印象を受けるスピーチだった。緊張で震えるタイプの人は、(震えを活かし)その線を狙えばいいのだ。自分を「自信満々で堂々としている」と(偽って)見せようとするから、おかしくなるのだ。

※「自信満々で堂々としている」と見せようとすると、カッコ悪くなる。

震えとパフォーマンスは別にできる

緊張による震えは、パフォーマンスに悪影響を与える。

普通に考えればそうだろう。手が震えれば、字が上手く書けなくなる。口元が震えれば、声が震えてしまう。足が震えれば、まともに立っていられなくなるかもしれない。

だが、必ずしもそうではない。震えとパフォーマンスは別にできるのだ。

鳴り物入りの新しいニュース番組の第1回放送がついに始まった。笑顔でしゃべってはいるが、手のひらはびっしょり汗をかき、小刻みに震えてもいた。
出典:久米宏です。ニュースステーションザ・ベストテンだった (著)久米宏

このとき、久米さんは緊張をネタに軽妙なトークをしている。

アナウンサーが緊張のあまり手を震わす、というシーンがたまにある。そのシーンでも、緊張で喋れなくなるとか、カミカミになる…ということはない。表情にも、緊張している感じがない。

※緊張の影響がパフォーマンスに及ばないようにしているのだ。

永世7冠の手の震え

羽生善治さんが手を震わせるのは、有名な話だ。

手の震えで駒をうまく持つことができなかったり、キチンと置くことができなかったりする。震えがひどく、相手の関係のない駒を吹き飛ばしてしまう、というシーンすらあった。

羽生さんは、この手の震えについて、1)「勝ち筋が見えて勝負がついた」と感じたとき、2)時間に追われ、何をさせばいいのかわからなくなったとき、に震えることがある、と述べている。

羽生さんにしても、手が震えることが原因で負ける、ということはない。なので、見た目はよくないだろうが、震えが大事なパフォーマンスに影響する、ということはない。

※羽生さんは、ある時期から手が震えるようになった。

震えは身体の適応行動

個人的には、震えは身体の適応行動だと考えている。

身体が緊張をコントロールできなくなったので、外部にアウトプットする。それが、「震え」だ。緊張が自分の閾値を超えたので、耐えきれずあふれ出した形が「震える」ということだ。

極端な形というのは、必ずおさまる。「平均への回帰」があるので、極端なことは長く続かないのだ。なので、震えたときは「身体が適応中」だと思い、「そのうちおさまるよ」ぐらいでいいと思う。

※自分の身体のメカニズムなので、起こって当然だ…ぐらいでいいと思う。

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まとめ

今回は、緊張して震えても構わない、ということを書いてみた。

冒頭で、「過度に緊張している人を見ると、こちらも変な感じで緊張する」と書いた。これは、その人が「緊張を他者に悟られたくない」と強く思ったり、緊張を取り繕おうとしているため、こちらは「見てはいけないものを見てしまった…」と感じ、そうなるのだろう。

緊張して震えても構わない。

その理由は、別にカッコ悪いことではないからだ。自尊心を傷つけるようなことでもない。自分が緊張体質であれば、その体質を利用する術を考えた方がいい(取り繕おうとすれば裏目に出る)。

いくつになっても、ステージに上がる前は震える、というベテランの歌手の人がいる。先に述べた年配の女優さんや羽生さんの例を見ても、経験を積めば震えなくなる、というものでもない。

なので、超然とその体質を利用した方がいいのだ。緊張体質の人が、自信満々で威風堂々キャラを目指す必要はない。ないものねだりではなく、自分の特徴を活かす、という発想が大事だ。

また、緊張の影響がパフォーマンスに及ばないようにすることは、十分可能だ。

今回の記事:「緊張して震えても構わない」