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人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

緊張によるあがりを克服する方法8つ

人前で話すときなどに、緊張してあがることがある。

その状態は、自分をコントロールできなくなる、という状態であり、乗っている馬が急に暴れ出し、自分は鞍にしがみつくだけでなすすべがない…という状態に似ている。

自分は必死だがかなりカッコ悪い。その姿を見る人は、「どうしたのか」、「見ていられない」という視線を送ってくる。その視線がさらに、自分にダメージを与える(悪循環が発生する)。

こういう「あがる」経験も必要だと思うが、こういうことを何度も繰り返すと、社会生活に支障が出てしまう。なので、緊張によるあがりを(ある程度は)克服する必要があるだろう。

今回は、緊張によるあがりを克服する方法について書いてみたい。

目次

あがりの原因

緊張してあがりが生じた女性

まず、あがる原因だが、

以前の記事で書いたあがりの原因は、1)失敗に対する不安、2)他者への過剰な意識、3)勝手が違う…という感覚、4)当人の性格的なこと(自己卑下的な意識など)、の4つだ。

これらに加えて責任感も原因になるとされる。

責任感が強ければ、他人の期待を裏切ってはいけない、自分の責任を果たさなければいけない、と思いかたくなる。そうなると、身体の緊張度が増し、パフォーマンスの低下に繋がる。

遊びのない精神状態では、あがりやすくなる、ということだ。

 

あがりを克服する方法

失敗に対する認知を変える

あがりを克服するためには、原因に対処すればいい。

まず、失敗に対する不安だが、失敗に対する認知を変えたい。

失敗に対する不安があるときは、失敗するチャンスだと思えばいい。偶然にも失敗するチャンスを与えられた、そんなチャンスを得た自分はかなり幸運だ…、ぐらいの気持ちでいいだろう。

※失敗すれば、そのチャンスを活かした、ということになる。

そもそも失敗は悪いことではない。

人である限り失敗はするし、失敗の先に成功があるので、失敗をしなければ成功しない。なので、失敗を恐れて失敗するチャンスを逃すより、失敗してそこから学びを得た方がいいのだ

※失敗については、長い目で見る必要がある。

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他者を仲間だと考える

他者への過剰な意識は、どうしたらいいのだろうか。

自分を値踏みする視線を受けること自体が、あがりにつながるのでなかなか厄介だ。

プレゼンやスピーチなどでは、聞き手を自分の仲間・味方である、と認知する方法がある。

聞き手の中には、悪意を持つ人や「お手並み拝見」とばかりに(やや意地悪な感じで)値踏みする人がいるかもしれないが(笑)、基本的には好意的な人やフラットな人の方が多いと思う。自分もそうであれば、彼らを仲間と考えることは可能だろう。

ほかの人についても、縁あって同じ場にいる仲間であるし、同時期に生を受けている仲間である。なので、大きく考えれば、どんな人でも仲間だと考えることができる。

相手を観察する

もうひとつは、こちらも相手を観察する、という方法だ。

自分があがらず冷静にスピーチしているシーンを思い出してほしい。

そんなときは、聞き手のことがよく見えているものだ。緊張してあがっているときは、聞き手の方に視線を向けることすらできないのだが、冷静なときは聞き手のことがよく見えるものだ。

冷静なときは結果的にそうなる、ということだが、この状況を意図的に作り、緊張によるあがりを防ぐ、ということも可能だ。聞き手の作用(こちらへの視線など)を受けてあがるのだから、こちらも反作用(聞き手を観察する)を起こすことにより、心の平衡状態を保つ、ということだ。

ほかのことに集中する

他者への意識以外のことに集中すれば、なぜかあがらない。

たとえば、風邪などにより体調が悪いときにはあがらない、ということがある。

それは、体調の悪さの方に気がとられる、自己のリソースがとられるためだ。そのため、相手の視線が…、自分の評価が…などということはどうでもよくなり、ほとんどあがらなくなるのだ。

この現象を応用すればいい。

スピーチやプレゼンであれば、話の内容に集中する、伝えることに集中する、発声に集中する、声の大きさ・話すスピードをコントロールすることに集中する、など他のことに集中するのだ。

何かに集中して視野を狭くすれば、他人の視線は気にならなくなる。

勝手が違う ⇒ 抽象度を上げる

いつもと勝手が違う…という感覚だが、

敏感な人は、微細な差異にも気が付くので、こういう感覚を持ちやすい。

こういう感覚を持ったときは、抽象度を上げればいい。

抽象度を上げることで微細な差異が気にならなくなり(差異が埋もれる)、「いつも練習でやっていることじゃん」、「いつものプレゼンと本質的には変わらない」と思えるのだ。

そう思えると、落ち着きを取り戻すことができる。

ベテランの運転手になる

生得的な性格を変えることはできないしその必要もないので、できることをやる。

前回のあがりに関する記事で、ベテランの運転手は見られることでパフォーマンスが上がり、経験の浅い運転手は見られることでパフォーマンスが低下する、という話をした。

なので、自分を「経験の浅い運転手」から「ベテランの運転手」にすればいい。

そのためには、事前に何度も練習を繰り返すことだ。そのときは、一度に何度もやるよりは、時間を空けながら何度も繰り返せばいいだろう。そうすることで、ベテランの運転手のように、「見られることが適度なストレスになる」という状態になり、緊張によるあがりを防ぐことができる。

事前の練習は必要条件

事前に何度も練習を繰り返しても、本番ではあがる…ということがある。

たとえば、プレゼンやスピーチで、事前に何十回も練習を重ねても、緊張から声が震えたり・上ずったり、早口になってしまったり、噛んでしまい言い直しもできない…ということがある。

なので、ほかの対処法と組み合わせて使うようにする。事前に何十回も練習したらあがらない…ということではない。事前の練習はあがらないための必要条件である、ぐらいの考えでいい。

※組み合わせることで、事前の練習が生きてくるだろう。

自己卑下的な意識を持たない

あがりを招く可能性があるので、自己卑下的な意識を持つことをやめたい。

その方法だが、普段の言動から少しずつ変えていく、という方法がある。

具体的には、胸を張り、姿勢を良くすることを心がける、話すときの声を少し大きくしてみる、相手の目をみて話すようにしてみる(相手をよく観察しながら話すようにしてみる)、などだ。

自分の価値を低く見積もらない、という意識も必要になるだろう。短所が気になるのであれば、短所があることで伸びている長所をみるといいだろう(凹みがあればその分凸の部分がある)。

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相手の承認を求めない

あがりやすい人は、その分落ち込みもひどくなる。

失敗した…、自分はダメだ…と深く落ち込み、クヨクヨしてしまうのだ。

このタイプの人は、自分に自信がないため、他人の承認を求める、という特徴がある。なので、自分のプレゼンやスピーチの評価を他人に求め、承認してくれる人を探そうとしてしまう。

自分が失敗したと思い落ち込んでいるのだから、他人が承認してくれるはずがないのだが…。

こういうことは一切やめる。他人に承認を求めることをやめるのだ。自己承認でやっていくことを目標とし、その第一歩として他人に承認を求めることをやめる(それだけでも進歩だ)。

 

緊張によるあがりを克服する方法 - サマリー

まとめ

今回は、緊張によるあがりを克服する方法について書いてみた。

今回の記事で書いたのは、1)失敗に対する認知を変える、2)他者を仲間だと考える、3)相手を観察する、4)ほかのことに集中する、5)勝手が違う⇒抽象度を上げる、6)ベテランの運転手になる、7)自己卑下的な意識を持たない、8)相手の承認を求めない、の8つだ。

6番目の「ベテランの運転手になる」、すなわち、事前の練習を徹底的にやり込む、というのはマストだ。これは、あがりやすい人が「あがらない」という目標を満たすための必要条件なので、絶対にやらなければいけない。それを前提にした上で認知を変える。

他者に対する認知、自己に対する認知を変える。場に対する認知も、抽象度を上げることにより変えればいい。普段の言動などを変える(姿勢を良くする、やや声を大きくする、相手の承認を求めない)ことから認知を変える、というアプローチも有効だと思う。

今回の記事:「緊張によるあがりを克服する方法」