対人関係が苦手な人がいる。
というより、わたしも含めてそう思っている人の方が多いだろう。
ある調査では、7割弱の人がそう思っている、とのことだ。なので、そう思っている人は、自分は多数派に属する、と考えた方がよさそうだ。あとは程度の問題、ということになると思う。
今回は、対人関係が苦手な人の心理と特徴について書いてみたい。
目次
対人関係が苦手な人がいる
会社でもどこでも、対人関係が苦手な人がいると思う。
会社のエレベーターの中で、知り合い以上友達未満のような人が乗ってきたとき、さっと顔を伏せて気付かれませんように…とする人がいるが(笑)、この人はそのタイプの人だろう。
※もちろん、1人の場合はバレるので、中に全部で4~5人以上いる場合だ。
対人関係が苦手な人の心理と特徴
疑心暗鬼である
対人関係が苦手な人は、常に疑心暗鬼である。
疑心暗鬼というのは、暗闇に遭遇すると鬼が出るのではないか…と疑いの心を持つ、ということだ。
このタイプの人の問題は、暗闇でなくてもそうしてしまう…というところだ。※暗闇を自分で作ってしまう、ということもある。
たとえば、誰かにほめられることがあっても、無理にほめているのではないか、何か下心があってほめているのではないか、仕事だから(義務的に)そうしているのではないか…と思う。
素直ではない
常態で疑心暗鬼になる理由のひとつは、素直ではない、ということだ。
素直な人であれば、ほめられたら「ありがとう」と、素直に返すことができる。コミュニケーション的にはこの応答がベストだろう。ほめた方もほめられた方も、気持ちが良くなるためだ。
だが、素直でないと、相手の言葉をそのまま受け取ることができない。ほめられると困惑し、先に述べたような思考をしたり、いや、こんな悪いところがありますから…と否定したりする。
自分を卑下している
このタイプの人は、自分を卑下している。
自分など取るに足らない存在である、とよく思うことがある。
対人関係においては、「誰も自分のことを必要としないだろう…」、「自分は人に必要とされる人間ではない」、「他人は自分の存在を不愉快な存在だとしているだろう…」などと感じる。
誰かが「いやいや、あなたは必要な人ですよ」と言ったとしても、先に述べたような思考でその言葉を否定してしまう。否定された方は気分が悪くなるので、その人を遠ざけることになる。
※そういう態度をとることで、対人関係がさらに厳しくなってしまう。
自尊心がない
このタイプの人は、自尊心があまりない。
自尊心というのは、自分に対する肯定的な気持ちのことだ。
この気持ちがないために、上で述べたように、自分を卑下してしまう。
自尊心は(ある程度)「自分は有能で価値がある」と思っていれば、「持っている」ということになるが、全くそう思わないのであれば、「持っていない」ということになる。
対人関係が苦手な人は、コミュニケーション能力において自分は無能である、と思っている。この能力は、人を評価する上でかなり大きな変数になる。なので、自分には価値がないと思うのだ。
自分の意見を言わない
対人関係が苦手な人は、自分の意見を言わない。
自分の意見には価値がない、自信を持って意見を言えない…と思い、さらに、不正確なことを言うのは嫌だ、論理に穴があるのは嫌だ…と思うためだ。
※正確さを求め、どう話せばいいのかわからない…と窮することもある。
それらに加えて、相手に変に思われるのが嫌だ、自分に対する評価が悪い方に変わるのが嫌だ…という気持ちもある。※コミュニケーションが苦手なので、話したくない…ということもある。
傷つきたくない…という気持ちが強い
このタイプの人は、対人関係において傷つきたくない…という気持ちが強い。
たとえば、人と知り合えば、どこかでばったり出くわしたときに、あいさつをしたり立ち話をしたり、というちょっとしたコミュニケーションが必要になる。
もちろん、こういうことが苦手で面倒くさい、ということもあるが、そんなとき上手くできないと、自分が傷ついてしまう。こんなことも自分はちゃんとできないのか…と思ってしまうのだ。
また、自分がとった言動で相手が傷ついたかもしれない…と思うと、「自分のバカ~」と相手に申し訳なく思い自分を傷つけてしまう。自分がやったことだが、相手の傷つきを自分のことのように受け止めつらい思いをする。さらに、相手に嫌われただろうと思い、「バカバカ~」と思う。
そういう思いをするのであれば、最初から対人関係を築かなければいい…となる。
自分に対する思いやりがない
傷つきたくない…というのは、裏を返せば、傷つくとダメージが大きい…と知っているためだ。
対人関係が苦手な人は、コミュニケーション能力の問題で傷つくと、大きなダメージを受ける人なのだ。
その種のダメージを受けても、自分に対する思いやりのある人であれば、素早く立ち直ることができる。だから、傷つきたくない…という気持ちがそれほど大きくなることはない(もちろん、傷つきたくない…という気持ちはあるが比較の問題だ)。
だが、このタイプの人は、思いやりという絆創膏を傷口に貼ることができないので、傷つくことを極端に怖がってしまう。自分に対する思いやりがないせいで、そうなってしまうのだ。
対人関係が苦手な人の心理と特徴 - サマリー
まとめ
今回は、対人関係が苦手な人の心理と特徴について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)疑心暗鬼である、2)素直ではない、3)自分を卑下している、4)自尊心がない、5)自分の意見を言わない、6)傷つきたくない…という気持ちが強い、7)自分に対する思いやりがない、の7つだ。
6についてだが、対人関係において傷つきたくない、という思いはだれにでもあると思う。
だが、外部からの刺激を強く感じる人(感受性が高い人)や思いやりという絆創膏を持たない人は、より強くそう感じる。傷つくと、受けるダメージが人一倍大きくなってしまうためだ。※前者は生得的なものであまりできることはないが、後者については持つことができるようになる。
今回の記事:「対人関係が苦手な人の心理と特徴」