不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

もっと上手く共感する…共感力を高める方法がある

他人に上手く共感したい、と思うことがないだろうか。

他者に共感できれば、他者とのコミュニケーションが上手く行き良い関係を築くことができる。

また、他人の言動を理不尽だと感じ腹が立つ、他人の言動を理解することができなくてイライラする、ということも減るだろう。

共感は他者に強いプラスのインパクトを与えるので、信頼を得ることができる…ということもある。共感することは与えることになる。自分から他人に与えることのできる人は強いのだ。

今回は、共感力を高める方法について書いてみたい。

目次

共感とは

他人に共感する男性

まず、共感とは何か、から考えてみよう。

共感とは、「他人の考え・行動に、全くそのとおりだと感ずること」、「他人の体験する感情を自分のもののように感じとること」(大辞林)である。ここでは、後者について考えてみよう。

他人が持つ感情を共有する、ということなので、他人がある感情を持っており、その様子を観察して自分も同じ感情を持つ、ということだ。なので、他人を観察して他人が持つ感情を知り、その感情をリーズナブルだと(もっともだと)思い、自然な形で同じ感情を抱く必要がありそうだ。

相手を観察する

他人に共感するためには、相手を観察し相手の感情を知る必要がある。

そのためには、相手に関心を持つことが必要になる。

だが不器用な人は、相手に関心を持つことが苦手だ。

相手に関心を持つことは、「ウエットなことで嫌だ」という気持ちがあるし、「相手は自分の関心など欲していないだろう」、「相手に気持ち悪いと思われるのは嫌だ」と思うためだ。

これではダメで、相手に関心を持つ、というマインドが必要だ。

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相手の話を聞く

共感には傾聴が必要になる。

相手の話をよく聞くことで、相手が何を問題にしているのか、相手が大切に思っていることは何か、不満に思っていることは何か、何を求めているのか…ということを理解する必要がある。

相手の話を聞いてこちらが何か思うこと・感じたことを言う、自分の話をする、問題の解決策を述べる、ということではなく、相手の話に丁寧に耳をかたむける、という姿勢が必要になる。

※傾聴マインドがなければ、共感には至らない。

共感を表現する

相手の話を聞くときは、共感を表現しながら聞きたい。

そのためには、共感を意味する相槌を打つ必要があるだろう。

それは、相手が「この人は自分の話を本当に理解している」、「そして、自分が持つ感情をもっともだと思い、共有してくれている…」と感じる相槌になる。

わたしが信頼できる人に、「こういう厳しい状況がありました」と話したとき、「大変な思いをしたね…」というわたしの感情を代弁するような返しをしてくれたことがある。相手の言葉はもちろんだが、表情や態度からも、寄り添うような温かい気持ちを感じたことを覚えている。

ずいぶん前の話だが、他者の真摯な共感は人の記憶に長く残り続けるものだ。

似たケースを引き出す

他者に共感するときは、自分の経験の中から似たケースを引き出してくればいい。

その場合は、全く同じケースでなくてもいい。

たとえば、自分に「受験に失敗した」という経験があれば、他者の受験に失敗したケースはもちろんだが、就活に失敗した、転職に失敗した、というケースと(心情などを)重ねることができそうだ。もっと抽象度を上げると、失恋・結婚に失敗などにもあてはめることができる。

そのためには、ある程度の人生経験を積む必要がある。人生のイベントを通じて喜怒哀楽を経験することが必要で、そういう経験を豊富に持っている人には、共感するための豊かな土壌がある。

人の感情を理解する

共感するためには、人の感情そのものへの理解も必要だ。

感情自体に善悪はない。

喜怒哀楽、快・不快、好き・嫌い、明るい・暗い気分、嫉妬・恨み、畏怖、畏敬感情、焦燥感、嫌悪感、罪悪感、諦観…感情はいろいろあるが、感情そのものに善悪があるわけではないだろう(それぞれの感情は一対のものかもしれない)。

ただし、ある感情を持つことでいい気分になったり、悪い気分になったりすることはある。また、人により、この感情を抱きやすくこの感情は抱きにくい…ということはある。たとえば、ネガティブな人は、怒り、不快、嫌い、嫉妬、恨み、嫌悪などの感情を抱きやすい、ということだ。

いろいろな感情が入り乱れる、ということもある。なので、矛盾した感情を持つこともある。そういうことを知れば、矛盾した感情を抱える人にも共感できるようになるだろう。

相手の立場になり考える

相手の立場になり考えてみよう。

相手の立場になり考える、という作業はかなりむずかしい。自分の立場を一度離れなければいけないためだ。

経営者は(普段の私生活では)消費者でもあるのに、自分のビジネスの消費者のことがよくわからない。ほかのビジネスであれば、いい悪い、高い安いが感覚的にわかるのだが、自分のビジネスになると、よくわからなくなるのだ。

なので、一度自分の立場を離れ(相手の立場になり)考えてみる。

簡単ではないが、これまで述べてきたこと、「相手を観察する」、「相手の話を聞く」、「似たケースを引き出す」、「感情そのものへの理解を深める」ことを通じて、そうすればいいのだ。

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相手により使い分ける

他人に共感するためには、相手によりコミュニケーションの方法を使い分ける必要がある。

たとえば、相手が不器用で内向的な人だとしよう。

このタイプの人は感情をあまり表に出さない。なので、その人の感情を知りたければ、その人に対し(普通の人以上に)関心を持ち言動を注意深く観察する、ということが必要になる(非言語的情報(表情や視線、姿勢や距離感など)から情報を集めなければいけない)。

また、このタイプの人には、こちらからの積極的な働きかけが必要だ。

働きかけの反応から相手の感情を知る、という作業が必要になるのだ。部下であれば、こちらから積極的に声をかける必要がある。やや面倒だが、そうしないと永遠に共感には至らないのだ。

※相手が「自分のことを気にかけてくれている」と感じれば、表現してくれるようになる。

 

共感力を高める方法 - サマリー

まとめ

今回は、共感力を高める方法について書いてみた。

端的にいえば、「相手を観察する」、「相手の話を聞く(傾聴する)」、「似たケースを引き出す」、「感情そのものへの理解を深める」ことを通じ、相手の立場になり考えてみるといい。

少し前に、相手に共感できない…というケースがあった。

そのときの自分を振り返ってみると、相手を観察したが、終始批判的な目で見ていた。相手の話を聞いたが、イライラし問い詰めるような質問をした、自分の経験から似たケースを引き出せなかった、結果、相手の立場になり考えることができなかった…という状況だったように思う。

※相手に認知のゆがみがあると感じ、その認知の歪みをどう正せばいいのか…ということで頭が一杯だった。

これでは、相手に共感することは不可能だ。こういうことがないようにしたい。

今回の記事:「もっと上手く共感する…共感力を高める方法がある」