諦めない人がいる。
諦めることがすべて悪い、ということではない。期待値が0かマイナスの場合は、諦めて次に進んだ方がいいだろう。そんなことにリソースをつぎ込んでも、無駄にしかならないためだ。
だが、期待値がプラスで自分が「これだ!」と思うことについては、諦めてはいけない。諦めなければ成功の目があるが、諦めてしまえば成功の可能性はなくなり、失敗に終わるためだ。
今回は、諦めない人の心理と特徴について書いてみたい。
目次
やり抜く力で成否が決まる
諦めずにやり抜けるか、で成否が決まる。
コンサルから教師、教師から心理学者に転身したダックワースさんによる調査・研究がある。
彼女は、陸軍士官学校、全国的なコンテスト、学校(生徒&教師)、民間会社(販売員)で調査を行い、成功に寄与する(成功を予想する)重要な変数を見つけた。それが、「やり抜く力」だ。
※IQや社会的な知性、ルックスなどではなかった。
才能とやり抜く力は関係ない
ダックワースさんによると、才能とやり抜く力の間に正比例の関係はないそうだ。
正比例の関係はないが、反比例する傾向があるそうだ。才能があるがゆえに、思わず手を抜いてしまう…ということだろう。「ウサギとカメ」で、走る才能があるウサギがやり抜かず手を抜いたことと似ている。
当然、才能があってやり抜く、という人が最強なのだが、なかなかそうはいかない。才能があるがゆえに、コツコツ積み重ねる、自己を律する・自制する、ということがむずかしくなるためだ。
※慢心という人の弱さが、露呈してしまうのだ。
諦めない人の心理と特徴
長期的な展望に立つ
諦めない人は、将来を意識して長期的な展望に立ち、やるべきことを考えている。
そうすれば、短中期のパフォーマンスがあまり気にならなくなり、諦める確率が低くなる。
たとえば、ブログを書くことにしても、長期的な展望に立っている人とそうでない人では、後者の人の方が諦める確率が高くなる。短中期で結果が出なければ、「やめよう」となるためだ。
性急に結果を求めれば、ハードルが高くなり、あきらめざるを得なくなる。
状況は変わる…と考えている
諦めない人は、努力を積み重ねることで状況は変わる、と考えている。
ウサギとカメであれば、カメはウサギに大量リードされた後でも、「コツコツ歩めば勝つチャンスがある」と思っていたはずだ。「勝つチャンスがある」ではなくて、「勝つ確率が上がる」とした方が実践的かもしれない。
※勝つ確率は、自分の努力だけで上げることができる。
何でもそうだが、相手の攻勢の前に風下に立ったとしても、その時しっかり耐えていれば、相手のミスやスローダウンなどにより状況が変わる、ということが普通にある。状況は変わるのだ。
閾値を超えれば変わる
相手がどうこうではなく、閾値を超えれば状況が変わる、ということもある。
この記事の2つのグラフを見てほしいのだが、
努力しても結果が出ない、という時期と、努力すれば結果がついてくる、という時期があることがわかる。後者には、努力に比しておもしろいように結果がついてくる、という時期もある(笑)。
努力には先行投資的な意味合いがあって、努力の積み重ねが結果として現れるまで、時間がかかるのだ。したがって、閾値を超えるまでは、諦めずに耐えてコツコツ努力しなければいけないのだ。
※多くの人は、結果が待ちきれずに諦めてしまう。
悪い方に変わることも…
また、経験から悪い方に変わることも知っている。
閾値を超えれば状況が変わるのだが、その後はずっとハッピーか、というとそうではない。
平均への回帰があるので、良くなれば悪くなるのだ。
ここの「PVの上昇サイクル」を見てもらえばわかるが、
1サイクル終わればリセットだ。「成長・躍動期」がずっと続くわけではない。再び、結果の見えない努力をしばらく続けなければいけない。長期的な展望に立ち、「また、状況は変わる」と考えていれば、この時期を乗り切ることができる。そうでなければ、諦めてしまうだろう。
悲観主義ではない
よく、諦めない人は楽観主義である、とされるが、わたし的には「悲観主義ではない」だ。
楽観主義でなくても諦めない人はいるだろうが、悲観主義だと即諦めに繋がってしまうためだ。自分は悲観主義者だ…という場合は、論理で(感情が原因の)認知の歪みを正せばいいと思う。
※見込みがない、将来がない、頑張っても結果を出せない…と思えば、諦めてしまう。
たとえば、上で書いたように、悪い時は状況が良い方に変わる、コツコツ努力を積み重ねて行けば、(閾値に達し)状況が変わる、ということを理解していれば、悲観的になることはない。
努力が大事だと考える
諦めない人は、努力が大事だと考える。
そして、努力できる人が有能な人である、と考える。一方で、そのようには考えず、他者よりも優れている人が有能である、と考える人(他者との比較で有能・無能を考える人)もいる。
前者の人が諦めない人で、後者の人が諦める人になる。
後者の人は、そのとき切り取った自分と他者が写った1枚の絵を見て有能・無能を決めている。
それまでの各自の努力を考慮しないので、自分は他者と比べてダメだ…となり諦める。最悪なのは、後者のタイプで自分に自信のない人だ。このグループの人は、かんたんに諦めてしまう。
諦めない人の心理と特徴 - サマリー
まとめ
今回は、諦めない人の心理と特徴について書いてみた。
今回の記事で書いた心理と特徴は、1)長期的な展望に立つ、2)状況は変わる…と考えている、3)悲観主義ではない、4)努力が大事だと考える、の4つだ。
このほかにも、「失敗に対する認知が優れている」ということもあるだろう。
諦めない人には、失敗の先に成功があるので、失敗すればその分成功に近づく、ぐらいの意識がある。そう考えていれば、失敗が苦にならないはずだ。※このことも入れて5つにしよう。
諦めずにやり抜けるか、で成否が決まる。
少なくとも、諦めないことは成功の必要条件になるはずだ。なので、冒頭で書いたように、(期待値がプラスで)自分が「これだ!」と思うことについては、決して諦めてはいけないのだ。
今回の記事:「諦めない人の心理と特徴5つ」