スーツというドラマを知っていると思う。
ハマっている人も多いのではないだろうか。テンポがよく会話や展開がおもしろいので、あっという間に1話を見終わってしまう。そして、そのまま2話、3話と見たくなり止まらなくなるのだ。
今回は、「スーツ」のシーズン1を独自視点でまとめてみたい。※ネタバレがある。
目次
シーズン1のおもしろさ
軽妙洒脱なトークがいい
スーツの見どころは、軽妙洒脱なトークにある。
この軽妙洒脱なトークは、主にマイクとハーヴィの間で交わされるが、ルイスが絡むこともある。※何かとネタにされがちなルイスだが、彼には教養があるので、質の高いトークができる。
ドナとレイチェルの間にも、この種のトークがある。
小ネタや比喩が満載…
会話の中に、小ネタや比喩をぶち込んでくる。これがおもしろい。
たとえば、「牛はマントに夢中で闘牛士を見ない」(ハーヴィ)、「テキサスでは死刑になるより、(麻薬の)取引中に死ぬ確率の方が高い。「ヤバい経済学」に出ていた」(マイク)など…。
医者と弁護士は似ている。痛む箇所がわかるまで押すところだ…というセリフもあった。
有名になったセリフも
銃を頭に突き付けられたときどうする、という問いに対し、
銃をとりあげるか、相手より大きい銃を取り出すか、はったりをかませ、(そんなときには)ほかにも146通りの対処法がある…と、ハーヴィが答えている。※あきらめるな、ということだ。
映画ネタがおもしろい
会話には、映画へのメンションがよくある。
シーズン1では、「ゴッドファーザー」、「トップガン」、「カサブランカ」、「007」、「スタートレック」、「ミシシッピー・バーニング」などのネタが出てくる。映画の中のセリフを使うことがあれば、登場人物をネタにすることもある。また、映画のアイデアを借りることもある。
英語の勉強になる
字幕版で見れば、オリジナルのセリフがわかるのでおすすめだ。
字幕にされていない部分もあるので、注意深くリスニングするといい。
シーズン1(2011年)では、トランプのスキャンダルをハーヴィがもみ消した…なんてセリフも出てくる(この部分はぼかして翻訳されてる)。
グルメは「gourmet」ではなく「foodie」、ペーパーカンパニーは「shelf company」、メールは会話では「mail」と言わないらしい、「ball」にはこういう意味もあるのか…ということがわかる。
粋(いき)は「dashing」だが、死語になりつつあるかも…ということもわかる。
※マイクが「ball」の意味を取り違えて戸惑う…というシーンもあった(笑)。細かくポイントを取りに来るところがすごい。俗な表現もときどき使われている。
仕事のモチベが上がる
スーツをみていると、仕事に対するモチベーションが上がる。
マイクの徹夜も厭わない仕事ぶりを見ていると、自分も頑張らなくては…と思う。
ちなみにマイクは、入社当初6時半に帰ろうとしていた。だが、レイチェルに9時前に帰るのはNG…と諭される。※ハーヴィも検事時代は、1日36件処理していた(驚異的な量になる)。
一流の言葉がおもしろい
ハーヴィの言葉がおもしろい。
先に紹介した言葉もそうだが、それらのほかにも「ここで働きたいなら事実や証拠、情報だけを追え。それが本物の弁護士だ」という「本物の弁護士とは何か…」という問いに答える言葉もある。
シーズン1で起こったこと
マイクがワンチャンものにする
偶然だが、(全く違う人生を歩んでいた)マイクとハーヴィの出会いがある。
荒唐無稽な出会いだが、マイクはその場で自分の実力を示し売り込むことに成功する。
タクシーで相乗りした人(会社の偉い人)に自分を売り込み成功した…という実話を聞いたことがあるが、リアルに置き換えるとそういう話になる。ドラマゆえに、荒唐無稽になっているが。
伏線になるかもしれない出会い
タナー。ダーティな手を使う弁護士。ハーヴィの宿敵になりそう。
キャメロン。地方検事。ハーヴィの元上司。正義感は強いが、証拠の隠蔽も厭わない。
スコット。ハーヴィの元カノ?。ハーヴィはスコティと呼ぶ。大学時代の同級生。学生のときの成績は、スコットが上(スコットは首席)。弁護士になってからの成績は、ハーヴィが上回る。
※大学時代の成績と社会人になってからの成績には、あまり相関がないだろう。
スタン。資格を持たない偽会計士。実務能力が高く、マイクと被る。
IT guys
ベンジャミン。法律事務所のIT部門の責任者。
ローラ。優れたハッキング能力を持つ。常識から外れた行動をする。ハーバードのデータベースに侵入し、マイクが偽弁護士であることを見抜く。その後、マイクの情報をDBに登録したりする。
※味方であればいいが、敵にすると怖い相手だ。
伏線になるかもしれない出来事など
マイクがハーヴィとの面接時に他人に成りすます。
ドナの洞察力は半端ない。ドナには芝居気がある。ドナはハーヴィとの関係について嘘を言う。
※嘘をついたあと、居心地悪そうに席を外す。
マイクがレイチェルに一目ぼれする。レイチェルは完璧主義。裕福な家庭に育ったことが判明する。
マイクはハーヴィのことを「他人に無関心なふりをしている」と思っている。ジェシカはマイクに対し、「ソフトでナイーブな弁護士は必要ない」と言い放つ。ハーヴィもその点を気にしている。
謎や疑問・おかしな点
変装が微妙…
まず、LSAT受験(替え玉受験)の際のマイクの変装がわからない。
眼鏡をかけて青いキャップを被る、という変装をしたのだが、なぜ目立つ青いキャップを被ったのだろうか。意図的に鮮やかな色のキャップに注目を集め、顔バレを防ぐ…ということだろうか。
それとも、バレたときを想定し、ドラマの現実同様、誰かに帽子を被せて逃げるため…ということだろうか。
※また、受験時に写真撮影などがあるはずなので、替え玉受験はほぼ不可能だ。
なぜマイクを採用したのか
ハーヴィはなぜ、マイクを採用したのだろうか。
資格のない偽弁護士に(そうと知りつつ)仕事をさせることは、ハイリスクすぎる。
後にこのリスクが顕在化し、大変なことになるのだが…。
マイクの能力に心底ほれ込んだのであれば、パラリーガルとして採用し自分が使う、という方法もあったはずだ。シニアパートナーであれば、その権限があるはずだ。それとも、マイクの能力を即弁護士として使いたい、と思ったのだろうか(すぐに自分の分身が欲しかったのかもしれない)。
とにかくハーヴィは、このリスクについて非合理的に軽視している…という感じだ。
※ルイスにばれているのでは…というマイクの懸念に対し、スルーしている。
謎の缶切り
裁判の前に、ドナがハーヴィに対し「缶切り」で何かをする、というシーンがある。
景気づけの儀式のようなものだと思うが、これが何かわからない。
火打石を使って景気づけをすることと、同じようなことだろうか。部屋の外でやるか中でやるか…と尋ねていたので、外でやってもおかしくないことなのだろう。※「cut loose」だろうか?
ドラマ「スーツ」シーズン1 - サマリー
まとめ
今回は、「スーツ」のシーズン1を独自視点でまとめてみた。
シーズン1は、軽妙洒脱なトーク、比喩や小ネタ、映画へのメンション、超一流の仕事やプライベートのスタイルなどを見て楽しめばいいのだろうと思う。ルイスとの小競り合い、相手弁護士(または検事)や(場合によっては)クライアントとのバトル、も普通に楽しめるだろう。
マイクの恋愛ネタ、トラブルネタもあるが、恋愛ネタについては普通だ。
トラブルネタからの展開については、まだほんの序章にすぎない。
偽弁護士という最大のトラブルネタからの展開は、今後続くことになる。
複数のネタからの展開が同時にある…というところが、海外ドラマのおもしろいところだ。このドラマは脚本が秀逸なので、今後もよりおもしろくなる。シーズン1は序の口にすぎない。
※肝心なことを忘れていたが、要所でマイクの「記憶の天才ネタ」もある(笑)。
今回の記事:ドラマ「スーツ/Suits」シーズン1をまとめてみる